フォースインディア「問題の根本的解決はまだ先」と示唆
フォースインディアは、バルセロナに持ち込むアップグレードで、今季抱えているすべての問題を解決することにはならないと考えている。














フォースインディアのチーム副代表であるボブ・ファーンリーは、スペインGPに持ち込まれるアップグレードが、2018年のマシンが抱える問題点の根本的な解決になることはないと考えている。
2年連続でコンストラクターズランキング4位になったフォースインディア。しかし今季は厳しいシーズン序盤戦を過ごすことを強いられている。
しかし前戦アゼルバイジャンGPでは、セルジオ・ペレスが持ち前の勝負強さを発揮して乱戦を生き残り、3位表彰台を獲得した。バクー市街地のユニークかつ高速性能が重視されるレイアウトも、この好結果を後押ししただろう。
今季のフォースインディアが苦労している最大の要因は、風洞実験のデータと実車の間の相関関係がうまく取れていないということにある。ファーンリーは、これを解決できたことを、チームが証明しなければならないと語る。特にチームは、サイドポッド周辺のデザインに、その問題の幾つかが隠されていると疑っている。
「地に足がついていると感じている。我々はまだ、少し踏み出しただけだ」
そうファーンリーはmotorsport.comに対して語った。
「ただ、我々は目指す場所にまだいない」
「メルボルンで見つかった全ての相関関係に関する問題を、解決できたわけじゃない。しかし、現在も進行中だ」
「我々はおそらく、バーレーンと上海でもポイントを獲得できたはずだと思うが、1周目のアクシデントでそれが失われたのは明らかだ。しかし、バクーではそれらの不運を補う素晴らしいボーナスを手にした」
「バルセロナには、幾つかの問題を抱えたまま望むことになるだろう。平穏なレースとはならないはずだ」
チーフ・オペレーティング・オフィサーのオットマー・サフナウアーは、マシンのアップグレードには時間がかかることを認めた。
「バルセロナに持ち込まれるもので、どのくらい問題を解決できるのかは、私には分からない」
そうサフナウアーはmotorsport.comに対して語った。
「なぜなら、問題を発見してからその対策が施されるまでには、時間差があるからだ。しかしその問題は、フロアとサイドポッドにあるはずだ。それで良くなるだろう」
またサフナウアーは、研究開発によって得られたデータが、常にコース上で発揮されるとは限らないと認めた。
「風洞とCFD(計算流体力学)は、今あるものよりも良くなるはずだという兆候をいつも与えてくれる。しかもかなりの量だ。しかしそれは実際とは異なる」
そうサフナウアーは語る。
「その対策パーツをマシンに搭載し、それが実際にデータと合っているかどうかを確認する。しかしそうでなければ、その理由を理解しなければならない。時にはそれが、サーキットに最適化されていないということもある。そういう時は、それらのパーツに時間をかけ、最適化していかなければならない」
「相関しないこともある。風洞が『これをすべき』と伝えてきたとしても、実際にはそうでなかったりする。その場合には、その原因が何であるか、把握しなければいけない」
「メルセデスが、残り6レースの段階で、マシンの開発を止めると言っていたことを覚えている。そして彼らは、残りのレースでマシンに何も投入しなかった」
「しかし、そのマシンはどんどん速くなっていた。なぜならそれは、彼らがしっかりと理解した、安定したプラットフォームを持っていたからだ。そして、そのプラットフォームをさらに速くするために活用することができる」
「何かをいつも変えているなら、それはうまくいかない。なぜなら、そういうことは理解していたことを混乱させることになるからだ」
しかしバクーで表彰台を獲得したペレスは、バルセロナに持ち込まれるパッケージが性能アップを果たしていることを信じている。
「バルセロナでは、非常に重要な課題がある」
そうペレスは語った。
「バルセロナは、自分たちのマシンのポジションがどこなのか、それを明らかにしてくれる。自分たちの可能性のすべてを、そこで示すことになるんだ」
「僕らがどこにいるのかを見るのは、とても興味深い。良い進歩を遂げることができていると信じている」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | スペインGP |
ロケーション | サーキット・デ・カタルニア |
チーム | フォースインディア |
執筆者 | Adam Cooper |