F1中国GP 予選レポート:ロズベルグ圧巻のアタックでPP。ソフトタイヤでのスタートへ
F1第3戦中国GPの予選が行われ、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがポールポジションを獲得した。
写真:: XPB Images
F1第3戦中国GP予選。午前中に行われたフリー走行3回目は雨だったものの、予選開始時には雨も上がり、コースはほぼ乾いている。しかし、雨水が溜まっていた箇所は乾きが遅く、まだかなり濡れたまま。また、再び雨が降るとの予報もあり、チームがどう天候を予測し、最適なタイミングでコースインさせるか……非常に難しい予選となりそうだ。また、このレースから予選の方式は昨年までのフォーマットに戻されている。
ウェーレインがクラッシュ!
真っ先にコースインしていったのはルイス・ハミルトン。そのほか、ロマン・グロージャンやエステバン・グティエレス、ジェンソン・バトンやフェルナンド・アロンソらがコースイン。各車インターミディエイトタイヤを履いてのコースインだ。そんな中、マノーの2台はスーパーソフトを履いてコースイン。インラップを終えたハミルトンは「路面はドライだ」と無線を飛ばす。これを見た、コースインのタイミングを遅らせたドライバーたちは、ドライタイヤを装着する。
しかし、マノーのパスカル・ウェーレインは、アタックラップに入ろうとしたところ、メインストレート上のバンプにハンドルを取られるような形でコントロールを失い、左側のウォールにクラッシュ。セッションは赤旗中断となる。
ウェーレインがコントロールを失った場所は、バンプとともに上部をブリッジが通っており、コースを横切るように川状の濡れた部分がある。ここを、DRSを開いた状態で通過してしまったため、半ばスピンのような形となってしまったのだ。この部分を乾かすために清掃車が導入された。
20分以上の中段を経て、予選Q1はようやく再開。グティエレスやアロンソ、そしてバトンらがコースインしていくものの、上位陣は静観。コンディションが好転するのを、ガレージで待っている。メインストレートには、ウェーレインの事故の原因となった箇所を含め、ふたつの濡れた部分があるが、清掃車の効果はあまり無かったようで、まだ濡れたまま。ドライバーたちはDRSを開くタイミングを注意し、ウェーレインの二の舞となるのを防ぐ。
ハミルトン、ERSトラブルでまさかのノータイム
まずタイムを計測したのはグティエレス。しかし、バトンがこれを交わして1分38秒324でトップに立つ。アロンソはセクター1とセクター2を最速で通過したが、セクター3が振るわずに2番手となった。このマクラーレン2台のタイムは、結局予選序盤が終了した時点で3番手につけたグロージャンに1秒以上の差をつけるもの。これはまずまずのタイムだと言えるだろう。
その後、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが1分37秒660をあっさりと叩き出して奪首。キミ・ライコネン(フェラーリ)がこれを交わして首位を奪うと、さらにセバスチャン・ベッテルがトップタイムを更新する。一方、ハミルトンは一度コースに出たものの、そのままピットに戻ってしまう。ERSにトラブルが発生した模様で、タイム計測することができずに予選を終えてしまった。
最後再びコースインしていたバトンがタイムを伸ばして4番手に浮上。アロンソもアタックに入ってしまっており、マクラーレンはスーパーソフトの新品を2セット使ってしまった。結局、ノックアウトとなったのは、ケビン・マグヌッセン、エステバン・グティエレス、ジョリオン・パーマー、リオ・ハリャント、そしてタイム無しに終わったウェーレインとハミルトンの6人である。
ソフトタイヤでQ3進出を果たしたロズベルグ
Q2では、ロズベルグら数台がセッション開始直後にコースイン。そのロズベルグは、決勝を見越してソフトタイヤでのコースインだ。
そのロズベルグは、なんと1分36秒240を計測。他のマシンでは、スーパーソフトでもなかなか出せないタイムである。マクラーレン・ホンダの2台は、中古のスーパーソフトで最初のアタックを行っている。レッドブルがロズベルグに続き2番手と3番手につける。
フェラーリの2台は、コース上の状況を見極め、遅めにコースイン。ライコネン、ベッテル共にスーパーソフトタイヤを履いている。ライコネンは実に丁寧なドライビングで1分36秒118を記録してトップへ。ベッテルがこれに続いて、フェラーリが1-2体制である。
残り2分というところで、各車が2度目のアタックへ。マクラーレン・ホンダの2台も新品のスーパーソフトを履いてQ3進出を目指す。しかし、コースに出て行ったニコ・ヒュルケンベルグのマシンの左フロントタイヤがセクター2で脱落。ナットの閉め忘れが原因だったようで、コース脇にマシンを止めてしまう。これで、残り1分17秒というところで赤旗中断。これでは再開しても再びアタックに向かうだけの時間はなく、ここでQ2終了。フェリペ・マッサ、フェルナンド・アロンソ、ジェンソン・バトン、ロマン・グロージャン、マーカス・エリクソン、フェリペ・ナッセらがノックアウトとなっている。赤旗終了を無線で伝えられたアロンソは、「あー!」と実に悔しそうな声で応えた。逆に、その悔しそうな声に、彼らの手応えが感じられた。
Q3で最初にアタックしたのは、セルジオ・ペレス(フォースインディア)で、1分37秒958。これをロズベルグは1分36秒111で軽く塗り替えて首位へ。しかし、今回ノリに乗っているライコネンが1分35秒972を記録し、ポールポジションに向けて一歩前進した。ベッテルは静観し、1アタックにかける。
注目のポールポジション争い。2回目のアタックに先に出たのはロズベルグで、ベッテル、ライコネンの順で続く。ロズベルグはセクター2を驚異的な速さでクリアし、1分35秒402。この間にリカルドが2番手に浮上。ベッテルはこのふたりとライコネンの1回目タイムに届かず4番手止まり。ライコネンは自身のタイムを更新できず、3番手となった。
今季ここまで2連勝中のロズベルグが、ついにポールポジションを得た。しかもロズベルグは、他の9台がスーパーソフトでクリアしたQ2をソフトタイヤで通過しており、ポールポジションから、より長持ちするソフトタイヤでスタートできる。これはかなり有利な展開に持ち込めそうだと言うことができるだろう。
対するリカルド、そしてライコネンは、FP2の走行を見る限り、スーパーソフトタイヤを特にうまく使えていた2台。彼らが決勝で、ロズベルグをどれだけ、そしてどうやって追い詰めるのかというところは、このレース最大の注目点と言えるだろう。一方4番手スタートのベッテルは、スーパーソフトタイヤのデグラデーションに苦しんでおり、ライコネンとは違った戦略を採ってくるものとみられる。
そして、トラブルにより予選アタックができなかったハミルトンは、どこまで追い上げてくるのか? 悔しい予選となったマクラーレン・ホンダがどんなレースを見せるのか? これらの点についても注視していきたい。
予選結果
Pos | Driver | Team | Time |
---|---|---|---|
1 | Nico Rosberg | Mercedes | 1:35.402 |
2 | Daniel Ricciardo | Red Bull Racing | 1:35.917 |
3 | Kimi Raikkonen | Ferrari | 1:35.972 |
4 | Sebastian Vettel | Ferrari | 1:36.246 |
5 | Valtteri Bottas | Williams | 1:36.296 |
6 | Daniil Kvyat | Red Bull Racing | 1:36.399 |
7 | Sergio Perez | Force India | 1:36.865 |
8 | Carlos Sainz Jr. | Toro Rosso | 1:36.881 |
9 | Max Verstappen | Toro Rosso | 1:37.194 |
10 | Nico Hulkenberg | Force India | No time |
11 | Felipe Massa | Williams | 1:37.347 |
12 | Fernando Alonso | McLaren | 1:38.826 |
13 | Jenson Button | McLaren | 1:39.093 |
14 | Romain Grosjean | Haas F1 Team | 1:39.830 |
15 | Marcus Ericsson | Sauber | 1:40.742 |
16 | Felipe Nasr | Sauber | 1:42.430 |
17 | Kevin Magnussen | Renault F1 Team | 1:38.673 |
18 | Esteban Gutierrez | Haas F1 Team | 1:38.770 |
19 | Jolyon Palmer | Renault F1 Team | 1:39.528 |
20 | Rio Haryanto | Manor Racing | 1:40.264 |
21 | Pascal Wehrlein | Manor Racing | No time |
22 | Lewis Hamilton | Mercedes | No time |
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments