苦戦続くベッテル、フェラーリへの不信感も危険水域に突入? 待遇差に関し意味深発言
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、シャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルに同一のマシンを与えていないという噂を一蹴したが、一方でベッテルは意味深なコメントをしている。
F1ポルトガルGPでのフェラーリ2台は対照的な結果に終わった。シャルル・ルクレールは予選で4番手を獲得すると、決勝でも高水準のレースペースを見せ、4位でフィニッシュ。マシンのパフォーマンス向上をうかがわせた。その一方でセバスチャン・ベッテルも速さを見せる場面こそ何度かあったものの、予選15番手、決勝10位と、ルクレールとは大きく水をあけられる格好となった。
ベッテルは予選後に、ルクレールが“違うクラスのマシン”に乗っているように感じるとコメント。チームメイトに対してなぜこれほどまでに差をつけられるのか説明できないといった様子だった。
このコメントは、フェラーリがふたりのドライバーに対して同じ仕様のマシンを与えていないことを示唆しているのでは……との声もあるが、チーム代表のマッティア・ビノットはこういった“陰謀論”を一蹴。コンストラクターズランキングの順位を上げるためにも、ベッテルが本来の力を発揮できることを望んでいると語った。
「セブ(ベッテル)とシャルルのマシンは同じものだ。間違いない」
ビノットは『Sky Italia』にそう語った。
「私はセバスチャンがイモラでより良い予選をして、レースで自らの能力をさらに発揮してくれることを心から願っている」
「シャルルは確かに良い調子だ。しかしふたり目のドライバーにだってそれ以上のことを期待していると言えるだろう」
今季苦戦しているフェラーリは現在、コンストラクターズランキングで6番手に沈んでおり、熾烈な3番手争いをしているレーシングポイント、マクラーレン、ルノーの3チームとは30ポイント前後の差がついている。残る5レースでフェラーリがここに追いつくためには、2台が揃って上位でフィニッシュすることが必須になってくるだろう。
ベッテルは苦戦するフェラーリに不満を募らせており、ルクレールと同様のパフォーマンスを発揮できないことで自身を失っているようにも見える。ポルトガルGPの後、地元ドイツの放送局RTLに対してベッテルは、なぜ自分がルクレールよりも後ろにいるのかについて非常に意味深なコメントを残した。
「ある意味では、良いレースができたという感覚があるから満足しているよ」とベッテルは言う。
「最初は苦戦して順位を落として、2〜3回はマシンのコントロールを失いそうになった。その後は実際に良いレースができた」
「でもその一方で、もう1台のマシンが断然速いのは確かだ。僕はどこでタイムを失っているんだろう?」
「僕はこの1年ずっと黙っているしかなかった。馬鹿な奴にはその意味が分からないだろうね。それとも僕が馬鹿なのか? どうだろうね」
「運が良ければ、限界までいけることもあるだろう。でも僕は限界までいったことは一度もないし、いったとしても大変なことになるだけだろう。(ガレージの)反対側はかなり楽そうに見えるけどね」
「僕はよそ見をせずに自分の仕事をしなければいけないけど、もちろんそれはキツいことだ。外からの期待よりも自分自身の期待の方が大きいんだから」
「騒動とかそういったものは全く気にしていない。でもマシンに乗り込んだ時はそうもいかない。僕は野心が強すぎるし、ハングリーすぎるからね」
Additional reporting by Giacomo Rauli and Maria Reyer
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