F1チームの対コロナ“プロジェクト・ピットレーン”。2万台以上の医療機器を受注
イギリスに拠点を置く7つのF1チームが新型コロナウイルスに必要な医療機器製造を行なうための活動である“プロジェクト・ピットレーン”は、政府から既に2万台以上の人工呼吸器と呼吸補助具の受注を受けている。
写真:: James Tye / UCL
世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス。F1もシーズン開始が遅れるなど大きな影響を受けているが、英国に拠点を置く7つのF1チームは政府の要請に応じて、医療機器の製造などをサポートしている。
彼らはこの支援活動を“プロジェクト・ピットレーン”と名前をつけ、団結を進めている。
そしてプロジェクト・ピットレーンの取り組みのうち、全チームが製造している人工呼吸器、さらにメルセデスが製造する呼吸補助装置のふたつにはゴーサインが出された。
また全チームがコンソーシアムと共に取り組んでいるラビッド・マニュファクチャリング・ベンチレーター・システムは、政府から1万台を越える正式な受注を受けているという。
その他にもブリックスワースにあるメルセデスのファクトリー施設は、呼吸支援装置(CPAP:経鼻的持続陽圧呼吸補助装置)の製造に利用されている。
通常はF1のピストンやターボチャージャーを加工している40台以上の機械が、1日に1000以上の医療用物資を生産している。
プロジェクト・ピットレーンは3つ目のプロジェクトとして、低コストなポータブル人工呼吸器に関わるものを進行させていた。ただ政府はNHS(国民保健サービス)COVID-19に関しては特定のニーズに沿った人工呼吸器を要求していることを決定したため、今は棚上げされている状況だ。
レッドブルとルノーはその“BlueSky”として知られるプロジェクトにおいて最初のプロトタイプ設計で共に取り組み、わずか3週間で完成させていた。
何百人ものスタッフで生産の準備が進められていたが、政府の計画変更によってBlueSkyはこれ以上先に進まないことになった。
政府とNHSは当初BlueSkyプロジェクトの人工呼吸器が新型コロナウイルスとの戦いに適していると考えていたが、現時点ではより特殊で高度な人工呼吸器が必要と結論づけたのだ。
しかしBlueSkyのテクノロジーとプロトタイプは依然として入手可能であり、将来的には使用される可能性があり、他の医療現場では適しているかもしれない可能性もある。
F1のスポークスマンはレッドブルとルノーが素早くBlueSkyのプロトタイプを作成した努力を称賛するコメントを発している。
「BlueSkyのプロジェクトをリードしたF1チーム、アストンマーチン・レッドブル・レーシング、ルノーDPWorldF1チームはプロジェクト全体を通して素晴らしい献身と能力を発揮してくれた」
「彼らはNHSと共に新たなデバイスの開発に取り組んだことを誇りに思うべきであり、今後もプロジェクト・ピットレーンに重要な貢献を果たしていくだろう」
「7つのチームは今後も残り2つの取組みに集中していくともに、さらなる要請があった場合に対応できるよう準備を行なっている」
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