レースレポート
F1 ブラジルGP
【F1ブラジルGP】決勝:”3時間レース”を制したハミルトンが優勝。最終戦に望みを繋ぐ
第20戦ブラジルGP決勝は、大荒れの展開となったレースをハミルトンが制した。
松本 和己
編集: 2016/11/13 23:36
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F1第20戦ブラジルGP、荒れに荒れた”3時間レース”を制したのは、メルセデスのルイス・ハミルトンだった。
インテルラゴスは雨に見舞われ、気温18度、路面温度20度というコンディション。フォーメーションラップの前から波乱含みで、ハースのロマン・グロージャンがレコノサンスラップ中に13コーナーでスピンしてしまい、クラッシュを喫した。グロージャンは予選7番手と好グリッドを得ていたが、マシンを大破させ、スタートをすることすらできなかった。
10分のスタートディレイの後、レースはセーフティカー(SC)先導でのスタート。コース上の水量は多く、視界がかなり悪い模様。先頭のハミルトンは、バイザーの隙間からヘルメット内に雨が入ってきていると訴えた。
8周目、SCがピットに入りバトル開始。ニコ・ロズベルグ(メルセデス)が視界を気にしたかハミルトンから距離をとった一方で、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がターン1でキミ・ライコネン(フェラーリ)のインに飛び込み3番手に浮上した。ルノーのケビン・マグヌッセンは、すぐさまピットインしインターミディエイトタイヤに交換。中団のマシンは視界の悪さもあり続々とピットでインターミディエイトに交換した。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは10周目のターン12でスピン。なんとかクラッシュは免れたが、ベッテルはそのままピットに入り、インターミディエイトに交換したものの、左のリヤタイヤの交換にも手間取り、19番手と大きくポジションを落としてコースに復帰した。
13周目、ザウバーのマーカス・エリクソンが最終コーナーでクラッシュ。ピットレーンを塞ぐように止まってしまい、SCが出動。後にピットレーンが閉鎖された。フェルスタッペンはこのタイミングでインターミディエイトに交換しており、4番手で復帰。リカルドもタイヤを履き替え9番手で復帰したが、ピットレーンが閉鎖されている状態でピットインしたとして審議対象となり、後にリカルドには5秒のタイムペナルティが科せられている。
ライコネン、ホームストレート上で大クラッシュ
19周目にレース再開となったがコンディションが改善されたわけではなく、最終コーナーでわずかにイン側のラインをとったライコネンが挙動を乱し、メインストレートでいきなりクラッシュ。コース上にパーツが散乱してしまったため、レースは21周目で赤旗中断となった。メインストレート上で止まったライコネンのマシンに、誰も追突しなかったのが奇跡的だったが、ライコネンのマシンから脱落したフロントウイングがニコ・ヒュルケンベルグのフォースインディアに当たっており、あわやという状況でもあった。ライコネンはウェットタイヤを装着していたにも関わらずコントロールを失っており、後続のインターミディエイトタイヤを装着していたマシンにとっては、とてもレースができるような状況ではなかった。
赤旗の間に、8周目のSC解除前にハースのエステバン・グティエレスをオーバーテイクしたとして、ウイリアムズのフェリペ・マッサにも5秒のタイムペナルティが科せられた。
中断時の順位はトップ2台がハミルトン、ロズベルグで変わらず。3番手にはフェルスタッペン、4番手以降にはウェットタイヤでステイアウトしていたヒュルケンベルグ、セルジオ・ペレスのフォースインディア勢、カルロス・サインツJr.(トロロッソ)、フェリペ・ナッセ(ザウバー)。彼らの後ろにタイヤを交換したリカルドが8番手で続く。9、10番手につけたエステバン・オコン、パスカル・ウェーレインの後ろにフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)がつけた。
レースは約30分の中断後にSC先導のもと再開。全車ウェットタイヤへの交換が義務付けられ、レースは仕切り直しとなった。ヘルメットのトラブルを訴えていたハミルトンは、”セナ仕様”のヘルメットを通常仕様のものに変えている。
4番手ヒュルケンベルグはセーフティカー出動中にもかかわらずピットイン。パンクをしてしまったようで15番手までポジションを落とした。
結局、SCが解除されることなく、28周目にもう一度赤旗が掲示され中断となった。インテルラゴスに詰めかけた観衆は大ブーイングを浴びせている。
2度目の赤旗中断
再び約30分の中断の後、3度目となるSC先導のスタート。32周目にSCがピットに戻りレースは再開となった。フェルスタッペンは、3コーナーでアウトからロズベルグをオーバーテイクし、2番手に浮上した。リカルドも33周目にサインツJr.を交わし5番手に。アロンソ、ベッテルがウェーレインをかわしポジションを上げた。
マッサは33周終了時点でピットインし、インターミディエイトに交換した。その翌周にはバトンもピットインしインターミディエイトに交換している。
レッドブル勢は水を得た魚のようにペースアップ。フェルスタッペンはハミルトンの1秒以内に近づくが、ハミルトンもファステストを出して応戦する。
39周目、フェルスタッペンは最終コーナーでスピンしかけ、ウォールに一直線。しかし、なんとかコントロールを取り戻した。ロズベルグに対してなんとかポジションを守ったフェルスタッペンは、すぐさまロズベルグに対して3秒のギャップを作った。
40周終了時点でリカルドがピットイン、インターミディエイトに交換すると共にタイムペナルティを消化した。43周目、フェルスタッペンもピットインしインターミディエイトに交換。コースに復帰後はハイペースで周回を重ねた。一方でインターミディエイトを履いていたバトンは、志願してフルウェットタイヤに戻している。
47周目、7番手をキープしているナッセの後ろから、アロンソ、ヒュルケンベルグ、リカルドが迫ってきている。
48周目、またしても最終コーナーでクラッシュが発生。最後の母国GPとなるマッサがここでレースを終えた。エリクソンと同じような場所にマシンを止め、またしてもSC出動、ピットレーン閉鎖となった。
レース中にもかかわらず、ピットまで歩いてきたマッサをメルセデス、フェラーリのクルーが整列して出迎える感動的な場面も見られた。
53周目リカルドは雨が増えてきたため、インターミディエイトを諦めウェットタイヤに交換を行った。フェルスタッペンも54周終了時点でウェットタイヤに変えている。
56周目にレースは再開。アロンソはリスタート直前の13コーナーでスピンを喫し、最後尾までポジションを落とした。
猛然と追い上げるフェルスタッペン
後方から追い上げるレッドブル勢は59周目、フェルスタッペンが9番手、リカルドが11番手までポジションを回復。フェルスタッペンは好ペースでさらにナッセ、ヒュルケンベルグ、ベッテル、サインツJr.を次々に攻略し4番手に浮上した。
ファステストを出しながら3番手ペレスを追うフェルスタッペン。残り4周でその差は1.5秒に迫った。フェルスタッペンは70周目にペレスを捕らえ、ついに表彰台圏内まで戻ってきた。
トップでチェッカーを受けたのはハミルトン。中断時間を含めると3時間を超えるレースとなったが、最後まで集中力を切らすことなく、2位でフィニッシュしたロズベルグとのタイトル争いを、12ポイント差まで縮めて最終戦アブダビGPまで持ち込んだ。
3位はフェルスタッペン。速さを見せ、ロズベルグだけでなくハミルトンまで脅かす場面も見られたが、天候に翻弄され3位に甘んじた。
一時17番手まで下がったアロンソは、最後にマノーのオコンを捕らえ10位で1ポイントを獲得した。
ナッセは9位でフィニッシュし、コンストラクターズランキングでマノーを逆転した。ウイリアムズがともにノーポイントに終わった一方で、ペレス4位、ヒュルケンベルグ7位となったため、フォースインディアがコンストラクターズポイントで27ポイントリードした。レッドブルは、コンストラクターズ2位を確定させている。
F1 2016 ブラジルGP 結果
Cla #ドライバーChassisエンジンLaps時間ギャップインターバルkm/hピットリタイアポイント 1 44
Lewis Hamilton Mercedes Mercedes 71 3:01'01.335 101.393 2 25 2 6
Nico Rosberg Mercedes Mercedes 71 3:01'12.790 11.455 11.455 2 18 3 33
Max Verstappen Red Bull TAG 71 3:01'22.816 21.481 10.026 5 15 4 11
Sergio Perez Force India Mercedes 71 3:01'26.681 25.346 3.865 2 12 5 5
Sebastian Vettel Ferrari Ferrari 71 3:01'27.669 26.334 0.988 3 10 6 55
Carlos Sainz Jr. Toro Rosso Ferrari 71 3:01'30.495 29.160 2.826 2 8 7 27
Nico Hulkenberg Force India Mercedes 71 3:01'31.162 29.827 0.667 3 6 8 3
Daniel Ricciardo Red Bull TAG 71 3:01'31.821 30.486 0.659 5 4 9 12
Felipe Nasr Sauber Ferrari 71 3:01'43.955 42.620 12.134 2 2 10 14
Fernando Alonso McLaren Honda 71 3:01'45.767 44.432 1.812 3 1 11 77
Valtteri Bottas Williams Mercedes 71 3:01'46.627 45.292 0.860 4 12 31
Esteban Ocon Manor Mercedes 71 3:01'47.144 45.809 0.517 2 13 26
Daniil Kvyat Toro Rosso Ferrari 71 3:01'52.527 51.192 5.383 4 14 20
Kevin Magnussen Renault Renault 71 3:01'52.890 51.555 0.363 4 15 94
Pascal Wehrlein Manor Mercedes 71 3:02'01.833 1'00.498 8.943 3 16 22
Jenson Button McLaren Honda 71 3:02'23.329 1'21.994 21.496 5 dnf 21
Esteban Gutierrez Haas Ferrari 60 5 リタイア dnf 19
Felipe Massa Williams Mercedes 46 4 Spun off dnf 30
Jolyon Palmer Renault Renault 20 3 Collision dnf 7
Kimi Raikkonen Ferrari Ferrari 19 Spun off dnf 9
Marcus Ericsson Sauber Ferrari 11 1 Spun off dns 8
Romain Grosjean Haas Ferrari 0 Spun off
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