今の追い越しはただの”回避行動”。アロンソ「2014年以降、”純粋なレース”は10年以上も失われている」
フェルナンド・アロンソは、現在検討されている2027年の規則調整でもF1の問題が解決されるとは考えておらず、次の規則サイクルを待つしかないと述べた。
Fernando Alonso, Aston Martin Racing
写真:: Chris Graythen / Getty Images
先日のマイアミGP前に導入された調整に続き、FIAとF1は現行レギュレーションに対するパドック内の最大の懸念を解消するため、来季さらに一歩踏み込む構えだ。内燃機関(エンジン)と電動パワーの比率を、60:40へ変更し、電気エネルギーへの依存度を減らす方向を目指している。
技術的な詳細はまだ最終決定されていないものの、燃料流量の増加によってエンジンの出力を高めつつ、モーターの出力を50kW削減する案を中心に議論が進められている。
この調整が”正しい方向への一歩”だと見なされている一方で、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はこれによって来季、大きな変化が起こるとは考えていない。この変更で主な問題は解決するのか、それとも次のレギュレーションサイクルを待つしかないのかとmotorsport.comが問うと、アロンソは次のように答えた。
「待つしかないね。こうしたパワーユニットのDNAは結局同じままだ。コーナーを遅く走ることが常に有利になる。そして、それは根本的には変わらないと思う」
二段階にわたるレギュレーション調整は、少なくともFIAがドライバーたちの批判に耳を傾けていることを示している。しかしアロンソは、問題の本質はそこではないと考えている。
「つまり、彼ら(FIA)はいつだって話を聞いているということだ。ただ、世の中全体が”電動化”へ向かうべきだと考え、それが未来だと思われていた。でも、それはレースには当てはまらない。レースは別の生き物なんだ」
「今は60:40へ少し戻ろうとしていて、将来的にはさらに電動比率を減らしていくことになるだろう。不運なことに、2014年の(ハイブリッド)ターボ時代から現在に至るまで、純粋なレースの時代がほぼ10年、あるいはそれ以上も失われてしまったんだ」
また、現行レギュレーションによってレースでの追い越しが大幅に増えたが、アロンソはそれだけではあまり意味がないと主張している。
カナダGPの舞台であるジル・ビルヌーブ・サーキットでの最高のオーバーテイクポイントはどこかと尋ねられたアロンソは、追い越しはもはや芸術ではないと説明した。
「ストレートだよ。他のクルマより多くバッテリーを持っている時にね。ものすごく簡単になる。でも、それはオーバーテイクじゃない。ただの回避行動だ」
「自分のほうが他車よりバッテリーを多く持っていると、相手はクリッピングして出力が500馬力落ちる。すると自分は相手より500馬力多い状態になる。それで横に避けるように動けば、追い抜けてしまう」
Max Verstappen contested the Nurburgring 24 Hours last weekend
Photo by: Marc Fleury
こうした問題もあってか、現行レギュレーションに特に批判的なマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はますます耐久レースへ関心を向けており、先週末にはニュルブルクリンク24時間レースにも出場した。
アロンソは、F1ドライバーたちが他カテゴリーへ挑戦すること自体は歓迎しているが、それが現在のF1への否定的評価に直結しているとは見ていない。
「あれらをピュアなレースだと呼べるかどうかは僕には分からない。ただ別のシリーズというだけだ。でも、彼らが違うスポーツ、違うカテゴリー、違うモータースポーツの楽しみ方を発見するのは良いことだ。F1はモータースポーツ全体の1%に過ぎないからね」
「僕が初めてインディ500のテストをした時を覚えているよ。オーバルを一人で周回しているだけなのに、YouTubeで200万人くらいが見ていた。そして、そのシーズンを通して彼らはそれを追いかけてくれた」
「当時インディカーに参戦していたヨーロッパ人は2人くらいだったのに、今では80%がヨーロッパ人ドライバーだ。だから、これをきっかけにもっと多くの人がニュルブルクリンクやル・マン、その他のレースを見るようになってくれればいいと思う
アロンソによれば、それはドライバーだけでなくファンの視野も広げることにつながるという。
「もしF1のトップドライバーたちがそういうレースに行けば、ファンに新しいシリーズへの目を開かせることになる。F1は頂点だし素晴らしい。でも、他のシリーズもまた、ある意味ではF1と同じくらい魅力的なんだ」
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