ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

フェラーリ、イギリスGPにアップデートを投入。メルセデスのコピー?

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フェラーリ、イギリスGPにアップデートを投入。メルセデスのコピー?
Giorgio Piola
執筆: Giorgio Piola
翻訳:: 田中健一
2018/07/06 6:57

フェラーリは、イギリスGPにアップグレード版のパッケージを持ち込んだ。木曜日に明らかになったところでは、フロアとエンジンカウルに興味深い変更を施しているようだ。

 メルセデスが大規模なアップグレードパッケージを持ち込んだオーストリアGPから1週間、今度はフェラーリが、改良版パッケージをイギリスGPに持ち込んだ。今季のタイトルを争う2チームが、実に熾烈な開発競争を繰り広げている。

超ロングスリットが入ったフロアをさらに改良

Ferrari SF71H floor
フェラーリSF71Hの”超ロングスリット”フロア

Photo by: Giorgio Piola

 フェラーリは以前から、フロア端の部分に、長いスリットを設けるデザインを採用してきた。チームは今回、この開発を一歩前進、マイナーなアップデートを加えてきた。フロア後端付近に位置する斜めのスリットを、ひとつ追加してきたのだ。これにより、マシンの空力のキーとなる部分の気流を改善しようとしていると考えられる。

 これは、その直前の長い湾曲したスリットを流れる気流と、ここで生み出される気流を効果的にブレンドし、リヤタイヤ付近の気流を整えようとしていると考えられる。

 これにより、タイヤの前面で発生する空気抵抗を削減するばかりではなく、左右のリヤタイヤに挟まれた部分に位置するディフューザーの効果を上げ、効率的なダウンフォースの発生を狙っているとも推測できる。

 なお、長いスリットの途中には、2か所の支柱とも言うべき構造が取り付けられているが、これはフロアが極度に変形することを防ぐ働きがあるものとみられる。

エキゾースト両側に谷が存在。新カウルはメルセデスのコピー?

Ferrari SF71H rear and diffuser
フェラーリのリヤエンド(イギリスGP版)

Photo by: Giorgio Piola

 今回投入されたアップデートは、フロアだけではない。エンジンカウルの形状にも、変更点が見られる。

 写真のエンジンカウルを見ると、エキゾーストパイプを挟むように、両側に”谷”ができているのがわかる。

Ferrari SF71H rear detail
フェラーリSF71Hのリヤエンド(旧型)

Photo by: Giorgio Piola

 上の写真は、旧型のエンジンカウルを装着するフェラーリSF71-Hだが、上の写真と比較すれば、その形状の違いがよくお判り頂けるだろう。

Ferrari SF71H rear wing
セバスチャン・ ベッテル車のリヤウイング(イギリスGP木曜日)

Photo by: Giorgio Piola

 これらのチャンネルは、気流が車体後方に向かって流れる形を変更することに繋がる。そして、各所の気流に影響を与えるだろう。

 ガレージでは、セバスチャン・ベッテルのマシンに、スプーン型の”低ドラッグ仕様”のリヤウイングが装着されていた。”谷”を持ったカウルは、このウイングに合わせたアップデートのようだ。

 ただ、イギリスGPでは、基本的にはダウンフォースを必要とするはずであり、低ドラッグ仕様のウイングを使うのは理に適っていない。

 つまりこれは、今回のグランプリに向けた開発ではなく、シーズン後半のベルギーGPなどに向けた準備なのかもしれない。

Mercedes-AMG F1 W09 rear and diffuser
メルセデスW09のリヤエンド

Photo by: Mark Sutton / Sutton Images

 なおこのふたつの”谷”を持ったエンジンカウルは、最近メルセデスが良く使うアイデアである。つまりフェラーリは、タイトル争いのライバルから、考え方をコピーした……そうとも考えられる。

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この記事について

シリーズ F1
イベント イギリスGP
ロケーション シルバーストン
チーム フェラーリ 発売中
執筆者 Giorgio Piola
記事タイプ 速報ニュース