F1 Abu Dhabi Testing
グラウンドエフェクト規則の”通信簿”はB~C評価? FIA「正しい方向へ前進したが、成功を収めたとは言えない」
FIAは、2025年までのF1レギュレーションについて、一定の効果は得られたものの不十分だったと語った。

Ronald Vording
公開日時: 2025/12/15 7:54
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

F1の2025年シーズンが終了し、これにより2022年に導入されたグラウンドエフェクトカーのレギュレーションサイクルも終了。FIAは、当初の目的達成は不十分だったと考えている。
2022年に導入されたレギュレーションには、マシンの追従性向上によるレースの改善、チーム間格差の縮小、財政面で持続可能なチャンピオンシップの確立という3つの目的があった。
FIAのシングルシーター担当ディレクターのニコラス・トンバジスは、過去を振り返って、その評価をしている。確かに全体的には正しい方向に進んでいるが、すべての分野で十分ではなかった、と彼は語った。
「これらの目標のほとんどにおいて、正しい方向へ大きく前進したと考えている。しかし、全てにおいて完全な成功を収めたとは断言できない。だから、A評価はつけない。BかCくらいの評価だ」とトンバジスはMotorsport.comを含む一部のメディアに語った。
財政的な持続可能性については、うまくいった点だと言えるだろう。トンバジスは、予算制限の導入によってシリーズの規制が複雑化し、FIAにとっては違反の監視など、より困難になったことを認めている。しかし、それによってF1は以前よりもはるかに安定し、健全になったとも述べている。
「今では財政規制がないことは想像もできない。だから、これは成功だったと思う」とトンバジスは評した。
だがレース自体の改善に関しては、状況は少し異なる。2022年と2023年については、トンバジスは「技術面では、確かにマシン同士がより接近したレースができるレベルに到達したと思う」と語った。
「満点をつけられないのは、抜け穴とまでは言わないが、いわば規制の許容範囲が広すぎる部分がいくつかあったことだ。そのため、チームはアウトウォッシュを生み出すような解決策を採用することができた」
アウトウォッシュとは、マシン外側へと流れる気流であり、後方乱気流を作る。各チームがマシン開発を進めた結果、アウトウォッシュを活用するようになったことで、後方を走るマシンが近づけない要因となってしまったのだ。
具体的にどの部分に関係するのかと尋ねられると、トンバジスは次のように説明した。
「まず主要な部分はフロントウイングのエンドプレートだ。フロントウィングのエンドプレートは当初、非常にインウォッシュ(内側への流れ)が強いデバイスになる予定だった」
「しかしエンドプレートの設計の制約が十分にタイトではなく、その結果その部分で大量のアウトウォッシュが発生していた」
「彼らが活用したもうひとつの領域は、フロントドラムの設計、つまり前輪内部の構造部品だった。また、フロアの縁部もこのカテゴリーに属すると考えられる。これらは、規則の意図から見てパフォーマンスが低下する主な領域であった」
レギュレーション導入初期は、FIAはコース上でのマシンの挙動にある程度満足していたが、マシン開発が進むにつれて後方乱気流が増え、前を走るマシンに追従するのがはるかに困難になっていった。
FIAが過去に、レギュレーションの調整を検討したかどうか尋ねられたトンバジスは、確かにそのアイデアが議論されたことがあると認めた。
「私が言及したこれらの点は、今に限ったことではない。2年前も同じだった。なぜルールを変えなかったのか? まあ、努力はしたが、チーム間の十分な支持が得られなかったのだ」
「サイクルの中で規制を変えるにはガバナンスが必要だ。つまり、特定の変更には多数のチームが協力する必要があるということだ。我々だけが何かを変えたいと思っているわけではない」
しかしトンバジスは、新レギュレーションでは乱気流がそれほど大きな要因にはならないと考えている。なぜなら、それは引き続きレギュレーションの重要な焦点となっているからだ。
「アウトウォッシュについては、もちろん改善されると信じているが、この議論は2年後に行なおう。そうすれば、すべて問題なかったと皆さんにお伝えし、皆が笑顔になれるはずだ」と彼は締めくくった。
関連ニュース:
F12026年新規則F1、様々な用語をよりシンプルで分かりやすいモノに……「ファンに、何が起きているのかをわかりやすく」
F1ハミルトン、現行世代のF1マシンは「最悪だったよ……」2026年からの新時代にはまだ自信なし
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 「ベストシーズン。傑出したドライバーだった」フェルスタッペンの復活劇をグロージャンが大絶賛
次の記事 頂点まであと一歩。ウイリアムズ育成ブラウニング、F2卒業→SF転向でF1への“最終準備”か?「自分の将来には納得している」

More from
Ronald Vording

モナコGPのスプリント開催、フェルスタッペンは無の境地? 「どこだろうと気にしていない」
F1
F1
アゼルバイジャンGP
1 日前
モナコGPのスプリント開催、フェルスタッペンは無の境地? 「どこだろうと気にしていない」

レッドブルのマシン劣化問題に解決の糸口「改善できる領域を具体的に特定できるようになってきた」しかし来季の完全解決はない?
F1
F1
アゼルバイジャンGP
2 日前
レッドブルのマシン劣化問題に解決の糸口「改善できる領域を具体的に特定できるようになってきた」しかし来季の完全解決はない?

復帰戦でいきなり3位のハジャーを、レッドブルも称賛。“激情型”から卒業して精神的にも成熟?「さまざまな面で成長している」
F1
F1
アゼルバイジャンGP
2 日前
復帰戦でいきなり3位のハジャーを、レッドブルも称賛。“激情型”から卒業して精神的にも成熟?「さまざまな面で成長している」
最新ニュース

中上貴晶、日本GPワイルドカード参戦に気合十分「最後の1000cc。とにかく楽しみたい」
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
38 分前
中上貴晶、日本GPワイルドカード参戦に気合十分「最後の1000cc。とにかく楽しみたい」

ホンダMotoGP、レッドブルのスポンサー復帰を認める。以前よりも存在感が増す?
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
1 時間前
ホンダMotoGP、レッドブルのスポンサー復帰を認める。以前よりも存在感が増す?

「去年よりも期待は大きい」小椋藍、母国日本GPの目標は当然表彰台? 負傷も全く問題なし
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
1 時間前
「去年よりも期待は大きい」小椋藍、母国日本GPの目標は当然表彰台? 負傷も全く問題なし

ヤマハ、日本GP用に“マンガ”想起させる特別デザインスクーターを用意。オファーあればコラボも??
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
2 時間前
ヤマハ、日本GP用に“マンガ”想起させる特別デザインスクーターを用意。オファーあればコラボも??
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録