FIAベン・スレイエム会長、元レッドブルのクリスチャン・ホーナー”F1復帰”を後押し?「彼の名前をF1から消し去ることはできない」
FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、元レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーがF1に復帰することを後押ししているようだ。またひとつのオーナーが複数のチームを持つことについて疑問を呈した。
クリスチャン・ホーナーは昨年7月にレッドブルのチーム代表を解任されたが、それ以降もいずれかのチームに関わる形でF1に復帰するのではないかという噂が根強い。FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長も、ホーナーのF1復帰を歓迎する姿勢を見せる。
ホーナーはレッドブルがF1参戦を開始した2005年から同チームの代表を務めてきた。しかし2025年の7月に解任され、以降はローレン・メキーズがレッドブルのチーム代表を務めている。
しかしホーナーはF1パドックにこそ姿を見せていないが、いずれかのチームに加入するのではないかという噂が囁かれている。
その候補と言われているチームのひとつがアルピーヌ。現在同チームの株式24%を保有するオトロ・キャピタルは、保有株式を売却することを検討しているとされており、それを取得しようとしている投資家集団の中のひとりがホーナーなのである。ただ今のところこの交渉は合意に至っていない。
ただベン・スレイエムFIA会長は、この状況は長くは続かないだろうと考えている。
「クリスチャン・ホーナーという名前をモータースポーツ、そしてF1から消し去ることができる人は誰かいるだろうか?」
ベン・スレイエム会長はロイター通信にそう語った。
「それは不可能だ。彼は常に成功を収めてきたが、ご存じのとおり成功は敵を生み出すんだ」
「彼がこのスポーツにいないのは寂しい。彼とは連絡を取り合っているし、彼はチームやF1にとっても素晴らしい存在だった。彼は復帰を望んでいるから、戻ってくると確信している」
1オーナーが複数チームを持つのは好ましくない?
Ben Sulayem is geen voorstander van eigenaren met meer dan F1-teams, zoals nu bij Red Bull het geval is.
Foto door: Clive Mason / Getty Images
アルピーヌの株式取得について関心を示しているのは、ホーナーだけではない。メルセデスも、同チームに出資することに関心を示しているとされる。これが実現すれば、メルセデスは自社のワークスチームに加え、もうひとつのチームの運営にも関与することになるわけだ。
これはF1では珍しいことではない。過去から現在に至るまで、ひとり(もしくはひとつの会社)が複数のチームに関与するという事例は、度々生じてきた。現在アルピーヌの実質的なチーム代表を務めるフラビオ・ブリアトーレは、1990年代にベネトンを率いながら、リジェを買収。リジェが使っていたルノーエンジンをベネトンに載せ替えることに成功し、戦闘力向上に繋げた。
最近ではレッドブルの事例が有名である。レッドブルは前述のとおり2005年からF1参戦を開始したものの、その年にミナルディを買収し、2006年からジュニアチーム”トロロッソ”として参戦をスタートさせた。レッドブルは育成ドライバーをF1デビューさせるためにトロロッソを活用し、そこで好成績を残したドライバーをレッドブルに”昇格”させるという手法を採った。トロロッソはその後アルファタウリ、RBと名を変え、今もレーシングブルズとしてF1に参戦し、同様の役割を果たしている。
ただ問題点も指摘されている。ジュニアチームはドライバーだけではなく、エンジニアを育てるために使われることにもなる。通常エンジニアがチームを移籍する際には、機密情報の漏洩を避けるなどの理由で、比較的長期にわたるガーデニング休暇が設けられることが多い。しかしレーシングブルズからレッドブルに移籍する場合にはガーデニング休暇は必要なく、例えば日曜日までレーシングブルズで働き、その翌日の月曜日からレッドブルで働くということも可能だ。
そのためマクラーレン・レーシングのザク・ブラウンCEOを元、複数のチームオーナーが、複数のチームを所有できる状況に反対している。これには、ベン・スレイエム会長も賛同している。
「他人に所有権を奪われたくない、あるいはレギュレーション変更に関する投票権を拡大したいといった理由でのチーム取得ではない限り、問題はないかもしれない」
そうベン・スレイエム会長は言う。
「しかしそれでもなお、複数のチームを所有するということは、適切なことではないと思う。私の個人的な意見であるが、問題は複雑だ。我々もそれについては検討を進めているところだ」
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