スーパーフォーミュラ
アイルトン・セナのZ世代知名度は? 国内ではどんなレースがある? 日系人フラガに聞く、ブラジルの最新モータースポーツ事情
日系人ドライバーのイゴール・オオムラ・フラガは、日本とブラジルで共に長く生活した経験がある。そんな彼に、現代ブラジルのモータースポーツ事情について聞いた。
戎井健一郎
公開日時: 2025/06/04 10:09
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写真:: Andy Hone / Motorsport Images
今季PONOS NAKAJIMA RACINGから日本のスーパーフォーミュラに参戦しているイゴール・オオムラ・フラガ。その流暢な日本語から忘れてしまいそうになるが、彼は今季4人いる外国籍ドライバーのひとりで、日系ブラジル人3世だ。
ブラジル大使館を訪問したフラガ
写真: Motorsport.com Japan
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フラガは1998年に日本で生まれ、小学6年生まで石川県で過ごした。日本語を操れるのもそのためだ。その後両親と共にブラジルへと渡り、レース活動の拠点を日本に移すにあたって2022年に再来日した。先日は駐日ブラジル大使館も訪問し、大使やスタッフと交流を深めた。
フラガにとって、ブラジルと日本での生活経験はちょうど半々といったところ。ブラジルでは国の南東部に位置するサンパウロからやや北東に進んだところにある工業都市、イパチンガに住んでいた。「製鉄所が多いことで有名で、日本の製鉄会社の方も多くいましたね」と彼は説明する。
そんなフラガに、現在のブラジルにおいてモータースポーツはどういった立ち位置にあるのか尋ねた。すると彼は「最近はまた少し人気になってきているんじゃないかという気がします」と答えた。
ブラジルのモータースポーツと言えば、アイルトン・セナ抜きにして語ることはできないだろう。3度のF1ワールドチャンピオンに輝いたセナは熱狂的な人気を誇り、1994年に事故死した際には国葬が執り行なわれたほどだ。フラガも例に漏れずセナが好きだったといい、ヘルメットのデザインもイエローとグリーンをベースにするなどセナのエッセンスが取り入れられている。
マクラーレン・ホンダとのタッグにより、日本でも人気・知名度が高かったセナ。ただそれも30年以上前の話であり、アイルトン・セナという名前の一般知名度は世代間でもかなり分かれるだろう。フラガ曰く、これはブラジルでも同じ傾向にあるという。
昨年のサンパウロGPでは、ルイス・ハミルトンがマクラーレン・ホンダに乗りセナを追悼した。右はセナの姉ヴィヴィアーニ
写真: Steven Tee / Motorsport Images
「レースをしている人であれば、アイルトン・セナが誰だったのかは当然分かっていると思いますが、一般の若い世代になるとどんどん分からない人が増えてきている印象です」
「ある程度の年齢の方であれば、もちろんアイルトン・セナのことはよく知っています。ただ新しい世代の子たちは『有名だった人』くらいの認識になっているんじゃないかなと思います」
そんな中でも、最近はブラジルでもNetflixのドキュメンタリーをきっかけとしたF1人気の拡大が起きているのだという。「僕の身近にも、最近F1を見るようになったという人が何人かいましたね」とフラガは言う。
またブラジル国内の競技環境という面でも、ここ数年で改善されつつあるようだ。
2019年にフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権でランキング3位、2020年にはトヨタ・レーシング・シリーズでチャンピオンに輝き、FIA F3までステップアップするなどシングルシーターで確かな実績を残してきたフラガ。そんな彼も最初は母国ブラジルで4輪レースデビューを果たし、2015年から3シーズンは国内のF3選手権で腕を磨いた。ただ、当時のブラジルF3はかなり古いマシンで争われていたのだという。
初年度の2015年にフラガが参戦した下位クラスのマシンは、2001年型のダラーラF301。当時にして14年落ち……佐藤琢磨がイギリスF3に参戦してチャンピオンを獲得した時のモデルだ。
ブラジルF3時代のフラガ
「Hパターンのシフターで、モノショックのサスペンションでした。上のクラスの車両(ダラーラF309)はダブルショックサスペンションで、シーケンシャルシフトでしたけどね(苦笑)」
「それがブラジル国内のフォーミュラで一番上のカテゴリーみたいな位置付けでしたね。しかもその下にあるのはフォーミュラVeeのような、日本で言うFJのようなカテゴリー。カートから上がってきた人は、大袈裟に言えばFJからいきなりSFライツにステップアップするようなもので、すごくギャップがありました。この2台はインテルラゴスを走ると30秒くらい違うんです」
ただ現在はブラジルF3が消滅した代わりに、最新の車両を使ったFIA F4選手権が2022年から行なわれており、既にそこから欧州のカテゴリーにステップアップした者も出てきている。(ルーベンス・バリチェロの息子、フェルナンド・バリチェロもそのひとり)
「カートからF4にステップアップさせ、そこから優秀な選手を海外に行かせようという動きは増えてきたと思います」
「それにブラジルのストックカーレースも結構人気があって、そこではブラジルの企業なども力を入れている印象です。国内のモータースポーツをちゃんと発展させようという流れがあるのかなと感じています」
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