F1 日本GP
FIA、F1日本GPの”トラクター事件”徹底調査を約束「SC下でクルマを回収するのは通常のやり方だが……」
FIAはF1日本GPでセーフティカー走行中にトラックがコース上にいたことについて、回収作業の車両を出すタイミングと運用方法について調査を開始した。

Jonathan Noble
編集: 2022/10/10 11:57
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FIAは、F1日本GPのセーフティカーおよび赤旗中にマシン回収を行なう作業車両が走行ライン上にいた件について、調査を開始した。
F1日本GPはあいにくの雨模様。4番手の走っていたカルロス・サインツJr.(フェラーリ)のマシンがオープニングラップのヘアピンを立ち上がったところ(ターン12)でスピンを喫しクラッシュ。その他にも多くのスピンがあったことで、すぐにセーフティカー出動から赤旗が掲示され、レースが中断となった。
サインツJr.のマシン回収のため、作業車両が現場に向かったものの、多くのドライバーは視界が非常に悪い中で作業車両がコース上に出たことを危険視。特にアルファタウリのピエール・ガスリーは、緊急ピットインで隊列から遅れ、より速い速度で車両と交錯しかけたことから、この状況に激怒した。
2014年の日本GPではジュール・ビアンキがコースオフし、他のマシンの回収作業をしていたトラクターに激突。のちに命を落とすことになった記憶がまだ新しいこともあり、パドックには不安の声が広がっていた。
ビアンキと親しかったガスリーはレース後、次のように語った。
「僕らは8年前、グラベル上にクレーン車がいる同じような状況でジュールを喪った」
「8年後に同じような状況で、しかもグラベルではなくレーシングライン上でクレーン車を見ることになんて、理解できないよ」
「ジュールや彼の家族、そして彼の愛する人たちや、僕ら全員に対するリスペクトがない」
「目を見張るインシデントだったし、僕らはこういったコンディションでトラクターを見たくはないんだ、ということを学んだと思う」
「カルロスと同じような感じでマシンのコントロールを失っていたら……僕は時速200kmで走っていたけど、たとえ100kmでも12トンのクレーンにぶつかっていたら、僕は今生きてはいなかっただろう」
「僕は今も立って、まだ家族にも電話をかけられるし、愛する人に連絡がとれる。何も起こらなかったことに、本当に感謝している」
「でも、僕らドライバーのためにも、こんな形でクレーンと遭遇して、不必要なリスクを負うことになるのは、今回が最後の機会になって欲しいと切に願う」
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ガスリーはその後、赤旗時の速度違反で20秒タイム加算のペナルティを受けたが、これについて自身のSNSで次のように説明している。
「明確にするために、スチュワードと話し合ったように、トラクターがいた場所ではないターン14とターン15の間で速すぎたことに対してペナルティを受けた。減速したが、十分ではなかったので、僕はその責任を負う」
「ターン12に関しては、SCでのデルタタイムを尊重してターン12に近づいた。赤旗が表示されるのが遅すぎて、レーシングライン上でトラクターとマーシャルに安全に反応してブレーキをかけることができなかった」
「今夜無事に帰宅できてよかった。ジュールと彼の家族全員をリスペクトし、そして我々とマーシャルの安全のために、このような視界の悪い状況では、トラクターやマーシャルがコース上にいることは決してあってはいけない」
The car of Carlos Sainz, Ferrari F1-75, is recovered with a truck
Photo by: Steven Tee / Motorsport Images
一方でFIAは、SC状況下で車両を回収することはF1における標準的な手順であると明言しているが、今回の出来事に対するドライバーのフィードバックによって、より真剣に問題をとらえるようになったという。
FIAの広報担当はレース後、今後この問題が繰り返されないよう、教訓を得るために状況を徹底的に見直すとしている。
「セーフティカーや赤旗の状況下でクルマを回収するのは通常のやり方だが、今回のような特殊な状況や多くのドライバーからのフィードバックを考慮し、FIAは日本GPでの回収車投入に関わる出来事について徹底的な検証を開始した」
「これは、プロセスや手順の継続的な改善を確実にするために、すべてのレースインシデントを報告し、分析するという一般的な慣行の一部である」
調査の重要な側面のひとつは、トラックサイドのマーシャルがレースコントロールから回収車両の出動を命じられていたかどうかだろう。
そしてその許可が出ていたのであれば、今後はコンディションや赤旗掲示などの状況を考慮し、回収のタイミングを遅らせるといった対応が必要になってくるはずだ。
FIAの国際競技規則付則H項2.6.1には、「マーシャルまたは車両は、レースコースからの許可なしにサーキット周囲部に入らないこと」と定められている。
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