ポルシェF1参入の噂に、フェラーリ代表「新規PUメーカーを優遇するべきか、確信持てない」
フェラーリのマッティア・ビノット代表は、ポルシェやアウディがF1参入に関心を持っている中で、新たなPUマニュファクチャラーに対して譲歩を与えるべきか、迷っているという。
写真:: Camille De Bastiani
F1は、2025~26年に導入を予定している次世代パワーユニット(PU)のあり方について、数ヵ月前から既存マニュファクチャラーや、関心を持っている自動車メーカーを交えて、協議を進めている。
複雑でコストのかかるMGU-H(熱エネルギー回生システム)は廃止される方向であるため、フォルクスワーゲン・グループのポルシェやアウディが参入に興味を持っているようだ。
これまでPUを開発してきた経験豊富な既存マニュファクチャラーに対し、新規参入するマニュファクチャラーが不利にならないよう、コンセッション(優遇措置)を行なう可能性についても、議論が行なわれているようだ。
フェラーリのマッティア・ビノット代表は、新規マニュファクチャラーが「ゼロからスタートする必要がある」ことを認め、設備投資のための特別な措置が必要だと認めたが、PUの運用においてもそうした措置を適用するべきだとは考えていないという。
「ダイノテストが実施できる時間などのような、リソースについて(優遇措置が必要か)確信がない」
「新参者であれば、新規開発だけに集中できるという利点があるが、我々既存のマニュファクチャラーは、現行のオペレーションと新しいオペレーションの両方に力を注ぐ必要がある」
「MGU-Hを取り外すと合意したことは、誰にとっても新しいプロジェクトになるということを意味していると思う。誰にとってもゼロからのスタートであり、(新規参入が)不利になるとは感じない」
「彼らは再生可能燃料に関するスキルを持っていると思う。電気関係のスキルもある。彼らが現行マニュファクチャラーに挑戦するための能力を欠いているとはあまり思えない」
新たにポルシェのモータースポーツ担当副社長に就任したトーマス・ローデンバッハは先日、ポルシェがF1に参戦するための条件が「整いつつある」と述べたが、参戦の可能性を決めるのに「あまり長くは待てない」と警告している。
ポルシェは数年前からF1への参戦を検討しており、2021年に向けたエンジン開発プロジェクトを開始する寸前のところまで計画を進めていた。だが、その後PUレギュレーションの方針が変更され、2014年に導入されたPUを引き続き使用することになり、ポルシェのF1参戦は立ち消えとなっていた。
マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表は、以前ポルシェのモータースポーツ活動を監督。2015年から17年にかけてはLMP1プログラムを通じ、ル・マン24時間レースでも勝利するなど、スポーツカー活動に復帰したポルシェに成功をもたらした。
そんなザイドルは、十分な準備期間があれば、優遇措置はいらないと考えているようだ。
「私のアプローチは、例えばル・マンに参戦したときのように、新規参入者であっても、一切の譲歩を求めないというものだった」
「なぜなら、私は競合他社と同じ土俵で戦いたいからだ。新たなカテゴリーに参入する際には、競争力を身につけるのに時間がかかることも受け入れなければならないだろう」
「同時にこのスケジュールでレギュレーションが整えば、誰がF1に参戦しようとも、新規マニュファクチャラーが初年度からそれなりの競争力を持てるだけの知識やノウハウ、十分な時間が得られると確信している」
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