体制が整いつつあるアストンマーチンF1。レッドブルの”初期段階”に似ている? 新テクニカルディレクター「我々のやり方でトップを目指す」

アストンマーチンのテクニカルディレクターであるダン・ファロウズによれば、現在のアストンマーチンは、F1を支配するようになる前のレッドブルの初期段階と”非常に似ている”と感じているようだ。

Lance Stroll, Aston Martin AMR22

 アストンマーチンでテクニカルディレクターを努めているダン・ファロウズは、現在の同チームの状況は、かつて自身が所属していたレッドブルの初期段階によく似ていると語る。

 アストンマーチンは、カナダの億万長者であるローレンス・ストロールがレーシングポイントを買収したことで2021年からF1に参戦。積極的に人材を集め、ファクトリーの拡充にも精力的に取り組んでいる。

 ストロールは5年以内にトップチームの仲間入りをすることを目標に掲げており、昨年からチャンピオン経験者のセバスチャン・ベッテルを起用。そのベッテルは今季限りでF1から引退するが、その後任としてやはりチャンピオン経験者であるフェルナンド・アロンソを獲得した。

 今季からアストンマーチンに加入し、テクニカルディレクターを務めるダン・ファロウズは、昨年までレッドブルに所属していた人物であり、チャンピオン獲得に大いに貢献してきた。そのファロウズ曰く、現在のアストンマーチンの状況は、レッドブルがチャンピオン争いを繰り広げるようになる前の初期段階の頃によく似ていると語った。

「レッドブルの旅の最もエキサイティングだったのは、チームがジャガーから進化した時のことだった」

 アストンマーチンのWEBサイトに掲載されたインタビューで、ファロウズはそう語った。

「予算が非常に限られていた小規模なチームが、突然組織の最上部により、大幅に多くの予算、リソース、技術力を手に入れることになった」

「チームが成長するのを見ること、その成長の一部に関わること、成功した一員になること、そして途中でミスを犯して、そこから学ぶということでさえ、信じられないほどエキサイティングだった」

「現在アストンマーチンF1で起きていることは、当時のレッドブルに起きたことに非常によく似ている」

 ファロウズはレッドブルを離れ、アストンマーチンに移籍することになったが、当初はレッドブルと2023年までの契約を結んでいた。そのためレッドブルは、契約が満了するため、ガーデニング休暇させようとしていた。これについては、レッドブルとアストンマーチンの間で法的な論争にまで発展した。

 しかし今年の4月、レッドブルとの契約が前倒しで解消されることになったため、アストンマーチンに加わることが許された。

 そのファロウズ曰く、レッドブルを離れることを決めたのは、アストンマーチンで新しい挑戦に挑み、成長するチームの一員になりたいという願望があったからだという。

「キャリアの中で最もやりがいを感じたのは、課題を提示された時であり、その課題はこれまで常に克服してきた」

 ファロウズはそう語った。

「しかしこれは単なる挑戦ではなく、小規模なモノから大規模なモノへと変貌する何かの一部となるチャンスでもある。アストンマーチンF1には、壮大な野心がある。ローレンス・ストロールを頂点に、チーム全体がその野心を共有している」

「チームの旅に参加するように頼まれただけじゃなく、私が持っているリソースを考えれば、信じられないほどエキサイティングだ。『ここにF1チームがある。これを望むモノに変え、必要な人材を獲得し、望むように運営し、成功させて欲しい。自分の足跡を残して欲しい』というような、高いレベルの信頼が置かれている。それは信じられないほどエキサイティングなことだ」

「私がこの挑戦に挑むことにしたのは、これまでとは違ったやり方ができると感じたからだ。それはレッドブルやメルセデス、フェラーリのやりかたを模倣するということではない。それより良い方法……つまりアストンマーチン独自の戦い方を考えることなんだ」

 
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