

FIAのF1レースディレクターを務めるマイケル・マシは、マックス・フェルスタッペンの優勝確定に時間がかかったことには、様々な要因があったことを明かした。
F1第9戦オーストリアGPでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝し、ホンダに2006年以来13年ぶりの勝利をもたらした。しかし、フェルスタッペンが69周目にシャルル・ルクレール(フェラーリ)から首位の座を奪った際、2台は軽く接触しており、それに関してレース後審議が行われた。
“おとがめなし”の裁定が下り、フェルスタッペンの優勝が正式に確定したのは現地時間19時47分(日本時間2時47分)で、レース終了から3時間以上が経ってからのことだった。
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motorsport.comは、FIAのF1レースディレクターを務めるマイケル・マシに、なぜ裁定にこれほど時間がかかったのかを尋ねた。するとマシは、接触が起こったのが残り3周であり、レース終了までに審議をする時間がなかったことを挙げた。
「重要だったのは、あらゆるメディアへのコメントや記者会見のために、スチュワードによる聞き取りが18時(日本時間1時)まで行われなかったことだ」とマシは語った。
「審議自体の時間は約1時間だった」
「スチュワードが他の判例を振り返りながら話し合いをしていき、審議を進めていった」
「裁定について書き出し、それに誤字や間違いがないかを確認して、両チームを呼び戻して裁定を伝えた後に、それらをすぐまとめ上げた」
「実際に作業をしている人たち(スチュワード)よりも、我々のように外で待っている人間の方が、時間が早く過ぎるように感じるんだ。彼ら(スチュワード)はあらゆることを考慮していた」
なお今回の裁定については、カナダGP、そしてフランスGPでの裁定を引き合いに出して、様々な論争を呼んでいる。
フランスGPでは、ダニエル・リカルド(ルノー)が他車をコース外に追いやったとして、レース終了から約3時間後にタイムペナルティの裁定が下った。
そしてカナダGPでのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)の一件は、レース中に5秒ペナルティが確定した。そのため、ベッテルがトップチェッカーを受けたものの、優勝がハミルトンのものになった。
勝者がレース後に変わってしまうことを防ぐためには何ができるかと問われたマシは、それは“難しい”ことを認めたが、レース後の精査によって勝者が誰なのか明らかになることもあると指摘した。
「それらを取り巻くあらゆる状況と要因を考慮し、できる限りの情報を駆使した上で、正しい裁定が下されることを望んでいる」
マシはまた、裁定が下されるスピードについて、他のスポーツのそれと比較するのは適切ではないと語った。
「我々は笛を吹いて全てを止め、裁定を下すことはできない。これはこのスポーツにおける特徴のひとつなんだ」
「表彰台が真の表彰台であるために可能な限りを尽くすが、レースの残り2〜3周となると、それはかなり難しい」
「もし3周目に起こったのであれば、スチュワードが裁定を下して、それが放映されることになっただろう」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | 第9戦オーストリアGP |
サブイベント | Race |
執筆者 | Scott Mitchell |