【F1】中国GP決勝:ハミルトン今季初優勝。2位のベッテル寄せ付けず
F1第2戦中国GPが上海インターナショナル・サーキットで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝を果たした。
Podium: second place Sebastian Vettel, Ferrari, Aldo Costa, Mercedes AMG F1 Engineering Director, Race winner Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1, third place Max Verstappen, Red Bull Racing
Sutton Images
4月9日(日)、F1第2戦中国GPが上海インターナショナル・サーキットで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝を果たした。
視界不良のせいで金曜日のフリー走行がほぼ赤旗となり走行できず、土曜日には1時間のフリー走行3回目の後に予選が行われた。
悪天候と予測された決勝日。朝には霧雨が降ったものの午後にはそれも止み、ウエットとドライの混合コンディション。気温12度で天候は曇り、路面温度は15度の中、レースがスタートした。
ほぼ全車がインターミディエイトタイヤでグリッドについたが、トロロッソのカルロス・サインツJr.のみスーパーソフトタイヤを選択した。また、ルノーのジョリオン・パーマーはフォーメーションラップを終えたタイミングでピットに入り、ドライタイヤに交換。ピットレーンからのスタートとなった。
2連続のセーフティカー
スタート後の第1コーナーは混戦にはならなかったものの、5番手スタートのダニエル・リカルド(レッドブル)が4番手のキミ・ライコネンをオーバーテイク。
ウイリアムズのランス・ストロールは10番グリッドからスタートしたものの、ターン10で内側に入ってきたセルジオ・ペレス(フォースインディア)と接触しスピン。そのままコースオフして、グラベルに入ってしまった。ストロールはこのグラベルにはまってしまい、そのままリタイア。ストロールのマシンを回収するため、バーチャルセーフティカー(VSC)が宣言される。一方のペレスは右フロントタイヤをパンクさせたため、ピットインした。この接触は審議対象となったが、ペレスにペナルティが科されることはなかった。
VSCの中、ベッテルがピットインしてソフトタイヤに履き替えた。彼は、16番グリッドスタートから一気にポジションを上げ、さらにタイヤ交換を選択しなかったために5番手までジャンプアップしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の背後でレースに復帰した。
4周目にVSCが解除され、レースが再開した直後、ザウバーのアントニオ・ジョビナッツィがホームストレートで単独クラッシュした。ジョビナッツィのマシンの右側は大破し、メインストレートの中央でストップ。この回収のために再びセーフティカーが出動した。
このセーフティカーのタイミングで、多くのドライバーがインターミディエイトからドライタイヤへ履き替えた。また7周目で2番手を走行していたメルセデスのバルテリ・ボッタスがスピンし、大きく順位を下げ12番手となった。
なお、メインストレートがジョビナッツィのマシンとその破片で覆われていたため、セーフティカーが先導する隊列はすべてピットレーンを迂回した。つまり、この間にタイヤ交換を行えば、ロスタイムはほとんどゼロに近くなるということを意味したため、VSC中のタイヤ交換を思いとどまったドライバーたちは恩恵を受けることになった。
7周目の終わりでセーフティカーがトラックを抜け、レースが再開。その直後にフェルスタッペンがライコネンを交わして3番手へ浮上。一方のライコネンは、「パワーが出ない」とチーム無線でマシンの不具合を知らせた。
ハミルトンを追い上げるベッテル
11周目にフェルスタッペンがリカルドをオーバーテイクし、2番手へ浮上。スーパーソフトタイヤを履いたフェルスタッペンはさらにハミルトンを追い、13周目には1.6秒差につけた。一方のリカルドは、アンダーステアに悩まされペースを上げることができず。ハミルトンやフェルスタッペンとの差は徐々に広がっていった。
16周目を境に、ハミルトンがペースアップ。フェルスタッペンを一気に引き離した。
同じ頃、マクラーレンのストフェル・バンドーンがマシントラブルを訴え、ガレージイン。バンドーンはそのままリタイアとなった。
19周目にボッタスがロマン・グロージャン(ハース)を交わし、9番手へ浮上、またベッテルがライコネンを抜き、4番手にポジションを上げた。この間に11番手にいたダニール・クビアトがコース外でストップし、そのままリタイアとなった。
22周目、ベッテルはアウトからリカルドを狙い、直線でリカルドと並んだ後、タイヤを接触させながら、リカルドの前へ出て3番手へ浮上。ベッテルの勢いは止まらず、23周目でファステストを記録。その勢いのまま2番手のフェルスタッペンを追った。
29周目にはフェルスタッペンがブレーキをロックアップさせ、ベッテルがその隙を突いてオーバーテイクを完了。その翌周フェルスタッペンは、タイヤは限界と判断して新しいスーパーソフトタイヤに履き替え、ボッタスの背後の6番手でコースに復帰した。
ベッテル、先に動くも…
32周目、ハミルトンが「タイヤが厳しくなってきた」とチーム無線で報告した。ハミルトンのペースは落ちてきており、一方のベッテルのペースも伸び悩んだ。ライコネンも左フロントタイヤが厳しいとチームに訴えた。その間、フェルスタッペンがボッタスをオーバーテイクし5番手へ浮上している。
34周目にリカルドがピットイン。一方、7番手のアロンソをサインツJr.が交わした。アロンソはそのまま失速し、左ドライブシャフトのトラブルを訴えて、マシンをストップさせた。力強いペースを発揮していたアロンソだが、残念なリタイアとなった。
35周目、先に動いたのはベッテルだった。ベッテルはピットに入り、再びソフトタイヤを装着。ハミルトンもこれに倣い、ソフトタイヤへ履き替えた。ハミルトンはトップで隊列に復帰。タイヤ交換を行なっていないライコネンが2番手で、ベッテルがそれに続いた。
タイヤに苦しんでいると訴え続けていたライコネンは業を煮やし「ピットにいつ入ればいいんだ」とチーム無線で訴え、39周目の終わりにようやくピットインすることができた。ライコネンはスーパーソフトタイヤに履き替え、サインツJr.の背後である6番手でレースに復帰した。
ハミルトンを追っていたベッテルのペースはなかなか上がらず、ふたりのタイム差は8秒以上開いたままとなった。残り10周という段階に入っても、ハミルトンはペースをコントロールし、レースを優位に進めた。
レース終盤、熱かったのはレッドブルのふたりによる3番手争いだ。フェルスタッペンは前を行く周回遅れのグロージャンの影響を受け、なかなかペースを上げられない。一方、リカルドはフェルスタッペンの背後につくも、決め手を欠いた。最終ラップでリカルドが仕掛けるも、オーバーテイクを成功させることはできなかった。
結局、ハミルトンがベッテルに6.250秒差をつけトップチェッカー。3位はチームメイトから逃げ切ったフェルスタッペン、4位はリカルドとなった。5位はライコネン。ボッタスはなんとか挽回を果たし、6位フィニッシュを果たした。7位にはスタート時のタイヤ選択でギャンブルに成功したサインツJr.がつけ、残り8周のところで、セルジオ・ペレス(フォースインディア)を交わしたケビン・マグヌッセン(ハース)が8位となり、ペレスが9位になった。10位のオコンは2レース連続でポイントをチームに持ち帰ることができた。
第3戦バーレーンGPは4月14日(金)より行われる。
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2017年F1第3戦中国GP決勝リザルト:
Cla | # | ドライバー | Chassis | エンジン | Laps | 時間 | ギャップ | インターバル | km/h | ピット | リタイア | ポイント | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス ハミルトン | Mercedes | Mercedes | 56 | 1:37'36.158 | 187.535 | 4 | 25 | ||||
2 | 5 | セバスチャン ベッテル | Ferrari | Ferrari | 56 | 1:37'42.408 | 6.250 | 6.250 | 187.335 | 5 | 18 | ||
3 | 33 | マックス フェルスタッペン | Red Bull | TAG | 56 | 1:38'21.350 | 45.192 | 38.942 | 186.099 | 4 | 15 | ||
4 | 3 | ダニエル リカルド | Red Bull | TAG | 56 | 1:38'22.193 | 46.035 | 0.843 | 186.072 | 4 | 12 | ||
5 | 7 | キミ ライコネン | Ferrari | Ferrari | 56 | 1:38'24.234 | 48.076 | 2.041 | 186.008 | 4 | 10 | ||
6 | 77 | バルテリ ボッタス | Mercedes | Mercedes | 56 | 1:38'24.966 | 48.808 | 0.732 | 185.985 | 4 | 8 | ||
7 | 55 | カルロス サインツ Jr. | Toro Rosso | Renault | 56 | 1:38'49.051 | 1'12.893 | 24.085 | 185.229 | 4 | 6 | ||
8 | 20 | ケビン マグヌッセン | Haas | Ferrari | 55 | 1:37'45.844 | 1 lap | 1 lap | 183.880 | 5 | 4 | ||
9 | 11 | セルジオ ペレス | Force India | Mercedes | 55 | 1:38'00.090 | 1 lap | 14.246 | 183.434 | 6 | 2 | ||
10 | 31 | エステバン オコン | Force India | Mercedes | 55 | 1:38'06.668 | 1 lap | 6.578 | 183.229 | 5 | 1 | ||
11 | 8 | ロマン グロージャン | Haas | Ferrari | 55 | 1:38'19.297 | 1 lap | 12.629 | 182.837 | 5 | |||
12 | 27 | ニコ ヒュルケンベルグ | Renault | Renault | 55 | 1:38'36.150 | 1 lap | 16.853 | 182.316 | 5 | |||
13 | 30 | ジョリオン パーマー | Renault | Renault | 55 | 1:38'38.199 | 1 lap | 2.049 | 182.253 | 4 | |||
14 | 19 | フェリペ マッサ | Williams | Mercedes | 55 | 1:38'44.386 | 1 lap | 6.187 | 182.063 | 6 | |||
15 | 9 | マーカス エリクソン | Sauber | Ferrari | 55 | 1:39'12.856 | 1 lap | 28.470 | 181.192 | 4 | |||
dnf | 14 | フェルナンド アロンソ | McLaren | Honda | 33 | 1:01'12.183 | 23 laps | 22 laps | 176.160 | 4 | Driveshaft | ||
dnf | 26 | ダニール クビアト | Toro Rosso | Renault | 18 | 36'36.260 | 38 laps | 15 laps | 160.518 | 4 | Steering | ||
dnf | 2 | ストフェル バンドーン | McLaren | Honda | 17 | 35'49.080 | 39 laps | 1 lap | 154.911 | 5 | Fuel system | ||
dnf | 36 | アントニオ ジョビナッツィ | Sauber | Ferrari | 3 | 7'11.638 | 53 laps | 14 laps | 134.804 | 1 | Spun off | ||
dnf | 18 | ランス ストロール | Williams | Mercedes | 0 | Collision |
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