表彰式でレーシングスーツ以外の着用が禁止に。前戦でハミルトンの抗議Tシャツが物議
FIAは、F1トスカーナGPでルイス・ハミルトンがブレオナ・テイラー殺害に抗議するTシャツを着用したことを受け、ドライバーがレース後の表彰式でレーシングスーツ以外のものを着用することを禁止した。
F1第9戦トスカーナGPで優勝したルイス・ハミルトン(メルセデス)はその表彰式において、黒人女性のブレオナ・テイラーが殺害された事件に抗議するTシャツを着用した。しかしながら第10戦ロシアGPから、FIAによってそういった行為は禁止されることとなった。
現在世界的な反人種差別運動が巻き起こる中、アメリカでは黒人医療従事者のブレオナ・テイラーが捜査中の警官によって射殺されるという事件が発生。これを受けてハミルトンは「ブレオナ・テイラーを殺した警官を逮捕せよ」と書かれたTシャツをトスカーナGPのポディウムで着用し、抗議の意思を示していた。
このハミルトンの行為をきっかけにFIAは、表彰台でのセレモニーのガイドラインをどうするべきか再検討していたが、ロシアGP決勝日の朝、FIAレースディレクターのマイケル・マシによって新たな手順が示された。
それによると、レースで1〜3位に入ったドライバーはレース後インタビューと表彰台でのセレモニーの間、ドライビングスーツのままでいる必要があり、ツナギを下ろさずに首元までしっかりとスーツに覆われた状態でなければいけない。また、これにはフェイスマスクも含まれるようだ。
この指針は表彰台でのセレモニー以外にも適用される。全てのドライバーはミックスゾーンでの囲み取材や、レース後記者会見においてもチームのユニフォーム以外を着用してはならない。
またマシは、今回の表彰式に参加するVIPとドライバーの接し方についても指示を出した。今回から表彰式には5人のVIPが登壇するが、トロフィーを贈呈するのはひとりのみ。ドライバーはプレゼンターから握手を求められた場合でも、いわゆる“グータッチ”という形で敬意を表することが推奨されている。
ハミルトンはロシアGPの木曜記者会見の場で、表彰式における新たなガイドラインが発表される予定であることをFIAから知らされていると語っていた。その際彼は次のようにコメントしていた。
「今は誰にとっても学びの時期だ。多くの人々はこれまで、人生や社会における“当たり前”に納得してきた。でも今では、世界中の若い世代を中心に、物事は平等ではなく変化が必要だという意識になってきている」
「だからこそ、ムジェロのような出来事が起こったことで、それがなければ起こらなかったような会話が生まれるんだ」
「僕は彼らと協力を続けていく。賛成か反対かは関係ない。共通点を見つけながら、どうやったら協力できるかを考えていくんだ」
「彼らが本当に理解してくれていると思うかって? それは分からない。でも将来的には、僕たち全員が理解しようとするだろう」
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