F1

FIA、オフィシャルの質向上と充実に向けて組織強化を目指す「善意だけに頼るのは不公平になってきた」

FIAはF1チームからのスチュワードの質向上を求める声に応え、よりプロフェッショナルなオフィシャル組織にしていくと主張した。

Filip Cleeren

Filip Cleeren

公開日時: 2025/01/25 6:51

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Mercedes representatives including Ron Meadows, Sporting Director, Mercedes AMG, visit the FIA stewards

 スチュワードの一貫性にF1チームから不安の声が上がる中、FIAは新しいオフィシャル部門が将来的に 「よりプロフェッショナル」になると語った。

 昨年9月、FIAは公認するすべてのモーターレース活動でオフィシャルを育成するための新しいオフィシャル部門を導入すると発表した。

 FIAのスポーツ・オフィシャルズ・マネージャーに任命された経験豊富なイタリア人スチュワードのマッテオ・ペリーニが率いるこの部門は、次世代のオフィシャルにトレーニングを提供し、FIAがより多くの人材を確保することを目的としている。

 FIAはレーススチュワード、レースディレクター、その他のオフィシャルの育成が思うように進んでいないことを認識している。その背景には、近年のレーススチュワードの判断の一貫性に対するF1チームからの批判が広がっていることがある。一方、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムもまた、FIAのマネジメントに対する批判を浴びている。

 長年スチュワードを務めてきたティム・メイヤーは、アメリカGPのコース乱入に対する対応をめぐってベン・スレイエム会長と意見が対立し解任。11月のラスベガスGP前には、スレイエム会長がF1レースディレクターのニールス・ウィティヒを解任し、FIA F2およびFIA F3ディレクターのルイ・マルケスを後任に据えた。

 マルケスの後任として期待されていたジャネット・タンも急きょ解任され、マルケスはカタールとアブダビでF1とF2を担当するという、より多忙なスケジュールをこなすことになった。

Max Verstappen, Red Bull Racing with Mohammed bin Sulayem, FIA president

Max Verstappen, Red Bull Racing with Mohammed bin Sulayem, FIA president

Photo by: Andreas Beil

 FIAのシングルシーター担当ディレクターであるニコラス・トンバジスによれば、FIAの新しいオフィシャル部門はボランティアに頼るのではなく、将来的に「よりプロフェッショナルな組織」になるとのこと。これにより、レース週末以外でも問題をより広い範囲で分析することができるようになるだろう。

 専任のスチュワードをフルタイム、あるいはパートタイムで配置することで、レースウィークエンドで下された決定を分析・評価したり、審査請求権のような特定の手続きを迅速化したりする時間をより確保できることになる。

「善意でやってくれる人だけに頼るのは、ちょっと不公平になってきたかもしれない。それが今の我々の現状なんだ」

 トンバジスはそうmotorsport.comに語った。

「将来的には、もっとプロフェッショナルな組織にしていきたい。それはボランティアを排除することではなく、レース後の月曜日の朝、すべての決定を分析し、それが正しく行なわれたかどうかを確認し、何が改善されるべきかなどを見極めることができる組織を持つことだ」

「さらに、より強力なリモートセンターと組み合わせて、様々な違反行為に対する監視を強化し、それらすべてを連動させる。これが一般的な目標だ」

「最終的には、(オフィシャル部門は)それを行なえる幅広い人材を集め、彼らがすべての分析などに費やす時間を増やすことになる。ただ、はっきりさせておきたいのは、非常に経験豊富で20年間務めてきた今のグループから何かを奪うということではない」

 昨シーズンのマクラーレンとレッドブルは、アメリカGPとメキシコシティGPで繰り広げられたランド・ノリスとマックス・フェルスタッペンの激しいバトルへの対応に特に不満を抱いていた。

 だがトンバジスは、FIAとアストンマーティンを含むいくつかのチームによる分析の結果、F1のスチュワード判定は一般的に示唆されているよりも一貫していると主張。しかし、FIAは次世代のオフィシャルを安定的に供給するために、オフィシャルの数を増やさなければならないと語った。

「すでにハイパフォーマンスなスチュワード・プログラムとレース・ディレクター・プログラムがあり、数年前から実施されている」

「各国のモータースポーツ管轄団体から選抜され、特定の人々によってスポンサードされ、プログラムを通じて支援された人々が約30人いる」

「このような人たちがステップアップし、最終的にはF1やラリー、フォーミュラEで活躍することになる。だからここ何年かはそれなりにうまくいっていると思う」

「とはいえ、さらにステップアップしなければならないという思いもある。このような問題を主導する適切な部門でなければならない。F1では、スチュワードの一貫性についてかなり多くのコメントが寄せられていると感じている」

「チームによる分析でも、スチュワードはかなり一貫しているという結果が出ていることを付け加えておく。彼らは間違いなく膨大なレベルの専門知識を持っているが、訓練を受け、起用できる人材はそれほど多くない」

 ここ数日、ベン・スレイエム会長は、ドライバーの悪態やその他のスポーツ規定違反の取り締まりを強化するという自身の欲求を加速させたとして、さらなる注目を集めている。

 FIAは1月22日(水)に国際競技規則の更新版を発表し、第12条の違反、特に不正行為に関するガイドラインを示した。

 更新されたスチュワードの罰則ガイドラインにより、F1ドライバーは最高12万ユーロ(約1964万円)の罰金、チャンピオンシップポイントの減点、さらには出場停止処分を科される可能性がある。

 なおF1ドライバーの組合であるGPDA(グランプリドライバーズ・アソシエーション)は今回の事態にまだ反応していない。

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