フェラーリ、2021年型PUの性能アップに自信。部門横断のアプローチで効率化図る
フェラーリF1は2021年型のパワーユニット開発について、“体系的なアプローチ”をとり、苦戦した2020年型からの改善に集中したと説明している。
写真:: Ferrari
フェラーリは3月10日に2021年のF1マシン『SF21』を発表。不振を極めた2020年シーズンからの脱却を目指すために、車体だけではなくパワーユニット(PU)面でも改善に取り組んだと説明している。
2020年シーズン、フェラーリは長い歴史の中でも稀に見る苦戦に喘いだ。昨年のマシンSF1000は大きな空気抵抗や、PUのパフォーマンス不足のダブルパンチによって戦闘力の低いマシンとなってしまった。
そのPUパフォーマンスの低下に関しては、2019年に持ち上がったPU不正疑惑に対するFIAの技術指令、そしてFIAとの“和解”に続くモノで、その影響があったと考えられている。
フェラーリ製PUを搭載するカスタマーチームも昨年は同じように苦戦しており、コンストラクターズランキングではフェラーリが6位、アルファロメオが8位、ハースが9位に留まった。
彼らは2021年シーズンに向けPUの開発に集中。チームの各部門と体系的なアプローチを採り、大きく性能を向上できたと主張している。
「我々は設計、シミュレーション、開発そしてトラックサイドと全ての部門に呼びかけ、改善のチャンスを探すという体系的なアプローチを試みた」
フェラーリのパワーユニット部門を率いるエンリコ・グアルティエーリは、そう語った。
「我々はどの選択肢も信頼性に影響があるという点を忘れないようにした上で、作業を後から行なえるものを特定していった」
「結果としてシャシーエンジニアと共にパワーユニットのレイアウト変更に取り組み、可能な限りこのクルマのプロジェクト全体を効率的にしようとした」
またグアルティエーリは今季のマシンについて、エンジンパフォーマンスの面だけでも1周あたり0.1秒以上の向上を果たしていると語っている。
「内燃エンジンに関して我々は継続的な取り組みを続けており、パートナーであるシェルの協力も得て熱効率の向上を目指して取り組んだ。結果、1周あたり0.1秒以上のアドバンテージを得ることができた」
「ターボコンプレッサーはエンジンのニーズに合わせて改め、同時に排気ガスの回生でもより効率を向上させることを目論んだ」
「そして電子機器やハイブリッドシステムに関しても取り組んだ。全てのコンポーネントの見直しに取り組み、最適化を図っている」
2021年に向けた改善のために、多くの作業を行なったと語るグアルティエーリ。ただ既に2022年以降搭載のPUに向けて、力を注いでいるという。
「我々はこのプロジェクトに多大なエネルギーを注いでいるが、同時に2022年に向けたパワーユニットの開発にも力を入れて取り組んでいる。このパワーユニットは来年デビューすることになるが、少なくとも3年間は使用するため、より重要なモノなんだ」
なおフェラーリのマッティア・ビノット代表は、空力面とパワーユニット面での改善により、昨年問題となった直線スピードの低下という問題は解決できていると考えている。
「今日行なったシミュレーション、つまりテストベンチでの出力値や風洞で確認できた空気抵抗に基づいて言えば、我々はかなり直線スピードを回復できたと思っている」
ビノット代表は2月に行なわれたチームの体制発表の場でそう語った。
「だから直線スピードはさほど問題にならないと予想している。速さがあればいいと思っているが、それは(プレシーズンテストと開幕戦が行なわれる)バーレーンに行って初めて分かることだ。他と比べてどうなのか、ということが常に大事だからね」
「ただ、あのマシンは昨年のものと比べて間違いなく効率的になっていると思う。効率的というのは先ほども言ったように、空力面とパワーユニットの面の両方だ」
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