FIA、”トリックステアリングシステム”の取り締まり厳格化を通達

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FIA、”トリックステアリングシステム”の取り締まり厳格化を通達
Adam Cooper
執筆: Adam Cooper
2017/12/23 9:59

FIAは、ステアリングの操作に応じてフロントの車高が変化する”トリックステアリングシステム”の取り締まりを厳格化することを通達した。

 FIAは、ステアリングの角度を活用して空力面のアドバンテージを得るようなフロントサスペンションのシステム、いわゆる”トリックステアリング”の使用について、取り締まりを強化すると通達している。

 FIAのF1レースディレクターであるチャーリー・ホワイティングは先週、各チームに技術指示書を送った。これによれば、いくつかのチームが2017年シーズンに、コーナリング時にフロントの車高を下げるようにデザインしたサスペンションシステムとステアリングシステムを使っていたと、FIAは考えているという。これにより空力効果を向上させ、グリップ力の向上が狙われていたと、FIAは疑っているのだ。

 ホワイティングは、ステアリングがロックした状態で車高が変化することは正常なことだと認める。しかしながら今後は、その車高変化は5mmを超えることはできないとホワイティングは説明する。そして2018年のマシンがこのシステムを遵守していることを証明するのは、チームの責任だとしている。

 この問題については、ロンドンで最近行われたFIAの技術規則会議で、各チームのテクニカルディレクターらも交えて話し合われた。しかしこの会議では、空力面に関してどのような影響が許容されるべきか、意見の相違がみられたという。

 情報源によれば、レッドブルは現在の規則下で、開発の自由度を維持したいと主張したという。その一方でフェラーリは、規則を厳格化することについて支持したようだ。またメルセデスは、FIAが規定するソフトウェアとハードウェアを使用したアクティブサスペンションの搭載を許可するよう提案していたようだ。

 この会合が行われた3週間後に、冒頭の技術指示書がチームに送られた。しかし各チームはすでに、2018年マシン開発の最終段階にある。

 ホワイティングはこの指示書に、次のように書いている。

「今シーズン中、いくつかのチームがマシンのフロント部分の車高を変更できるようなサスペンションとステアリングシステムを開発していたことが明らかになった」

「ステアリングホイールを、ロック状態からロック状態まで動かす時には、ある程度の変化は避けられない。しかし我々は、いくつかのシステムの効果は、必然的な変化からはほど遠いと考えている」

「我々はまた、車高の変化がマシンの空力性能に影響を与える可能性が非常に高いと信じている」

 ホワイティングは空力への影響に関するテクニカルレギュレーションへの解釈として、24年前のFIA国際控訴裁判所の判例を引用した。

 レギュレーションの条文には、次のように規定されている部分がある。

「いかなるマシンのシステム、デバイス、ドライバーの動きも、クルマの空力特性を変える手段として用いることは、禁止されている」

 この文言は、FIAの見解を後押しすることに繋がっている。

「我々の見解としては、そのようなステアリングシステムは、サスペンションシステムと同じように扱われるべきだ。すなわち、テクニカルレギュレーションの第3条8項への整合性を評価する際には、1993年の判決が適用されるべきである」

 そうホワイティングは語る。

「したがって、ステアリングホイールをロック状態からロック状態まで動かした際のフロント車高の変化は、偶発的なモノでなければならない」

「我々はマシンのフロント部分の車高の変化にステアリングが及ぼす影響について、そしてその影響が偶発的なモノであることを我々に納得させるために、関連の書類とを提出するように求めている。我々はステアリングホイールをロック状態からロック状態に動かした際、マシンの高さは5mm以上変化しないはずだと信じている」

 チームはすでに、2018年マシンのサスペンションとステアリングのレイアウトを決定している可能性があるが、技術指示書の影響がどれほどになるのかは不明である。そのため、実際に判断が下されるのは、グランプリに車両が持ち込まれ、車検にかけられた際になる可能性がある。

 いずれにしてもチームは、リスクを抱えたまま当初の設計を維持してマシンの完成を目指すか、レギュレーションの新しい解釈に合わせてマシンを作り直す余裕があるかどうか、判断する必要性に迫られるだろう。

 あるチーム関係者は、motorsport.comに対して次のように語った。

「それは取り締まることができないと私は疑っている。そして、チームはその(FIAの)判断を無視するだろう。それは単にFIAの”見解”だ。”法律”ではない。何も変わらないよ」

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シリーズ F1
執筆者 Adam Cooper
記事タイプ 速報ニュース