FIA、F1残り4戦はF1レースディレクター交代制を停止。”アブダビ事件”後に試行錯誤も裁定の一貫性に効果ナシ?
FIAは、F1日本GPで発生した”回収作業車事件”に関する検証を経て、2022年シーズンの残り4戦は、F1レースディレクターの交代を行なわないことを発表した。
FIAは、F1日本GP決勝レースにてマシン走行下でコース上に回収作業車が出されたことで多くの批判を招いたことを受け、調査を実施。翌戦アメリカGPの金曜日にはその報告書が公開され、今後施行される手続き上の変更が多く盛り込まれた。
大きな変更点のひとつは、F1レースコントロールの運用体制。2022年シーズンはWEC(世界耐久選手権)からエドゥアルド・フレイタス、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)からニールス・ウィティヒのふたりのレースディレクターを招集し、2名交代制で役割を分担してきたが、ウィティヒが2022年シーズンの残り4レースを担当することとなった。
FIAの声明には次のように記載されている。
「2022年の残りのレースでは、FIAはレースディレクター交代制を採用しない」
「オースティンのアメリカGPから、それに続くメキシコ、ブラジル、アブダビのレースでは、ニールス・ウィティヒがレースコントロールのサポートを受けながら、レースディレクターの役目を担うこととなる」
The car of Carlos Sainz, Ferrari F1-75, is recovered with a truck
Photo by: Steven Tee / Motorsport Images
アブダビで行なわれた2021年の最終戦でタイトル争いに影響を与えたとして、物議を醸したF1のレースディレクション。その後、FIAは当時レースディレクターであったマイケル・マシを更迭し、レースディレクターの2人交代制を今年から導入した。それに加え、レースコントロールをサポートするために、ジュネーブにあるFIAの拠点にはバーチャル・レースコントロールを設置していた。
しかしドライバーの多くはレースディレクターを変更することで裁定に一貫性が失われることを懸念し、ひとり体制に戻すよう求めてきた。
グランプリドライバー・アソシエーション(GPDA)の理事を務めるジョージ・ラッセル(メルセデス)はアメリカGPに先立つ10月20日(木)、レースディレクター交代制についてドライバーは「ローテーション制はF1にとって、その一貫性に関してはベストな選択肢ではないと考えている」と話し、次のように続けた。
「前のイベントでスチュワードだった人が、次のイベントで特定の決定について話をしたことはなかったと思う」
「日本GPにいた(レーススチュワードの)ゲイリー・コネリーが、今週末も来ている。これらは全て、FIAと強力して改善を続けていかなければならないことだ」
マーシャルや回収作業車のコースインは、レースディレクターとクラーク・オブ・ザ・コースの指示によって行なわれるもので、前戦日本GPではフレイタスがレースディレクターを務めた。
FIAの報告書の中では、セーフティカーやバーチャルセーフティカー出動時の「レースコントロールチーム全体の役割分担をより明確にする」必要があると強調されている。
またピエール・ガスリー(アルファタウリ)の回収作業車とのニアミスについては、セーフティカー出動時のガスリーのピットインが感知されなかったことが要因だと報告書では指摘されており、状況を整理すると「コース上に回収作業車を投入するのが遅らせることが賢明だった」とも記載されている。
Be part of Motorsport community
Join the conversation記事をシェアもしくは保存
Top Comments
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。