フェラーリ、チーム代表離脱の”カオス”も、2023年マシンの開発は順調。ビノットは年末までマラネロでの仕事を継続中

フェラーリは、チーム代表のマッティア・ビノットの離脱が決まるなど、激動の渦に巻き込まれてしまっているように見える。しかし現時点では、2023年型マシンの開発がその動きとは別に順調に進められているという。

Charles Leclerc, Ferrari F1-75, leaves the garage

 フェラーリのマッティア・ビノット代表が、今年限りで同チームの代表の職を退くことになった。そして同時に、フェラーリを退職することも決まっている。しかしそれとは対照的に、フェラーリの来季マシンの開発は順調に進んでいるようだ。

 年末のこの時期はシーズンも終わり、平穏な時期に思える。しかし実際には、来季用マシンの仕上げを行なう、実に重要な時期でもある。

 そんなタイミングでチーム代表が離脱してしまえば、マシンの開発に大きな影響が及ぶのは必至と考えられる。ビノットのようにチームの技術畑叩き上げで育ってきた人材ならばなおさらだ。しかも後任のチーム代表はまだ決まっておらず、年明け早々に決まったとしても、チームの全容を把握するのは容易なことではない。さらに現在のF1は年間の予算上限がレギュレーションによって決められているため、出遅れてしまうと、それを取り戻すのは実に難しく、長期的に影響が及んでしまう可能性がある。

 フェラーリがビノットを手放してしまったことが正しかったのか、それは大いに疑問が残る。しかしその一方で、ファクトリーでは2023年用マシンの開発が、通常通りに行なわれているという。

 そして現時点で特に重要なのは、まだビノットがチーム内にいるということだ。ビノットのフェラーリとの契約は今年の末まで。それまでビノットは、チーム内で懸命に働いているという。

 先日取材に応じたフェラーリのドライバーであるシャルル・ルクレールも次のように語り、来季に不安を感じていないと主張した。

「シミュレータでかなり多くの作業を行なっているから、自信を持っている」

 そうルクレールは語った。

「僕らは来年のクルマをより良くするために、このマシンの弱点を理解しようと、過去1年間懸命に取り組んできた」

「もちろんマッティアもまだファクトリーにいて、チームが2023年に向けて準備できるように働き、手助けしようとしている。移行が正しい形で行なわれれば、あまり苦しまないと信じている」

「2020年に少しリセットした後、2021年は非常にうまく機能した。厳しいシーズンだったけど、正しい方向に正しい形で取り組んだと思う。これにより、2023年に向けて競争力のあるマシンを手に入れられるという自信を持っている」

 現時点では、フェラーリの内部は、外部の人々よりも自信を持っているように見える。そして歴史的に見れば、その自信が常に真実であるとは限らない。

 噂通り現アルファロメオのフレデリック・バスールがビノットの後任となれば、間違いなく変化が起きるだろう。しかし今シーズンを振り返れば、フェラーリが大きな変革を必要としているようには見えない。様々な部分を微調整するだけで、レッドブルやメルセデスに対する戦いを、良い方向に進めることができるようにも見える。

 風洞実験から得られているデータも、現時点では非常にポジティブなようだ。675プロジェクト(2023年用マシンの開発プロジェクト)は、2022年型マシンF1-75と比較すると、大きく飛躍しているという。ビークル・プロジェクト・マネージャーのエンリコ・カルディレが率いる開発チームは、レッドブルに負けたと感じているふたつの重要な部分に焦点を当てているという。

 そのひとつは、空力効率を高め、最高速度を上げるということだ。レッドブルはかなり巧妙な形でマシンの空気抵抗を削減し、かなり速い直線スピードを実現した。このことは、ウイングの空気抵抗というだけではなく、トップスピードに達した時のマシンの振動にも影響を与える。

 ふたつ目はタイヤマネジメントである。今シーズンのフェラーリは、レッドブルに対してタイヤのデグラデーションが厳しい傾向にあった。これを解決し、レースペースをレッドブルと同等にすることができれば、大きなアドバンテージとなるはずだ。

 しかもピレリは2023年仕様のタイヤに関して、アンダーステア傾向を抑えるために新しいフロントタイヤを投入する。これは、フェラーリのマシンコンセプトとルクレールのドライビングスタイルにとっては適したモノであると言える。

 フェラーリはこの新しいタイヤの数値モデルをシミュレーションに適用。初期のテスト結果は良好であるという。

 また2023年用タイヤの開発をサポートするため、フェラーリは積極的に協力してきた。ここで得られたフィードバックは、チーム内で有効に活用されているのは間違いないだろう。

 外見的には675は、F1-75と大きな違いはないと言われている。コンセプトも基本的には同じだというが、コークボトル部分などマシンのリヤエンドを中心に微調整が行なわれたモノとなるらしい。

 またパワーユニットの側でも、信頼性が大きく進歩しているという情報が伝わってきている。

 エンジン部門のチーフであるエンリコ・グアルティエリは、2022年に複数回見舞われた信頼性の問題に対処。テストベンチの結果では、肯定的な兆候がみられるようだ。これにより来年のフェラーリは、PUをフルパワーで使うことができるはずだ。

 
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