フェラーリ、デグラデーションが悪化したという説は「誤解」なのか? 「レッドブルの方が速く、追いつこうとしてタイヤを痛めただけ」

2022年のF1でレッドブルの前に大差で敗れたフェラーリ。その敗因のひとつは、シーズンが進むにつれて悪化していったように見えるタイヤのデグラデーションにあったとの見方もあるが、ジョック・クレアは「それは誤解だ」と主張する。

Charles Leclerc, Ferrari F1-75, pitstop

 フェラーリの2022年の敗因のひとつは、タイヤのデグラデーションが酷いことであり、それはシーズンが進むに連れて酷くなっていったと言われている。しかし、フェラーリのシニア・パフォーマンスエンジニアのジョック・クレアは、その説は誤解であると考えている。

 2022年のフェラーリは、開幕序盤はレッドブルと互角以上の戦いを見せた。しかしシーズンが進むにつれてレッドブルに差をつけられ、最終的には大差で敗北することになった。この原因はチームの戦略ミスやマシンの信頼性の低さ、そしてタイヤのデグラデーションが激しい……などが積み重なったためと見られている。

 中でも特にタイヤのデグラデーションに関しては、シーズンが進むにつれて酷くなっていったのではないかとの見方もある。

 シーズン序盤は、フェラーリの方がタイヤのデグラデーションの面でもレッドブルに対して優位に立っていた。しかしシーズンが進むにつれてこれが逆転。フェラーリは予選では速くとも、決勝ではレッドブルに逆転されてしまうというレースが複数あった。

 レッドブルのタイヤのデグラデーションが優れているように見えたのは、同チームがマシンの軽量化に成功したのが一因だった。それに伴い、フェラーリはタイヤのデグラデーションにどんどん苦しんでいったように見えたが、それは事実ではないという。

 フェラーリは、タイヤのデグラデーションが厳しくなったのは、フェラーリのマシンがレッドブルに最速の座を奪われたことが原因だと考えている。つまりフェラーリのドライバーたちは、レッドブルに追いすがるためによりプッシュしたため、それがタイヤを苛めることに繋がったようだ。

 フェラーリのシニア・パフォーマンスエンジニアであるクレアは、タイヤのデグラデーションが酷くなったように見えたのは「誤解」であるとして、次のように語った。

「正直に言って、それは誤解だと思う」

 そうクレアは語った。

「我々が苦労したのは、絶対的なペースだと思う。今年のはじめの12〜13レースは、ふたりのドライバーはレッドブルと真っ向勝負することができていた」

「その後レッドブルは、差を0.2秒ほど引き離した。つまり我々は、ポールポジションを確保できないようになったんだ。そして、我々は少し追いかける展開になった」

「そして実際に、我々よりも速いマシンとレースしようとしていた。そしてそれは、タイヤのデグラデーションに現れてしまうのではないかと恐れていた。それは我々にとっては、大きな問題ではなかったと考えている」

 クレアは、フェラーリとレッドブルのパフォーマンスがほとんど同じだったレースでは、タイヤのデグラデーションにそれほど差はなかったと主張する。

「マシンの戦闘力が同じだった場合には、我々のタイヤのデグラデーションは、レッドブルよりも僅かに優れていた」

 そうクレアは語った。

「しかしシーズン終盤、シャルルがレッドブルに追いつこうとすると、苦しむことになった。しかし残念なことに、レッドブルは少し速かったんだ」

「追いつくためには、タイヤを酷使しすぎただけだった。そしてもちろん、シャルルが『僕はついていけない。彼を行かせてしまうよ』と言うのは実に難しいことだ。彼はレーシングドライバーだ。そんなことはできない」

「つまり、力を使いすぎてしまうだけだ。長いスティントで、その代償を払うわけだ」

 ルクレールはシーズン終了後、来季はタイヤマネジメントをしっかりと把握することが重要だと語った。

「シーズンのある時点で、信頼性に問題があった。その後はペナルティやその他のことで、代償を支払った」

 アブダビGPの際に、ルクレールはそう語った。

「シーズンのある時点では、戦略でもあまりにも多くのミスを犯したと思う。そしてタイヤマネジメントでも、100%十分な一貫性を保つことができなかった」

「アブダビは良いレースだったけど、時にはとても悪いレースもあった。常にタイヤマネジメントを成功させる方法を、まだ理解していないようだ」

「現時点では、この3つは僕らが注力している重要な部分だ」

 
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