フェラーリ”空力開発ハンデ”の恩恵は0.1秒以下? ビノット代表「確かにメリットだが、その程度」
フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、空力開発ハンデキャップにより追加で得られた風洞実験によるパフォーマンス上の効果は、0.1秒にも満たなかったと明かす。
写真:: LAT Images
昨シーズンは大いに苦しんだフェラーリは、2021年シーズンはマクラーレンと激しいコンストラクターズランキング3番手争いを繰り広げるところまで復活してきた。ただ、今季から導入されたいわゆる空力開発ハンデキャップによって、上位チームより多くの風洞実験を行なうことができているものの、その効果は0.1秒にも満たないという。
今シーズンからはコスト削減を目的に、各F1チームの風洞実験を行なうことができる回数が制限されている。
各チームが年間で風洞実験を行なえるのは80回まで。これは以前のコンストラクターズランキングによって変動することになっており、ランキング5位のチームは100%、ランキング首位のチームは90%ということになる。
シーズン前半は前年のランキングによってこれが計算されるため、昨年のチャンピオンチームであるメルセデスは、昨年5位のルノー(現アルピーヌ)が40回の風洞実験を許可されるのに対し、36回しか実施できないということを示している。
なおこの制限数は6月30日の時点でリセットされ、その時点での最新のコンストラクターズランキングに応じて、7月以降半年間の空力開発制限の値が再設定されることになる。
昨シーズンのランキングが6位だったフェラーリは、アルピーヌに対して102.5%の風洞実験を1〜6月までの間に行なうことができることになっていた。回数にすれば1回の増加だ。
これについてフェラーリのマッティア・ビノット代表は、マシンのパフォーマンスへの影響は最小限であると考えている。
「確かに、我々が昨年終えたポジションによって、風洞実験の追加時間を手にしている」
そうビノット代表は語った。
「追加された風洞実験の回数は、1週間の開発時間に相当するモノであり、通常では1週間の開発の効果は、1周につき0.1秒未満だ。たしかにメリットではあるが、その程度のモノなんだ」
「でもそれは重要だ。それを手にしていることに満足している。去年の結果ではなく、少なくとも2021年に手にしているモノだからね。しかし。それが勢力図を大きく変えるようなモノだとは思わない」
とはいえフェラーリは、昨年と比較して今季大きくポジションを上げたチームのひとつだ。昨シーズンはランキング6位に終わったが、現状では前述の通り、マクラーレンとランキング3番手を争っている。
シャルル・ルクレールは、モナコとアゼルバイジャンでポールポジションを獲得。さらにチームメイトのカルロス・サインツJr.と合わせて合計3度の表彰台を手にしている。
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