FIAが新たな燃料使用量の監視方法を通達……チームの負担が増加?

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FIAが新たな燃料使用量の監視方法を通達……チームの負担が増加?
執筆:
2019/02/20 10:03

FIAは今シーズン、F1の燃料使用量の検査に厳格な手順を導入するようだ。

 2019年シーズンより、F1は空力などいくつかレギュレーションが変更されるが、燃料に関する部分も改定を受けている。2019年シーズンは、レース中に使用可能な燃料が5kg増量され、110kg(約137L)となる。

 こうした変更により、度々つまらないと批判されてきた極端な燃費走行をする必要が低くなることが期待されている。

 ただ、F1の燃料規制の部分は、頻繁にレギュレーション違反の疑惑にさらされてきた点でもある。エンジンオイルによる燃焼ブーストや、追加燃料タンクなどは記憶に新しいだろう。

 今回導入される新たな測定手順は、FIAがレースでの燃料使用量のグレーゾーンとなる可能性がある部分に関して、警告を発していることを示唆している。そして、2018年後半には既に検査が強化されており、FIAがこうした疑惑の解明に力を入れていることは明らかだ。

 各チームは、レースに向けマシンにどのくらい燃料を搭載するか明らかにするように求められる。そして、FIAの技術代表のジョー・バウアーと彼のチームは燃料使用量を正確に確認し、燃料流量計の計測結果がどの程度一致するか確認するために、レース前後にマシンの重量を計測する権利を持っている。

 新しい測定手順は、FIAのシングルシーター技術責任者のニコラス・トンバジスによって概要が策定され、2月12日に全てのチームへ伝達された。

 今後チームは、マシンに搭載する予定の燃料量(レコノサンス、フォーメーションラップ、レース、インラップを含む)を少なくともレース開始2時間前までに申告する必要がある。加えて、燃料はピットレーンオープンより1時間前までに搭載する必要がある。その後、燃料を冷却することは許可されない。

 また、FIAはレース前にランダムにマシン重量を検査することができる。なお、計測はFIAにより定められた“トラベルホイール”をセットして行われる。つまり、タイヤの摩耗は考慮に入れなくて良いということだ。

 検査はまず、燃料を搭載した状態で1回目の計測を行う。そして、各チームはタンクから燃料を排出するよう求められ、ポンプを用いて残りの燃料全てが確実に排出されるようにする。その後、FIAはマシンに何も燃料が残ってないことを確認する。

 それからマシンは再び重量を計測され、計測前後の重量の差から燃料量を計算する。そして燃料はマシンに戻され、3回目の計測が行われる。その後、給油口とQD(クイックディスコネクト)は封印され、燃料を加えることも除去することもできなくなる。

 つまり、計測1回目(燃料入り)→計測2回目(燃料なし)→計測3回目(燃料入り)と複数回チェックされる手順となる。
 
 レース後は、通常通りパルクフェルメでの手順を実施するが、FIAは再びランダムにマシンを選び燃料チェックを行うことができる。選ばれたマシンはレース前の計測と同様のトラベルホイールを装着し重量を計測する。

 レース前の計測同様にチームは燃料の排出を求められ、FIAはマシンに燃料が残っていないことを確認する。この追加の燃料検査は、レコノサンスとインラップで使用された燃料量を明らかにするために行われる。そして再びマシン重量が計測される。

 トンバジスはこの測定について「レース前と後の燃料の差が測定された燃料使用量だと推測されれます(レコノサンス、フォーメーションラップ、エンジン始動時を含む)」と言及している。

「そうして読み取った数値の妥当性の確証を得るために燃料流量計が計測した数値と燃料噴射装置モデルの数値を比較することができます」

「この計算に使用されるレース前の燃料量は、申告した量もしくはランダムに検査された時の量になります」

 トンバジスはまた、さらなる調査の引き金、またはチームがスチュワードに報告されるような状況のリストを明かしている。

1.燃料の排出手順が申請済みの文書化されたプロセスと異なる場合、チームはFIAへ事前に連絡する必要がある

2.上記の手順を用いて燃料を排出した後、マシンに多量の燃料が発見された場合

3.ピットレーン開放より2時間前までにチームが燃料量の申告をし損なった場合、もしくはランダム検査の際に申告した燃料量と著しく異なる場合

4.燃料流量計の信号と燃料消費量の計測結果を比較した際に、前者が後者よりも低くなっている場合

5.レースで使用された燃料量とマシン重量の計測を比較した際、F1スポーティング規則第30.5条で規定されている使用量の110kgを超えた場合

6.ソフトウェアの検査やデータ解析で、予選と決勝の間で相当な機能の違いを示している場合

 FIAは既に追加の燃料重量モニタリング(2018アブダビGP・レッドブルに対する検査)を試みているが、幾つかのチームはFIAによるランダムな検査によりマシンに影響を及ぼす可能性があるのではないかと危惧している。

 そして、各チームはこうした検査の手順の確立に動いているが、満タンの燃料をマシンから取り出すことは簡単ではないため、チームには負担がまたひとつ増えることになりそうだ。

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シリーズ F1
執筆者 Adam Cooper
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