F1 イギリスGP

フェラーリ、9位&10位の苦戦は『タイヤ劣化にビビってた』から!? 初日FP2のトラブルも影響とチーム代表

フェラーリF1のフレデリック・バスール代表は、イギリスGPにおけるタイヤ戦略はデグラデーションへの恐れから保守的なアプローチになっていた部分があったと振り返った。

Charles Leclerc, Ferrari SF-23, George Russell, Mercedes F1 W14

 フェラーリのフレデリック・バスール代表はF1第11戦イギリスGPを振り返り、タイヤのデグラデーション(性能劣化)への恐れから、より保守的なアプローチを採っていたと認めた。

 シルバーストン・サーキットで行なわれたイギリスGPで、フェラーリはシャルル・ルクレールが9位、カルロス・サインツJr.が10位でフィニッシュ。スタート位置は4番手と5番手だったため、今回はポジションを下げてのフィニッシュだった。

 要因としてはレース中盤にセーフティカーが出動したことで、それより前にピットインしてタイヤを履き替えていたフェラーリ勢は損をしてしまったことが挙げられるだろう。

 しかしバスール代表はもうひとつ問題があったことも認めている。それはイギリスGP初日にルクレールのマシンにトラブルが発生し、彼がFP2を丸々走ることができなかったという点だ。

 その結果、チームはタイヤのデグラデーションに関する十分な情報を手に入れられなかったことにより、タイヤ戦略に影響を受けたと彼は語った。

「4番手と5番手からスタートだったが、予選の後はこれよりも良い仕事ができるだろうと感じていた」

 バスールはレースを振り返ってそう語った。

「9位と10位には満足できていない」

「しかし今はレースだけではなく今週末について深く掘り下げる必要がある。我々は金曜日にロングスティントを行なっておらず、ソフトタイヤだけを走らせた。そしてシャルルがガレージに留まることになってしまった。そのため、少しデグラデーションを恐れていた」

「我々の頭の何処かにシーズン序盤のレースのことが浮かんでいて、今回はタイヤマネジメントに保守的になりすぎて、十分にプッシュできなかったのかもしれない」

「セーフティカーが出てしまったのは少し不運だった。その件は我々の手に収まることではないため、ここは考える必要はないが、マネジメントできることについては考える必要がある。そして率直に言うと、我々はもっとプッシュできたと思う」

Charles Leclerc, Ferrari SF-23, in the pits

Charles Leclerc, Ferrari SF-23, in the pits

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 バスールはルクレールの最初のスティントで18周目と早い段階でピットへ呼び戻したことについて訊かれ、次のように答えた。

「我々はラッセル(ジョージ・ラッセル/メルセデス)と戦っていた。そして彼はピットに入るだろうと考えていて、再び彼との争いになると見ていた」

「レース後の今になって、我々がスティントを伸ばすべきだったとか、タイヤをプッシュすべきだったとか言うのは簡単だ」

「だが我々が最も損を被ったのはそこではなかった。我々はセーフティカーが入る10~12周前くらいに前でシャルルにハードタイヤを履かせたが、彼のデグラデーションはゼロで、もっとプッシュできたはずだったと思っていた」

「デグラデーションについては誤解があったんだ。その点は初日に起因するもので、レース当日のことが原因なのではない」

 フェラーリは今季開幕からデグラデーションに悩まされてきたが、バスールによると最新のアップデートもこの問題に対処することが狙いのひとつだったという。

「9位と10位でフィニッシュしているところで、いい仕事をしたとは言いづらい」

「だが全体的に見ると、我々はデグラデーションがより軽くなっているのは本当だと思う。シーズン開幕から主な問題となっていたものだが、今日はそうではなかった」

「メルセデスと比較してペースを欠いていたが、それはデグラデーションではなかった。ペース自体であって、マシンが今回の風で少し不安定になっていたんだ。シルバーストンは我々にとって難しいコースになる可能性があるのは、前から分かっていた」

「今回は非常に風が強かった。マイアミと同じだよ。ただパフォーマンスはマイアミよりもずっと良かった。重点的に開発してきたからだと思う」

「我々のマシンが不安定になっていたのは確実だが、他のクルマが不安定だったかどうかは分からない。トレイン状態となったときには、他よりも苦戦していたかもしれない。まだマシンの特徴として残っているんだ」

 

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