FIA離脱の元技術代表、ルノー加入か? 他チームは難色示す
FIAの技術代表を辞職したブコウスキーはルノーへ加入するとみられており、ライバルチームは情報漏えいを心配している。

今週の火曜日、FIAはマルチン・ブコウスキーがFIAの技術代表を辞職し、ガーデニング休暇を取ることを発表した。
そのブコウスキーはルノーに加入するのではないかとみられており、マレーシアGPの金曜日に行われたミーティングでは、メルセデス、フェラーリ、レッドブルがこの件を問題視していた。
技術部門の代表を務めていたブコウスキーは、チームの開発機密に関する情報へアクセスできる特権を持っていた。チームがレギュレーション違反を犯していないかどうかを調査することがブコウスキーの責務であったため、彼は現行のマシンやエンジンを詳細に理解している。
なおレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングからチームに送られた文書において、チームは、現行のマシンや将来的なマシンデザインに関わる情報や質問をもうブコウスキーには送らないよう通告されている。
そのブコウスキーが突然技術代表を退いたことにより、彼は3カ月のガーデニング休暇を終えた後、どこかのF1チームに加入するのではないかと噂されていた。そして今週末のマレーシアで、それがルノーなのではないかという疑いが生まれた。
ルノーは金曜日の時点ではブコウスキーに関するコメントを発表していないが、ライバルチームは、彼がすでにルノーと契約を交わしていると確信している。
彼らは、ルノーがブコウスキーの持つ現行のマシンなどに関する豊富な知識や、2018年に向けた自分たちの開発計画を手に入れようとしているのではないかということを心配している。
もちろんブコウスキーの加入によってルノーが迅速に利益を得て、上位に浮上してくる可能性は十分に考えられる。
motorsport.comでは、セパンのパドックでフェラーリ、メルセデス、ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブル、フォースインディアの6チーム、つまりストラテジーグループによるミーティングが行われ、この件について話しあったという情報を掴んでいる。
複数の情報源によると、彼らはブコウスキーがたった数カ月の休暇を経ただけで自由にF1チームへ加入することに怒りを表しており、今回の件を次のF1ストラテジーグループの議題に加えようと計画しているという。
今後ストラテジーグループはFIAと連携しどのようにこの件の対応を進めていくのか、ということがカギとなるだろう。
あるチームの上級スタッフは、以下のように話していた。
「すべては信頼だ。我々はこれからどうすべきなのかをFIAと話し合う必要がある。なぜなら、他のチームが我々の情報を手に入れる可能性があったとしても、我々はそれを渡したくはないのだ。そういうリスクがあるのなら、我々はすべてを秘密にし続けなければならなくなるだろう」
FIAはブコウスキーについては何も明らかにしていない。なおFIAでの彼の責務については、今のことろはホワイティングが引き継いでいる。
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シリーズ | F1 |
執筆者 | Jonathan Noble |