レッドブルF1予算上限違反への対処は上手くいった? FIA会長は将来の”隠蔽”抑止に期待
FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長はレッドブルF1の2021年予算上限違反に対する対処が、将来的な隠蔽を踏みとどまらせるよう機能することを望んでいる。
写真:: A.S.O.
2021年シーズンからF1は予算制限を導入したが、レッドブルが2021年の予算を超過していたことが認定され、FIAとチームはその対処に追われた。この件を巡って様々な意見が表明されたが、FIA会長は将来的にチームの隠蔽を抑止してくれることを期待している。
F1チームの予算上限レギュレーションの遵守を巡っては、監査結果が2022年の10月に発表された。そしてレッドブルに軽微な違反が認められたとFIAは明らかにした。
チャンピオンチームの予算上限違反ということで大きく注目されたこの一件は、最終的に700万ドルの罰金と空力開発時間の10%削減というペナルティが科されることで終結を見た。
一部からはペナルティへの不満も聞こえたが、FIAのレッドブルの予算上限違反に対する処理は、F1の予算上限レギュレーションの成功のテストケースとみなされ、多くのチームは良い妥協点だったと考えている。
最近、F1の予算上限についてFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長が語ったところ、彼はFIAが事件の対処で非常にオープンな姿勢だったことから、チーム側もこのルールをしっかりとリスペクトしていくことになるだろうという考えを示した。
ダカールラリーを訪問中、取材に答えたベン・スレイエム会長は、予算上限の仕組みが他シリーズで見られるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)のような調整よりも、競争条件を整えるための遥かに簡単な方法だと語った。
「テクノロジーやパフォーマンスバランスの平滑化を図るのは、簡単な仕事ではない」
「私にひとつ言えるのは、予算上限が機能していて、取り締まるべきモノも予算上限だということだ」
Red Bull was handed a $7 million fine and a 10 percent reduction in aerodynamic testing after having overspent by $1.8 million in 2021.
Photo by: Red Bull Content Pool
「レッドブルとアストンマーチンで何が起こったのか、それは明確だった。我々は何も隠蔽されていないことを確実にし、透明性をしっかりと保っていた」
「チームの調査、チェックを行ない、プロセスを通してそれを全体に公開した。誰も予算上限を破ったり、それを隠蔽したりしないことを願っている」
「チームは今、FIAが統治機関として存在していることを非常に明確に受け入れている。彼らは我々のことを見ているし、それは我々の責任でもある」
ベン・スレイエム会長は予算上限が新時代のF1に必要不可欠なものであり、小規模チームが競争力をより高める助けとなることを期待していると語った。
「予算上限については上手くいく必要があるんだ」
「そうだ。大きなギャップが存在している。他チームがビッグチームのレベルに追いつけるよう、我々はさらにプッシュする必要がある」
なおFIA会長は現在積極的な投資を行なっているアストンマーチンについて、今後勝つチャンスがあるとも考えている。
彼はアストンマーチンが今後2~3年以内に勝てると思うかと聞かれると、次のように答えた。
「そうなるはずだ。投資の進め方、そしてフェルナンド(アロンソ)のように賢いドライバーを獲得していることから、私はそう考えている」
「パフォーマンスがまず重要だ。勝つことは非常に難しいがね。フェラーリについてあなた方も話せるだろう。彼らは勝つことができなかったが、それは遅かったからだろうか? そうではなく、信頼性やマネジメント、様々な要素が混ざり合っているだろう」
「アストンマーチンは資金不足にはならないと思う。やり方については違ったことが必要かもしれないがね。(オーナーのローレンス)ストロールが今変えようとしているように、別のドライバーを獲得すること、チームに新しい規律をもたらすこと、新たな人材なども非常に重要だろう」
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