F1、各チームの予算制限に1億円以上の上限”ボーナス”が発生? 日本GPの開催中止とレース数の減少が影響

2021年シーズンのF1チームの予算限度額は、カレンダー調整で引き上げられている。日本GPの開催中止と代替イベントがなくなったことにより、各チームの予算に約1億3000万円の”ボーナス”が発生した。

F1、各チームの予算制限に1億円以上の上限”ボーナス”が発生? 日本GPの開催中止とレース数の減少が影響

 F1は新型コロナウイルスのパンデミックが続いている影響で、下半期のスケジュールを柔軟に変更しなければならない状況が続いている。そんな中で、中止となった日本GPの代替イベントが開催されないことになったため、各チームの予算に120万ドル(約1億3000万円)のボーナスが発生したようだ。

 今季は中国GPやカナダGP、シンガポールGP、オーストラリアGPといったイベントが渡航制限などの影響で開催が断念され、代替イベントが設定されてきた。第2戦としてイモラでエミリア・ロマーニャGPが開催。オーストリアでシュタイアーマルクGPが行なわれた。トルコGPが一旦中止された後に復活し、11月にはカタールかバーレーンでレースが行なわれることになっている。

 10月の日本GPも、期限までにF1関係者の入国に関する回答が所管官庁から得られず、開催を断念。ただF1は代替レースを設定せず、今季のレース数を23戦から22戦に削減することを決定した。

 F1の財政規則にある条項により、このようなカレンダーの変更は各チームの予算制限額に影響が及ぶことになる。開催されないイベントがあっても、チームはそのレース分の追加予算枠を得ることができるのだ。

 今季からF1に導入された予算制限は、マーケティング費用やドライバーの賃金、パワーユニット開発費用、渡航費用などを除いて1億4500万ドル(約159億8000万円)に支出が制限される。ただこの金額は1シーズンに21レースが行なわれる場合であり、F1の財政規則の第2.3条には、イベントが1つ増えるごとにチームに120万ドルの追加予算が与えられると規定されている。

 つまり当初23戦が予定されていた今年は、1億4740万ドルが上限となっていた。しかし、レースのキャンセルに関するルールのおかげで、開催レース数が減って支出が減っても、上限額は変わらないケースがあるのだ。

 同規則には、次のような条文がある。

『2021年12月31日に終了する当該期間のいずれかの競技会が、そのイベントの開始予定日(または該当する場合には延期された日)の3ヵ月前以降にキャンセルされた場合、その競技会は該当する期間に開催されたものとみなす』

 10月に予定されていた日本GPは8月に開催断念が決まっており、この条文に当てはまる。そのため、チームは日本GPが開催されなくても、その分の追加予算を得ることができるのだ。

 中国GPとカナダGPのキャンセルに加えて、イモラGPやトルコGP、シュタイアーマルクGP、そしてカタールでの開催が追加されたことで、予算上限は着実に増加し、22グランプリで1億4980万ドル(約165億円)に達する可能性がある。

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Photo by: Sutton Images

 当初の予算額との差額は、大半のチームにとってはさほど影響はないかもしれないが、レッドブルやフェラーリ、メルセデスといったビッグチームは予算上限ギリギリでチームを運営しているため、少しでも余裕ができるのであれば歓迎だろう。

 これらのチームは、特に他のドライバーが引き起こしたクラッシュによる損害を、何らかの形で予算から免除することを求めていた。レッドブルは、イギリスGPで大クラッシュしたマックス・フェルスタッペン車の損害が180万ドル(約2億円)にも及ぶと明らかにしている。またフェラーリは、シーズン前半の損害額が300万ドル(約3億3000万円)だったと報告している。

 マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは、ライバルたちのこうした声が、シーズン後半の予算追加によって静まるだろうと語った。

「忘れてはならないのは、特に今年は予算の上限が決まっているが、ある時点までにレースがキャンセルされるたびに予算の上限が実際に解除されるという仕組みがあることだ。それが、いくつかのコメントが非常に馬鹿げていると思う理由だ」

「実際には、(レースの中止によって)余分なコストが発生することもあるが、それほど多くはない。だから、そこから得られる利益と、それによるコスト上限の増加は、すでに大きなものだ。それは、今年これまでに起きたどのようなクラッシュよりも大きいんだ」

 
 

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