F1

名門フェラーリ復活だ! でもチーム代表には言わないで……「自分たちが好調だと思うなら、死んでいるのも同然」とバスール冷静

フェラーリはついぞレッドブルを追い詰めたかもしれない。しかしチーム代表のフレデリック・バスールは、束の間の栄光に浸っている時ではないと考えている。

Filip Cleeren

Filip Cleeren

編集: 2024/06/04 3:32

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Frederic Vasseur, Team Principal and General Manager, Scuderia Ferrari

Motorsport.com's Prime content

The best content from Motorsport.com Prime, our subscription service. <a href="https://www.motorsport.com/prime/">Subscribe here</a> to get access to all the features.

 ここ2年、他を圧倒し続けてきたレッドブルに対して、今季のフェラーリはかなり接近している。しかしチーム代表のフレデリック・バスールは冷静。束の間の栄光に浸っている場合ではないと語った。

 今シーズンは開幕から8戦を消化。開幕当初こそレッドブルが1-2フィニッシュを続けて今季も圧勝かと思われたが、フェラーリがオーストラリアGPとモナコGPで優勝し、マイアミGPではマクラーレンが優勝……レッドブル、フェラーリ、マクラーレンの三つ巴という状況になりつつある。その勢力図はサーキットの特性やチームとしての仕上がりに左右される部分が大きく、ここ数戦はレースごとに優勝最有力候補が入れ替わる、そんな状況だ。

 スペインGPを開催するカタルニア・サーキットのようなハイダウンフォースが求められる特性のコースでは、レッドブルが依然として有利と見られている。

 しかしモナコの狭い市街地サーキットは特異な存在でがあるものの、レッドブルが特に苦戦。フェラーリやマクラーレンに全く歯が立たなかった。つまり、RB20が100%の力を発揮できない低速レイアウトやバンプや縁石が多いサーキットでは、レッドブルが軽々と優勝をさらう余裕はもはやないとも言える。

 ドライバーズランキングではフェラーリのシャルル・ルクレールがレッドブルのマックス・フェルスタッペンまで31ポイント差に迫り、コンストラクターズランキングではフェラーリがレッドブルに24ポイント差まで接近。ティフォシとイタリアメディアは活気づき、バスール代表はフェラーリの救世主として称賛を受けている。

 ただ当の本人は、フェラーリ復活という話題を聞きたくないようだ。バスール代表は、今は喝采を浴びて浮足立つ時ではなく、むしろ攻め時だと冷静だ。イタリア・マラネロのファクトリーでの改革は、スクーデリア・フェラーリのあらゆる部門をより効率化するため、バスール代表は計画通り続けるだろう。

 バスール代表はmotorsport.comイタリア版を含むメディアに対して次のように語った。

「調子が良いと思い始めたら、もう死んでいるのと同然だ」

「つまり同じアプローチを続け、部門ごと、ドライバーもピットウォールも何もかも、全ての領域で継続的な改善が必要だということだ」

「良い仕事をしていても、次の週にはもっと良い仕事をしなければならない。自分たちのやっていることが良いと確信し始めたら、それは終わりの始まりだ。あらゆる分野で、我々は少しずつ限界に挑戦する必要がある」

Charles Leclerc, Ferrari SF-24

Charles Leclerc, Ferrari SF-24

Photo by: Erik Junius

 高望みしすぎず、寡欲にもなりすぎない。こうした考えは、バスール代表ならではのフィロソフィーであり、フェラーリに大きな貢献をもたらした。ミスには対処するものの、前体制で蔓延していた責任の押し付け合いや非難の文化はない。

 バスール代表の就任1年目となった2023年は、カルロス・サインツJr.がシンガポールGPで優勝を収めたことでレッドブルにシーズン唯一の土をつけたが、システム的に改善すべき点が多く見つかったシーズンだった。

 その改善作業は終わっていないものの、フェラーリは既に別チームのように生まれ変わった。変な緊張感はなく、自信を持っている。

「彼は自分が何を達成したいのか、どうすれば達成できるのか、明確なビジョンを持っている」とバスール代表についてルクレールは語る。

「彼は時間を無駄にしないし、それは間違いなく彼の強みだ。チームに加入した初日から、彼はチームを本来あるべき場所、つまりワールドチャンピオンに戻すために全てを捧げてきた」

"戦略的に言えば、シーズンの終わりを考えるのは間違いだ"

フレデリック・バスール

 レッドブルが射程圏内に入ったことで、フェラーリは目標をレース勝利からタイトルへとシフトしているが、バスール代表は長期的な夢を抱くことをすぐに否定する。

「長期的な将来のことを考え過ぎるのは間違いだ」とバスール代表は語った。

「3チームが勝利を争い、5〜6台がポールポジションを争う、非常にエキサイティングなシーズンを展開している」

「先週末のマックスのように、週末ごとに1位から6位まで変動する可能性がある。戦略的に言えば、シーズンの終わりを考えるのは間違いだ」

「次のレースのカナダに向けて開発に集中し、持てる力を最大限に発揮して良い仕事をする必要がある。最終的にどうなるか見てみよう」

Podium: Frederic Vasseur, Team Principal and General Manager, Scuderia Ferrari

Podium: Frederic Vasseur, Team Principal and General Manager, Scuderia Ferrari

Photo by: Ferrari

 サインツJr.のオーストラリアGPでの勝利に続き、ルクレールはモナコGPで40戦連続未勝利という不名誉な記録を乗り越えた。オーストラリアは、フェルスタッペンがトラブルに見舞われるフェラーリにとっては追い風という状況だったが、モナコでの勝利はそれ以上に大きな自信となった。しかし、フェラーリの今季2勝目が重要な起爆剤になったという訳ではない。

「チームにとっては、自分たちが正しい方向に突き進んでいるという事実確認でもあり、みんなに自信を与えている」とバスール代表は言う。

「誇りに思う必要があるのかどうかは分からない。しかし少なくともチームの自信や雰囲気、リスクを冒す能力を感じることができるのは良いことだ」

「シャルルの自信にも繋がると思う。何年もモナコでの優勝を待ち望んでいたし、1年半も勝利から遠ざかっていたからね」

 またバスール代表は、来年はルイス・ハミルトン(現メルセデス)にシートを譲らなければならないにも関わらず、好調さを見せるサインツJr.への称賛も惜しまなかった。

「彼は2月にマシンを発表した時と全く同じマインドセットを持っていると思う」とバスール代表は言う。

「2月の最初の反応は『よしフレッド、厳しい決断だけど、シーズン最終ラップの最終ラップまでプッシュしよう』というモノだった」

「彼は本当にプロフェッショナルで、全力を尽くし、素晴らしい仕事をしている。2024年末までこの状態が続くと確信している。そのアプローチは非常にプロフェッショナルで、献身的だ。カルロスには本当に満足している」

Race winner Charles Leclerc, Ferrari

Race winner Charles Leclerc, Ferrari

Photo by: Erik Junius

 なおバスール代表は、モナコGPでの勝利を受けてマラネロで行なったスピーチは、他との違いを生む原動力となる全てのスタッフと部門を奮い立たせるべく、メディアに語ったのと同じような内容を話したと明かした。

「私は彼らに、メンバーのひとりひとりがパフォーマンスの差別化要因だと話した」とバスール代表は語った。

「社内の誰もが役割を担っていて、空力主任やチーフエンジニアだけの問題ではない。生産スピードや品質の向上という点で、パフォーマンスというのは全員から生まれるモノだ」

「私は彼らに、結果が芳しくない時の責任の所在も彼らだが、勝っているときの結果も彼らのモノだと言った。誰のモノでもない、彼らのトロフィーなのだ」

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 レッドブル、次戦F1カナダGPでも苦戦必至? フェルスタッペン悲観。原因はシムと実車のズレか

次の記事 以前持ち上がった、シューマッハーのアルファタウリ加入の噂。マルコ博士が断っていた?「我々のイメージには合わなかった」

More from

Filip Cleeren



マクラーレン代表、シンガポールGPスプリントでの同士討ちに憤慨「チームの利益以上に重要なことはない。奴らに改めてそれを伝える!」

F1

F1

シンガポールGP

2 日前

マクラーレン代表、シンガポールGPスプリントでの同士討ちに憤慨「チームの利益以上に重要なことはない。奴らに改めてそれを伝える!」



マクラーレン、シンガポールGPのスプリントで”最悪”同士討ち。撃墜ノリスにペナルティの可能性?「僕にはあそこに飛び込む権利があった」

F1

F1

シンガポールGP

2 日前

マクラーレン、シンガポールGPのスプリントで”最悪”同士討ち。撃墜ノリスにペナルティの可能性?「僕にはあそこに飛び込む権利があった」



シンガポールGPのSQ1で起きたレースコントロールの人的ミスに、各チーム不満。アストンマーティンは抗議を検討

F1

F1

シンガポールGP

3 日前

シンガポールGPのSQ1で起きたレースコントロールの人的ミスに、各チーム不満。アストンマーティンは抗議を検討

More from

フェラーリ



F1分析|フェルスタッペン、VSC中にピットストップしたかった? ”壊れかけのラジオ”越しの訴え。フェラーリは戦略失敗

F1

F1

シンガポールGP

21 時間前

F1分析|フェルスタッペン、VSC中にピットストップしたかった? ”壊れかけのラジオ”越しの訴え。フェラーリは戦略失敗



ルクレール、スタート直後の攻防でリスク冒さず「そうしなかったら壁に突っ込んでいただろう」

F1

F1

シンガポールGP

1 日前

ルクレール、スタート直後の攻防でリスク冒さず「そうしなかったら壁に突っ込んでいただろう」



全部自分のせいだ……ルイス・ハミルトン、戦略ミスの責任を認める「チームに貢献したかった。次、必ず挽回する」

F1

F1

シンガポールGP

1 日前

全部自分のせいだ……ルイス・ハミルトン、戦略ミスの責任を認める「チームに貢献したかった。次、必ず挽回する」

最新ニュース



レース界の大物、豪華ゲストがイタリア大使館に集結! 日伊モータースポーツ交流イベント開催……ミッレミリア100周年記念イベントを日本でも実施

General

Misc General 3 時間前

レース界の大物、豪華ゲストがイタリア大使館に集結! 日伊モータースポーツ交流イベント開催……ミッレミリア100周年記念イベントを日本でも実施



TOM’S参戦終了も、SFライツが窮地に陥るわけではない? FRJとの共生は十分可能|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

SFライツ

SFL SFライツ 4 時間前

TOM’S参戦終了も、SFライツが窮地に陥るわけではない? FRJとの共生は十分可能|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記



アップデートで明暗。レッドブルはメルセデスを超えたのか? ラッセル「今はレッドブルが倒すべきチーム」

F1

F1 F1

シンガポールGP

4 時間前

アップデートで明暗。レッドブルはメルセデスを超えたのか? ラッセル「今はレッドブルが倒すべきチーム」



ローソン、シンガポールで10ポイント荒稼ぎ……レーシングブルズ”100点”到達「でも、まだ安心できない。今後何が起きるか分からないからね」

F1

F1 F1

シンガポールGP

7 時間前

ローソン、シンガポールで10ポイント荒稼ぎ……レーシングブルズ”100点”到達「でも、まだ安心できない。今後何が起きるか分からないからね」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録