F1 イタリアGP

スペイン大手銀行サンタンデール、フェラーリF1とのスポンサー契約を今季限りで終了。サインツJr.追いかけウイリアムズ行きの可能性は?

フェラーリは、スペインの大手銀行サンタンデールとのスポンサー契約を2024年末で終了する。

Ferrari SF-24 rear detail

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写真:: Giorgio Piola

Motorsport Business

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 フェラーリは、サンタンデール銀行とのスポンサーシップ契約を今季限りで終了することとなった。

 スペイン最大手の銀行であるサンタンデールは、フェルナンド・アロンソが加入した2010年からフェラーリのスポンサーとなり、このパートナーシップは2017年まで続いた。その後は一度F1から離れていたものの、2021年末には新たにフェラーリと3年契約を締結。その額は年間6000万ドル(約87億円)とも言われている。

 サンタンデールはフェラーリのF1マシンやチームキャップ、レーシングスーツにスポンサーロゴを掲示していただけでなく、最近ではル・マン24時間で連覇を達成したWEC(世界耐久選手権)のハイパーカークラス車両、499Pにもそのロゴが入れられている。昨年のフェラーリF1チームのスポンサー収入は2億5000万ドル(約365億円)近いと推定されているが、そこに最も貢献しているのがサンタンデールであった。

 フェラーリから発表された声明にはこう綴られている。

「フェラーリは、フェラーリS.p.A.及びその完全子会社とサンタンデールとの間のパートナーシップが2024年12月31日をもって終了することを発表する。これは、締結された3年間の契約が終了するためだ」

「このパートナーシップは、2010年から2017年までのコラボレーションを経て2022年1月に始まり、サンタンデールは跳ね馬のスポーツ活動において共に歩んできた。サンタンデールは、F1においてスクーデリア・フェラーリのプレミアムパートナーであり、ル・マン・ハイパーカーのプログラムにおいてもパートナーだった」

 これによりサンタンデールは、F1における新たなパートナーを探すことになるだろう。サンタンデールでコミュニケーション・コーポレートマーケティング及びリサーチ部門のグローバル責任者であるファン・マヌエル・センドヤは次のように語った。

「我々は過去3年間に渡るフェラーリとのパートナーシップに非常に感謝している」

「スポンサーシップは、顧客との関係を深め、ブランドを強化する上で重要な役割を果たす。今後も様々なパートナーと協力していくつもりだ」

 センドヤはその新たなパートナーシップがF1に関するものかどうか明言を避けたが、今回のスポンサーシップ終了はスペイン人ドライバーであるカルロス・サインツJr.のフェラーリ離脱のタイミングと重なるため、彼の移籍先であるウイリアムズにサンタンデールも移る可能性があると言える。

 一方でウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、サインツJr.の加入が商業的な判断によるものであるという見方を否定した一方で、優勝経験者であるサインツJr.の加入がスポンサーとの交渉において追い風になる可能性を認めた。

 ボウルズは次のように語る。

「そもそも、全てのF1チームにとって真の商業的利益をもたらすものは、純粋にパフォーマンスだと言える」

「マシンを速くして、ドライバー同士がお互いに切磋琢磨していくことが、結果的にチャンピオンシップの順位やスポンサー収入に繋がる。突然誰かから電話がかかってきて何千万ドルの契約を取り付けるといったようなことはないが、そうすることが我々の道を切り開くきっかけになる」

「私が言えるのは、かれこれ半年話し合っている既存のスポンサーがいるということだ。そして彼らにとっては、それ(パフォーマンス)が契約に至らせる引き金になったかもしれないし、ならなかったかもしれない」

「一夜にしてすべてが変わるわけではないが、将来の成功には繋がる。私は自信を持っているが、それは主にパフォーマンスに関する話だ」

 またウイリアムズと言えば、成績不振のローガン・サージェントに代わり、イタリアGPからアルゼンチン人ドライバーのフランコ・コラピントを起用している。それに伴い、アルゼンチンのスポンサーが2社新たに加わったが、ボウルズはコラピントの起用もスポンサーありきのものではなかったと説明した。

「ハッキリさせておきたいが、彼との契約にはスポンサーは一切関係ない」

「我々は後に起こることを知らないまま彼をスカウトし、その後多くのアルゼンチン企業が我々に接触してきたということだ。まだ電話は鳴り止まない」

「しかし、彼らは単にその市場価値に金銭を支払っているだけだ。だから、フランコ・コラピントとはあまり関係がない。彼を選ぶにあたって、カネの絡みは全くなかった」

 

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