FIA、”マーシャル、ニアミス事件”は大変危険だとして調査を開始
シンガポールGPの決勝中、セーフティカーランが解除された際になぜマーシャルがコース上に残されていたのか、FIAは調査を開始した。









シンガポールGPのスタート直後、フォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグは、トロロッソのカルロス・サインツJr.と接触し、コース左側のウォールに激しくクラッシュした。これでセーフティカーが出動したものの、コースの回復が迅速に行われ、3周目からレースが再開された。
しかし、先頭を走るニコ・ロズベルグ(メルセデス)が1コーナーへとアプローチしようとした際、まだマーシャルのひとりがコース上にいるのが映し出された。彼はサーキットに残っていたデブリを、回収しようとしていた。
FIAのスポークスマンはmotorsport.comの取材に対し、コースがクリアであることがレースコントロールによって3回確認されたが、発生したと説明した。そして、度重なる確認にもかかわらず、セーフティカーがコースを離れた際に、マーシャルもコース上に入ることができてしまった。
この件についての報告書は、なぜ誤解が生じてしまったのか、そして再び同じようなことが起きないよう、状況を正確に把握するために用意されるという。
「我々は再びこのようなことが起きるのを回避するために、状況を明確にしたいと考えている」
FIAのスポークスマンはそう語った。
非常に危険だった
1年前にも、レース中に観客がコース上を歩いていたという出来事があったが、この問題は軽んじられていないようだ。
メルセデスのチーム代表のトト・ウルフは、けが人が出なくてよかったと話した。
「おお!」と彼は言葉を発した。
「昨年コースに入った男性は、多分酔っ払ってたんだろうね! でも、あそこで良い時間を過ごせたとは思えないよ」
「非常に危険だけど、レースコントロールを信用するべきだと思う。なぜなら、彼らは迅速にレースを再開したからね。セーフティカーの後ろで延々と過ごすのではなく、我々はそれを要求していたんだ」
「マーシャルのひとりがコース上のデブリを拾っていて、こういうことが起きたんだろうね。こういうことが起きてしまったけど、けが人が出ずに済んでよかったよ」
ロズベルグの反応
先頭を走っていたロズベルグは、コース上のマーシャルを見つけた際、若干スローダウンしたことを認めた。しかし、何が起きているのかについては、警告は全くなかったと言う。
「ああ、あれは確かに、ぞっとするほど危険だったよ」とロズベルグは言う。
「僕らが考えていなかったのと同じように、彼もリスタートするとは思っていなかったんじゃないかと僕は思う。なぜなら、リスタートはかなり突然だったからね」
「でも、彼はギリギリのタイミングでコース外に出た。それでOKだった。もちろん、僕らは全員、そこを通過する際には慎重にならざるを得なかった」
「300km/hで走っている時に前を人が横切るなんて、素敵な思い出じゃないよね。だから僕は確認し、安全を確保してドライブした。それがすべてだ。確かに、僕はいくらかの時間を失ったのは間違いない」
イエローフラッグが解除されると同時にダニエル・リカルドをパスすることを狙っていたルイス・ハミルトンは次のように語った。
「何の違いも無いリスタートだった。僕は彼を見なかった。彼が僕の側に来るまではね」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | シンガポールGP |
ロケーション | シンガポール市街地コース |
執筆者 | Jonathan Noble |