

メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウルフは、最近のレースでアップデートを投入しなかったことが、フェラーリに対して遅れを取り始めた一因だと認める。
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフ曰く、チームはすでに来季用マシンの開発に注力しているため、2019年用マシンの開発スピードが緩んだという。その結果、ここ数戦フェラーリに対して遅れを取る状況に陥ってしまったようだ。
ただメルセデスは、日本GPには新パーツを投入する予定となっている。
ここ最近のフェラーリの好成績は、フェラーリが進歩を果たしたことによるものなのか、それともメルセデスが後退したからなのか? それについて尋ねられたウルフ代表は、次のように語った。
「真実は、そのふたつの間のどこかにあると思う」
「彼らは直線でのパフォーマンスについて、大きなステップを踏み続けているように思う。そしてシンガポールでは良いクルマを、ソチではとても良いクルマを持っていたんだ」
「それと同時に、我々は長いことアップデートを行っていない。そして、適切にいろんなことをマネジメントできていないんだ」
「我々は戦略の面でも少し不運だった。直近のいくつかのレースでは、本来ならば勝つことができたのに、それができなかったんだ。そしてソチでは、これまでの不運が幸運に変わったんだ」
メルセデスが最近アップデートを行わなかったのは、戦略的な理由だったとウルフ代表は語る。
「それは計画通りのことだ。正しい形でリソースを管理しなければいけない。来年のことにも目を向けなければいけないのだ。それは、我々がとても慎重に検討していることだ」
「鈴鹿にはちょっとしたモノを投入するが、これはただ、可能性を模索することに興味があったというだけのものだ。夏休みに入るまでの間、我々は非常に攻めていた。その時のような大きなステップではない」
鈴鹿に投入するパーツは、2020年マシンの開発にリンクするものなのか? それについてウルフは次のように語った。
「レギュレーションは変わらない。だから、すべて同じ考え方の一部なんだ」
今年のメルセデスは、フェラーリよりも空気抵抗が大きいクルマになっていると言われる。ただ彼らは、その特性を変えることは目指していないようだ。
「それは我々が気にしているものだ。ただ、空気抵抗が大きいクルマとそうでないクルマとの差は、0.2秒程度のものだ。それを視野に入れておく必要がある。それぞれが極端な例だとしてもね」
「これは、マシンに多くの開発を施すことで、引き出せるものだ。だから、それほど大きな効果があるものではないんだ。影響はあるが、効果というほどのものではない」
ウルフは、フェラーリがシーズン前半に取りこぼさなければ、メルセデスはより多くのプレッシャーを受けることになっただろうと語る。
「チャンピオンシップは、年間を通じてポイントを獲得する能力をマネジメントしなければいけない。しばらく前には、最後まで全力で戦うことを決めた。でも次の年には妥協を強いられることになった。そういうことはしたくなかったんだ」
「彼ら(フェラーリ)は、シーズン序盤に数回にわたってミスを犯した。しかし今では、パフォーマンスをまとめることができるようになっている。4レース連続で、彼らが強い部分を見せつけられた。ラップタイムは単なる参考なんだ」
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | メルセデス 発売中 |
執筆者 | Adam Cooper |