可変リヤウイング問題に進展。FIAが各F1チームにより厳格な検査を実施、“たわみ”を制限へ

一部チームが“可変リヤウイング”を使用しているのではないかとの懸念がある中、FIAはF1フランスGPを前に新たなリヤウイングの柔軟性テストを導入するようだ。

可変リヤウイング問題に進展。FIAが各F1チームにより厳格な検査を実施、“たわみ”を制限へ

 F1スペインGPの予選後にルイス・ハミルトン(メルセデス)が「レッドブルはリヤに曲がるウイングを付けていた」と発言したことで、レッドブルがいわゆる“可変リヤウイング”を採用しているのではないかとの疑惑が持ち上がった。これに関してFIAは、新たな検査を実施する構えだ。

 可変リヤウイングとは、ストレートを走行中にリヤウイングが何らかの形で後方に倒れることで、空気抵抗を減らして直線スピード向上に繋げながらも、コーナーでは元の角度に戻って通常のダウンフォースを確保する、といった形のものだ。

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 ただレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、チームが使用しているウイングのデザインはFIAから許可を得ており、FIAから定められた耐荷重テストにも合格していると主張していた。

「もちろんマシンは徹底的に検査されている。プルバック(後ろに引く)テストもあるし、他にも合格しなければならない様々な検査がある」とホーナーは語った。

「FIAはこのマシン(の合法性)に完全に納得しており、かなり厳しい検査の全てに合格している」

「彼(ハミルトン)のコメントを見て驚いたよ。しかしそれは、トト(ウルフ/メルセデス代表)も以前に私に言ったことだ。ルイスの個人的な意見だったとは思えないから、恐らく他のところから聞いたのだろう」

 しかし関係者が明らかにしたところによると、FIAは全チームに書簡を送り、一部のチームが諸々の検査に合格しながらも、ある速度を超えると動くウイングを採用しているという懸念があると伝えたようだ。

 motorsport.comが入手した書簡のコピーによると、そこには検査に準拠しているにも関わらず、マシンが動いている際には過剰なたわみを示しているデザインがあることをFIAが認識している旨が記されている。そしてそういったデザインは、空力性能に「重大な影響を与える可能性がある」と考えられている。

 これを受けてFIAは、F1の技術規則に新しい検査を導入できるような条項を制定する運びとなった。

 F1技術規則の3.9.9条には次のように記されている。

「FIAは車両の走行中に動きがあるとみられる(あるいはそのように疑われる)車体のいかなる部分に対しても、さらなる負荷/偏向試験を行なう権利を留保する」

 書簡にはFIAが導入予定の新たな検査の詳細も記載されており、それはある速度を超えると後方に動くウイングの特性に焦点が当てられている。テストでは、後方または水平方向への750Nの負荷が一定の位置にかけられた際、リヤウイングが中心に垂直な軸に対して2度以上傾いていないかどうかを確かめられる。さらに垂直方向に1000Nのダウンフォースがかかった場合にも、たわみは1度までしか許されない。

 このように検査を厳格化することにより、静止している状態での検査をクリアしながらも、コース上ではウイングが動く、というような巧妙な策を打ってくるチームに対する抑止力となることが期待されている。

 新たな検査の開始時期に関しては、リヤウイングを強化する必要があるチームに対して猶予を与えるため、6月15日となるようだ。つまり、それまでの間に行なわれるモナコGP、アゼルバイジャンGP、トルコGPでは、現在のデザインが有効となる。なお、トルコGPの開催可否は流動的であり、開催カレンダーが変更となる可能性もある。

 

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