クラッシュの衝撃で、シートベルトが伸び過ぎた? イタリアGPサインツJr.の事故を、FIAとフェラーリが調査
FIAは、フェラーリのカルロス・サインツJr.がイタリアGPのフリー走行2回目にクラッシュした際、身体がコクピット前方に動きすぎたことについて問題視。その際シートベルトがどれだけ伸びていたのか、分析する予定だ。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1イタリアGPのフリー走行2回目にアスカリシケインでスピンし、コース左側の縁石に激しくクラッシュした。この時の衝撃はかなり大きく、オンボードカメラの映像を見ると、サインツJr.の身体はハンドルに向かって大きく動いたように見えた。
ただこの時、サインツJr.の身体があまりにも大きく前方に動いたように見えたため、オブザーバーから警告がなされることになった。
フェラーリは現在、事故の影響と全体像を把握するために、FIAの高速コックピットカメラの映像や、その他のテレメトリーデータを使用して、事故について調査を行なっている。
今回の事故の際、サインツJr.のヘルメットがハンドルに接触したかどうかはまだ分かっていない。しかし、フェラーリとFIAが行なう分析で、それも明らかになるはずだ。
サインツJr.の身体が動いた原因は、シートベルトが伸びたことだと考えられている。しかしFIAは、シートベルトで完全に固定するよりも、ある程度伸びた方が人体には安全であり、身体が多少動くのは正常であると述べている。
FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシも、次のように説明する。
「シートベルトは、ある程度伸びるように作られていると思う」
そうマシは語る。
「そこには人体があるわけだから、多少の余裕は必要だ。だから完全に固定することはできない」
「だから我々は、他の重大な事件やその他の事故と同じように、ベルトがどれだけ伸びたのかを見て、そこから何を学ぶことができるのかを見ていく。そこから改善することができるだろうか? それも見て見ることにしよう」
今回のサインツJr.の件は、ベルトが伸び過ぎているのではないか? そう尋ねられたマシは、次のように語る。
「おそらくね。今回のことから、学ばなければいけない」
中にはベルトではなく、HANSがクラッシュで緩んだのではないかと示唆する声もあった。しかしそのような事実はなく、HANSのストラップは、サインツJr.がマシンを降りた後も、所定の位置にあることが確認できる写真もある。
「そんなことはなかったよ」
HANSのストラップが切れたのではないかと尋ねられたサインツJr.はそう語った。
「衝撃が大き過ぎて頭が大きく前に振られ、ベルトがそれに引っ張られた。でも、HANSには問題はなかった」
FIAは、F1のレースごとに発生した事故を調査するのは、安全面を向上させていく上で必要不可欠なプロセスだと考えている。
「私は全ての安全機構の安全性がこれまでになく向上していることに自信を与えられた」
そうマシは語る。
「今回のFP2のカルロスの事故を見てほしい。あまり大事には見えなかったかもしれないが、かなり深刻な衝撃だった」
「ハロであれ、その他の安全のための装備であれ、マシンのデザインであれ、全体として安全性を向上させるという面では、絶え間なく進化しているのだ」
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