フェラーリ代表、2022年型F1マシンは空力デザインから“攻めの姿勢”「完全なオープンマインドで設計した」
フェラーリのチーム代表であるマティア・ビノットは、2022年から大きく変更されたレギュレーションに基づいてマシンを設計する際に「完全なオープンマインド」で革新を追い求めることが重要だったと考えている。


フェラーリのマティア・ビノット代表は、2022年のマシン設計では、“オープンマインドで”革新を追うことが重要だったと語った。
テクニカルレギュレーションが刷新された今シーズンは、F1にとって新たな時代の幕開け、そしてここ2シーズンに渡り勝利から離れているフェラーリが再びトップ争いの舞台に戻るための大きなチャンスであることを意味する。
先週フェラーリが本拠地イタリア・マラネロで発表したニューマシン『F1-75』は、他チームが発表したマシンとは大きく異なる空力デザインを持っていた。特筆すべきは、サイドポンツーン上部の窪みや垂直に落ちるショルダーのデザインだろう。
motorsport.comからF1-75が他とは異なる空力アプローチを取ったことについて尋ねられたビノット代表は、マシンの方向性を定める前からチームに攻めた空力アプローチを追求させることで、考え方をオープンにしたかったためだと説明した。
「我々にとって重要だったことは、この挑戦へのアプローチに対して完全なオープンマインドでいることだった」とビノットは言う。
「従来のマシンコンセプトを踏襲して、新しいルールに対応させればいいというモノではない」
「我々は新しいレギュレーションを目にした時から、空力やマシン全体のパフォーマンスを向上させていくために、完全なオープンマインドでいることを心がけていた」
「新しいマシンの設計・開発では、空力的な観点が重視される。メカニカルな要素は、全てそれによるモノだ。パワーユニット(PU)のパッケージングも全て、空力的な選択の結果なのだ」
2022年の新レギュレーション下マシンは、空力コンセプトの変更や車重の増加、タイヤのインチアップにより、従来のマシンとは異なる挙動を見せることが予想されている。ただレギュレーション変更の目的は、後方乱気流の低減によるコース上での接近戦増加にある。
フェラーリは2021年シーズンの早い段階から、リソースと開発の大半を2022年マシンに割くことを明らかにしており、昨年の『SF21』には第10戦イギリスGP以降、空力アップデートが行なわなかった。

Charles Leclerc, Ferrari F1-75
Photo by: Ferrari
また、その前の2020年シーズンをコンストラクターズランキング6位と低迷したことがある意味功を奏し、ハンディキャップシステムが導入された風洞・CFDテストで、メルセデスやレッドブルよりも多くの時間を費やすことができるという利点もあった。
「最初に風洞実験を行なった時、我々は可能な限りの方向性を試し、最終的にベストパフォーマンスだと思えたモノを選んだ」とビノットは語る。
「その方向性でマシンを設計、開発したのだ。マシンを見てみると、これまでにはない空力形状のアイデアがたくさんある。それが最初のイノベーションと言えるかもしれない」
またビノット代表は、チームが同様の考えをPU開発にも持ち込み、開発が凍結される前に「多くの労力を注いだ」と語った。
「エタノールが10%入った燃料があり、これが燃焼機構そのものを見直すキッカケになるのかもしれない」
「PUと内燃エンジンは、過去と比較して、設計上では大きなイノベーションであることは間違いない。これは我々側から発言していくことかもしれないが、マシン内部のことだから、判断は難しいね」
「全体として、このマシンには革新性があると思う。それが我々の挑戦へのアプローチだった」
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