F1予選スプリントレースの実施が決定! ドメニカリCEO「ドライバーも楽しんでくれるはず」

F1とF1チームは、今季中にスプリント形式の予選レースを試すことを満場一致で決定。まずはイギリスGPで、この案が実施されることになるようだ。

Daniel Ricciardo, McLaren MCL35M, Lando Norris, McLaren MCL35M, Lance Stroll, Aston Martin AMR21, Valtteri Bottas, Mercedes W12, George Russell, Williams FW43B, Carlos Sainz Jr., Ferrari SF21, and the remainder of the field at the start

Daniel Ricciardo, McLaren MCL35M, Lando Norris, McLaren MCL35M, Lance Stroll, Aston Martin AMR21, Valtteri Bottas, Mercedes W12, George Russell, Williams FW43B, Carlos Sainz Jr., Ferrari SF21, and the remainder of the field at the start

Jerry Andre / Motorsport Images

 月曜日に行なわれたF1委員会で、以前より検討が進められていた予選スプリントレースの実施が決定。motorsport.comの取材によれば、今季のイギリスGPで初めて実施されることになりそうだ。

 F1のCEOであるステファノ・ドメニカリはこの決定を歓迎。ファンに、さらなるエンターテインメントを提供できると語った。

「2021年のF1の週末に、ファンにさらに魅力的なレースを提供できる新たな機会を生み出すことになり、ワクワクしている。ドライバーが3日間にわたって戦いを繰り広げるのを見られるのは、素晴らしい経験になるだろう」

 そうドメニカリCEOは語った。

「ドライバーたちも、この戦いを楽しんでくれると確信している。全てのチームが、この計画について支持してくれたことを嬉しく思う。今回の決定は、このスポーツの遺産、そして実力主義であり続けるということを保証し続けながら、新たな形でファンを惹きつけるという、我々が団結して行なった努力の証だ」

 今のところF1は、予選スプリントレースをどこで行なうかということについては明らかにしておらず、ヨーロッパで2戦、フライアウェイ戦で1戦としているのみだ。

 ただmotorsport.comの取材によれば、ヨーロッパ内での予選スプリントレースは、イギリスGPとイタリアGPで行なわれる方向で調整が進められているようだ。またヨーロッパ以外での実施GPは、これまではブラジルGPになるものと見られていたが、今後改めて決定されることになる。

 FIAのジャン・トッド会長も、予選スプリントレースの実施について、F1全体が連携する時に発揮する力の証であると語る。

「全ての利害関係者がこのように協力することで、これまで以上にF1が強固になったことを示している。そしてこのスポーツの競技面、技術面、財政面が公正であることを保証するために、多くのことが行なわれている」

 なおこの予選スプリントレースでは、日曜日の決勝レースのスターティンググリッドを決定するだけでなく、上位3人にポイントが付与されることになるという。トップでフィニッシュしたドライバーには3ポイント、以下2位に2ポイント、3位に1ポイントという形になるようだ。

 この予選スプリントレースが実施されるイベントの週末のスケジュールは、以下の通りになる。

■金曜日
午前:チームが自由に選択することができる2セットのタイヤを使った、1時間のフリー走行1回目
午後:通常の形式の予選フォーマット。ただ、5セットのソフトタイヤを使用できる。

■土曜日
午前:チームが自由に選択することができる1セットのタイヤを使った、2時間のフリー走行2回目
午後:100kmの予選スプリントレース。チームが自由に選択できる、2セットのタイヤを使うことができる

■日曜日
午後:残り2セットのタイヤを使う、フルディスタンス(305km)の決勝レース

 なおウエットコンディションだった場合には、下記のような形が適用される。

・イベント開始時にはウエットタイヤ3セットとインターミディエイトタイヤ4セットが、各ドライバーに提供される

・金曜日のFP1または予選がウエットコンディションだった場合、チームは追加のインターミディエイトタイヤを受け取ることができる。しかし予選スプリントレースを前に、使用済みのインターミディエイトを返却する必要がある

・予選スプリントレースがウエットだった場合、使用済みのウエットタイヤ、もしくはインターミディエイトタイヤを1セット返却。これが、新品のタイヤに置き換えられることになる。

・これらの結果、インターミディエイトタイヤとウエットタイヤを、最大9セット使うことになる可能性がある。

 また、パルクフェルメに関する規定も変更されることになる。通常では土曜日午後の予選が始まると、マシンに変更を加えることができないいわゆる”パルクフェルメ”状態となる。

 しかしこの予選スプリントレースが施行されるレースでは、予選レースが始まった後でマシンは完全なパルクフェルメ状態となる。しかし金曜日の予選からスプリントレースまでの間は、いくつかの限定的な変更のみ許可されることになるようだ。

 これはいくつかのコンポーネントを交換することができるという形になりそうで、マシンの重量配分が変更できる場合があるという。

 金曜日の予選と、土曜日の予選スプリントレースの間の気温差が10度以上ある場合は、パワーユニットとギヤボックスの冷却についてもコンディションに合わせて調整できるようになる。

 なおこの予選スプリントレースの実施については、最終的な決定を前に、世界モータースポーツ評議会による承認が必要となる。

 

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