FIA、F1日本GPでの混乱受けポイント減算システムの見直しへ。「レース再開できない場合」という条件を削除か
FIAは、レース距離が75%に満たなかったものの一時中断によりフルポイントが付与されたF1日本GPでの混乱を受け、レース距離に応じたポイント減算に関するレギュレーションを見直すと発表した。
FIAは、レース距離に応じたポイント減算システムの見直しを行なうと発表した。
事の発端は鈴鹿サーキットで開催された前戦F1日本GP。日曜日に行なわれた決勝レースは、激しい降雨の影響により赤旗中断が続き、レース再開後も3時間という最大延長時間が適用され、予定されていた53周のうち28周しか完了できなかった。
ただフルディスタンスの50%をわずかに超えただけの周回数に留まったものの、レギュレーションの文言上、レース距離に応じたポイント減算は”再開できなかった”レースにのみ適用されるため、今季の日本GPではフルポイントが入賞ドライバーに付与。その結果、レース勝者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がチームメイトの援護もあり、2度目のドライバーズタイトルを鈴鹿で掴むこととなった。
ただ当初はレッドブルもフルポイントを手にできるとは考えていなかったため、フェルスタッペンもパルクフェルメでのインタビューの際に伝えられるまで、自身が2連覇したことを知らないという状況だった。その後もフェルスタッペンはチャンピオン獲得を信じておらず、表彰台の控室でも疑心暗鬼の状況だった。これにはレッドブルのみならず、他のF1チームやメディア、そしてファンは混乱を極めた。
そうした出来事を受け、FIAはレギュレーションの見直しを行なうと発表した。
FIAは声明の中で次のように述べている。
「日本GPでは、レース最大延長時間とポイント配分に関するF1競技規則第6.5条が正しく適用された」
「しかし次回の競技規則見直しの際に、より明確化すべくレギュレーションの文言が見直される予定だ」
The Safety Car Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, Charles Leclerc, Ferrari F1-75, the rest of the field for the restart
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
混乱の一因となったのは、豪雨によりセーフティカー先導で2周を走っただけにも関わらずハーフポイントが付与された昨年のベルギーGPを受け、レース距離に応じてポイントを付与するという、新しいポイントシステムが導入されたことだ。この新システムは上記の通り再開できなかったレースにのみ適用されると記載されており、今回の日本GPは適用対象外。しかも以前は存在していたレース距離の75%を走破できなかった場合にハーフポイントになるという条項も削除されていたため、今回はフルポイント適応レースとなったわけだ。
F1競技規則第6.5条には「決勝レースが本規則第57条により中断され、再スタートができなかった場合、以下の基準により各選手権タイトルのポイントを付与する」とあり、レース距離25%未満の完走となった場合にはレース勝者に6ポイント、25〜50%の場合は13ポイント、50〜75%では19ポイント、75%以上であればフルポイントになるとされている。
ただベルギーGPでの一件から改訂に至った経緯には、極端に短いレースで多くのポイントが与えられるのはいかがなものか、という関係者に共有された考えがあったからこそ。今回の短くなった日本GPでのフルポイント付与も意図していなかった結果だとパドックでは受け止められており、レギュレーション調整では「レースが再開できない場合に適用される」という文言が削除されることとなりそうだ。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、チェッカー後にフルポイントが与えられることが分かった今回の出来事を受けて「間違い」だったと語り、マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表もレギュレーションが「意図するところではない」と述べていた。
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