”マカレナ”ウイングが使用禁止になる可能性も!? FIAが安全性の調査に乗り出す
FIAは、マックス・フェルスタッペンが2戦連続で高速コーナーでクラッシュしたことを受け、レッドブルとフェラーリの回転式リヤウイングについて調査を開始した。
FIAは、2026年シーズンのF1で回転式のリヤウイングを装着してレースに出走したフェラーリとレッドブルが、全ての安全要件を完全に満たしているか、それを改めて確認したいという意向を持っているようだ。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、オーストリアGPの予選、そしてイギリスGPの決勝と、2戦連続で大きなスピンを経験した。いずれも高速コーナーに進入したタイミングでコントロールを失った格好。いずれも根本的な原因こそ異なるものの、リヤウイングのアクティブエアロに関する不具合が存在していたようだ。
レッドブルのローレン・メキーズ代表はこれを受け、「あらゆる可能性を徹底的に調査する」と明言している。
レッドブルは今シーズン、マカレナウイングと呼ばれる回転式のリヤウイングのフラップ(日本ではくるりんぱと呼ばれることもある)を採用した。この回転式リヤウイングは、フェラーリが先行して実用化したものだ。
フェラーリは、バーレーンで行なわれたプレシーズンテストで、空気抵抗を削減することを目的としたアクティブエアロにおいて、回転式”マカレナ”ウイングを初めて披露したチームである。当初は第2戦中国GPから使うことが目指されていたが、結果的にマイアミGPで実戦投入されることになった。
レッドブルもマイアミで独自バージョンのマカレナウイングを登場させたが、同チームのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェは、フェラーリのマカレナウイングから着想を得たモノではないと断言。実際には2025年の11月から開発が進められており、ウイングの回転方向もフェラーリとは逆だ。
フェラーリはここまで、マカレナウイングのトラブルには見舞われていない。しかしレッドブルは、フェルスタッペンが2戦連続で不具合に見舞われ、クラッシュしている。
フェルスタッペンは不具合が相次いでいることを「非常に危険」だと表現した。
FIAにとってこの2回のクラッシュは、フェラーリとレッドブルに対して、安全性を確保する上でさらなる説明を求めるには十分な理由となる。ただ現段階では、システムの作動中に両チームが全ての安全要件を完全に遵守しているかどうかを確認することが、主な目的であるようだ。
アクティブエアロは、ウイングの開閉をそれぞれ0.4秒以内で行なわねばならないと規定されている。しかしながらこれはあくまでウイングそのものの動きだけを規定したものであり、気流のコントロールもこの時間内で行なえるとは限らない。
ウイング(もちろん他の全てのパーツも)は、周囲を空気が流れており、その速度をコントロールすることで圧力差を作り、ダウンフォースを発生させるなどしている。マカレナウイングが回転すると、周囲の気流は大きく乱れることになるが、0.4秒以内にウイング自体の作動が完了しても、その乱れた空気もすぐに整うわけではない……その結果、マシンの挙動が乱れる可能性があるのだ。
レッドブルが全ての要件を満たしているにもかかわらず、同様の事故が引き続き発生する可能性があれば、追加の規制や検査を行なうかどうかが判断される。
最悪の場合、今シーズンの残りもしくは2027年シーズンに向けて、このマカレナウイングの使用が禁止される可能性もある。しかし、現段階ですぐに検討されるモノではない。
ただレッドブルは自発的に、ベルギーでこのマカレナウイングを使うかどうかを分析するつもりだと既に表明している。フェルスタッペンの不満が募っている今、同じ様な事故をまたも繰り返すわけにはいかないのだ。
「我々は、安全策を講じるために、必要なことは何でもするつもりだ」
なおこの回転式リヤウイングは、マクラーレンも投入準備を進めている。そもそもオーストリアに持ち込まれたが、実際には使われず。イギリスGPもスプリントフォーマットでの開催だったため、試す時間が不足することを考え、投入しなかった。そして次のベルギーで実戦投入することを示唆している。
なおmotorsport.comの調べによれば、今回の調査はフェラーリとレッドブルの2チームのみが対象であり、まだ同ウイングを実戦で使っていないマクラーレンはその対象外ということになりそうだ。
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