レッドブル、FIAに燃料流量計の使用明確化を要求。フェラーリ“攻撃”への布石?
FIAは、パワーアップのためのアイデアについて、レッドブルからの明確化を求める要求に応じた。これによりレッドブルは、今季圧倒的なパワーを誇るフェラーリが優位性を得ている可能性のある部分を、ひとつずつ潰そうとしているようだ。
写真:: Simon Galloway / Motorsport Images
レッドブルはFIAに対して、パワーアップのアイデアについて問い合わせを行った。これは今季圧倒的な直線スピードを誇るフェラーリが、どのようにそのアドバンテージを得ているのか……その推測が多々なされている中で行われた。
ライバルチームが何をしているのか、それに疑いがある場合には、使われていると推測されるシステムについて、合法か否かの問い合わせを行うのが常だ。そしてそれを積み重ねることで、真実を洗い出すのだ。
今回のレッドブルとのやりとりは、技術指令の形で公開されており、全てのチームがFIAの意見を認識できるようになっている。
レッドブルの問い合わせは、10月22日の日付で、チームのチーフエンジニアであるポール・モナハンから送られたものだ。その内容は「FFM(燃料流量計)の信号フィルタリング」に関するものだった。
燃料流量は、常に計測されているわけではなく、ある程度の間隔を空けて計測されるようになっている。しかしレッドブルの調査によれば、測定ポイントでは燃料流量の制限値を満たすものの、その計測ポイントの間の燃料流量を増やすことで、パフォーマンス向上に繋げられる可能性があるというのだ。
FIAのシングルシーター技術責任者のニコラス・トンバジスからの回答によれば、レッドブルから示されたシナリオは、全て合法ではないという。
トンバジスは回答で、FIAのF1テクニカルレギュレーションの、次の部分を引用した。
5.10.3「すべての車両には単一の燃料流センサーが、燃料タンクにその全体的が配置される状態で取り付けられなければならない。そのセンサーはFIAが決定する仕様通りにFIAの指定した供給業者によって製造され、FIAにより規定されているようにのみ使用することができる。さらに、パワーユニットに供給されたすべての燃料は、この公認されたセンサーを通過しなければならず、第5条10.2に記載された燃料インジェクターによってすべて燃焼室に供給されなければならない」
5.10.2「計測点通過後の流率を増加させる、あるいは燃料を貯蔵およびリサイクルする目的および/あるいは効果のある一切の装置、システム、あるいは手順も禁止される」
(JAF発行のFIA F1世界選手権技術規則から抜粋)
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、フェラーリが何をしているのかについて、疑問を持っていることを明らかにしている。一方でフェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、明確化することについては歓迎するとの意向を述べている。
レッドブルや他のチームは、フェラーリのパフォーマンスについてまだ納得しているとは言い難い。そのため、FIAに対してパワーユニットの他のエリアについて、さらなる問い合わせを行うことができる。
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