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アメリカのF1人気を象徴するフォードとキャデラック。火花散らすライバル関係

フォードは、キャデラックがF1で唯一かつ真のアメリカプロジェクトであるという主張に反論。レッドブルとのパートナーシップは単なる商業契約ではないと強調した。

Max Verstappen, Red Bull Racing

写真:: Glenn Dunbar / LAT Images via Getty Images

 F1の近年の成長に伴い、F1への商業的関心も大幅に高まっている。これは特にアメリカで顕著で、Netflixシリーズ「Drive to Survive」の成功や、マイアミGPとラスベガスGPの追加などがその一因となっている。

 それはファンの関心だけでなく、グリッド自体にも反映されている。ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のブランドであるキャデラックが11番目のチームとしてF1に参戦するのだ。チーム代表のグレアム・ロードンはプレシーズンテストが行なわれたバーレーンで、チームは「今後の発展に向けた優れた基盤を持っている」と語った。

 このチームは、パドックで唯一の真のアメリカのF1プロジェクトであると自らを表現しているが、こうした主張を受け入れられないライバルもいる。

 例えばフォードは、これまでF1に挑戦してきた歴史を強調している。1967年以来、様々な立場でF1に参戦し、エンジンサプライヤーとして176回のグランプリ優勝を収めてきた。その多くはフォード・コスワース名義だった。またまた、スチュワートとジャガーを通して自社チームも所有してきた。この2チームはフォード・モーター・カンパニーが所有・資金提供しているにもかかわらず、公式にはイギリスのライセンスで参戦していた。

 一方のキャデラックはアメリカのライセンスでF1に参戦しているが、これはオール・アメリカン・レーサーズ(イーグル)、シャドウ、ペンスキー、ハースなどが採用してきたルートだ。

 キャデラックF1チームのCEO、ダン・タウリスはシーズン開幕を前に、フォードとGMのプロジェクトは比較にならないと述べた。キャデラックのプロジェクトにはより大きな「国家の誇りの要素」があると彼は述べたが、フォードは現在この主張を強く否定している。

 フォードはキャデラックのアメリカ的アイデンティティが、シルバーストンのファクトリーやアメリカ人ドライバーがいないことによって薄められていると指摘する。

「車両はシルバーストンで製造され、チーム代表は英国人、ドライバーはメキシコ人とフィンランド人だ。それはフィッシュアンドチップスやカルボナーラと同じくらいアメリカンだ」と、パドックにいる関係者は反論した。

マーケティング以上の取り組み

 さらにキャデラックの発言は、フォードのF1へのコミットメントの度合いを反映していないと、フォード・レーシングのディレクターであるマーク・ラッシュブルックは語った。

「フォードレーシングはアメリカのレーシングチームとして125年のモータースポーツの歴史を有している。我々は他の米国自動車メーカーよりも多くのシリーズ、より多様な路面でレースを戦っている」

「F1においても、アメリカで最も成功したエンジンメーカーとして、またかつて自社F1チームを所有した実績を持つ由緒ある歴史を有している。ハースと共に、アメリカと我々のファン、ディーラー、サプライヤー、従業員を代表することを誇りに思う」

 ハースが言及されている一方でキャデラックが除外されている点は注目に値する。これは一部、キャデラックがフォードとレッドブルの提携を「マーケティング活動」と表現し、RB22へのステッカー貼りに過ぎないと示唆していることに起因している。

 フォードはバーレーンでライバルを驚かせたエンジンプロジェクトの功績はレッドブルに帰属するべきだと強調する一方、ラッシュブルックはフォードが表向き以上に裏で大きな貢献していると語る。

「当初の焦点は主に電動化技術に置かれ、合意もその方向で進められた。予想外だったのは、当初優先事項ではなかった内燃機関への取り組みだ。プログラムの進行中に状況は変化し、特に市販車の開発サイクル計画が変更されたことが影響した」

「当社の先進製造施設と3Dプリンターで製造可能な部品の数に関しては、もはや電気系統だけにとどまらない。現在(フォード本社がある)ディアボーンで実際に製造されている部品の多くは、パワーユニットの燃焼エンジン側に属している」

米国大手企業間の「健全な競争」はF1ファンにとって有益

 フォードのビル・フォード会長は、『The Athletic』誌の取材に対し、キャデラックの主張に反論していた。

「レッドブルとの提携がマーケティング戦略だという主張は、真実から程遠い」と彼は述べた。

「むしろ逆だと言える。彼らはフェラーリのエンジンを使っている。キャデラックのエンジンではない。レースチームにGM社員がいるかも知らない。マーケティング戦略に見えるものがあるとすれば、むしろそちらだ」

 キャデラックのグレアム・ロードン代表は両メーカー間のこのライバル関係はF1とファンにとって有益だと述べた。

「GMとフォードの間には長年健全なライバル関係が続いている」とロードンはコメントした。

「その題材でハリウッド映画まで製作された。つまり現実の確かな存在なのだ」

「この対立は今後も続くだろう。F1では何度も証明されているが、ファンは過度にならない限りライバル関係を好むものだ。したがって、これはF1に新たな興味のレイヤーを加えるものだと考えている」

 フォードとGMは、NASCARからル・マン24時間レースに至るまで、数多くのシリーズで競い合ってきた。しかし、2026年はアメリカの自動車大手がF1で直接対決する初めてのシーズンとなる。

 フォードとレッドブルが作り上げたパワーユニットはこれまでのところ快調に走行。キャデラックも順当にラップを重ねている。

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