F1 ベルギーGP

新時代に向けてPUを変えても、旧車テストが可能に。各PUメーカーに”元カスタマー”へ2年間の供給義務を課す

来季は複数のF1チームがPUサプライヤーを変更するが、既存のサプライヤーにTPC用のPUを供給し続ける義務が課されることになったため、今後も現在同様にTPCを継続できることになった。

Ronald Vording Roberto Chinchero

公開日時: 2025/07/31 2:39

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Power unit Ferrari

 F1チームは2026年のレギュレーション変更を前に、パワーユニット(PU)サプライヤーを変更した場合でも旧車テスト(TPC)を実施できるように、既存のサプライヤーに対してTPC用のPUを供給し続ける義務を課すというルール変更に合意した。

 2年以上前のマシンを使うTPCは、F1チームのオペレーションにおいてますます重要な役割を果たすようになっている。若手ドライバーの育成などに利用されるのが一般的だが、最近ではマクラーレンがブラッド・ピットを走らせるなど、コマーシャル的な要素も増している。

 また以前は、レースドライバーに走行距離を稼がせるための集中的なプログラムも実施。マクラーレンはこれを活用して、積極的に走行を行なった。またレッドブルも、イモラでマックス・フェルスタッペンとTPCを行ない、マシン開発の道筋を立てるのに活用した。ただ、レギュラードライバーが過度に走行するのを避けるためにFIAの競技規則に新たなルールが追加され、今ではレギュラードライバーによるシーズン中のTPCにおける走行距離は1000kmまでに制限されている。

 そして2026年には、さらなるルール変更が予定されている。今回の変更は、PU供給に関するものだ。

 レギュレーションが刷新される2026年に向けて、PUパートナーを変更するチームが多い。ザウバーはアウディのワークスチームに生まれ変わるため、自社製のPUを使用。アストンマーティンはメルセデスのカスタマーPUから、ホンダのワークスPUに切り替える。アルピーヌはルノーがPU開発から撤退するため、メルセデスPUへスイッチ。レッドブルとレーシングブルズは、フォードと提携して自社(レッドブル・パワートレインズ/RBPT)製の新PUを使う。

 PUメーカーを変更することにより、こういったチームは現在のパートナーから供給を受けているPUを搭載した旧型マシンを使用してTPCプログラムを継続できるのかという問題が生じる。しかも、26年からはPUの規格も大きく変更されるため、最新のPUを旧型車に搭載するということもできない。

 motorsport.comの調べによると、幾度かの議論を経て解決策が合意されたようだ。FIAは今後2シーズンのF1において、今季限りで契約が切れるPUサプライヤーは、元カスタマーチームに対して現行のPUを継続して供給しなければならないと義務付けた。

 FIAは2年間の供給義務を課したものの、コストの上限は設定していない。TPCテストは予算上限の対象外であるため、サプライヤーは価格を自由に設定できる。ベルギーGPの週末にパドック関係者から得られた情報によると、主要なPUサプライヤーの1社は既に、カスタマーに対して現在のコストの2倍になることを通知しているという。

 これにより2026年のTPCテストは大幅にコストが上がるが、チームの開発予算を圧迫することがないのなら、ほとんどのチームにとって問題にはならないだろう。

「問題はないと思う」と、あるチーム関係者は述べている。

「予算上限に含まれていない費用は、現在のF1チームにとって節約の対象となる分野ではないようだ」

 したがって要求があれば、フェラーリはアウディに、メルセデスはアストンマーティンに、ホンダ(HRC/ホンダ・レーシング)はレッドブルとレーシングブルズにPUを供給することが義務づけられる。

 アルピーヌは、ヴィリー・シャティヨンのファクトリーが現在使っているPUを維持する部門を完全に閉鎖することを決定しない限り、引き続き自社のパワーユニットを使用することができる。

 

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