フェラーリの2023年F1マシン”SF-23”。前年モデルからの最大の変更点はフロントサスペンションにあり「空力とセッティングの”幅”のために」
フェラーリは2023年型F1マシンSF-23について、前年型F1-75から最も大きく変わったのはフロントサスペンションであると明かす。
フェラーリは2月14日、フィオラノ・サーキットで2023年型のF1マシン”SF-23”を発表した。このマシンはノーズが短くなってフロントウイングの取り付けが変わった点が最も目立つ変更点だが、チームによれば様々なサーキットに合わせて幅広いセッティングを可能にすべく、サスペンションに最も大きな変更が施されたという。
SF-23はフィオラノ・サーキットで行なわれたローンチ・イベントでまず画像が公開され、その後ガレージからシャルル・ルクレールのドライブで、サーキットに来場した観客の前に実車が登場した。そしてそのままサーキットを2周。その後、カルロス・サインツJr.も同マシンを走らせることになった。
このマシンについてシャシー部門の責任者であるエンリコ・カルディレは、「2023年のマシンは、昨年レースを走ったマシンを進化させたモノだ」と、チームが発表したビデオの中で語った。
「しかし実際には、全てが完全に再設計された。空力面では、ふたつの目的があった。ひとつは垂直方向のダウンフォースを増やし、新しいレギュレーションによって失われたモノを補うこと、もうひとつは我々が設定したバランス特性を達成するということだった」
「サスペンションも完全に再設計された。これには、空力担当が求めた結果を得るため、それとサーキットにおいてマシンの調整範囲を広げるという目的がある」
昨年のマシンとの違いについてより詳しく説明するよう求められたカルディレは、さらに次のように続けた。
「マシンの最も明らかな変更点は、間違いなくフロントサスペンションの領域にある。空力の要求により、トラックロッド(ステアリングロッド)が高い位置にあるレイアウトから、低い位置にあるレイアウトへと変更された」
「フロントウイングも違う。これに合わせて、ノーズの構造も変わった。フロントウイングのメインエレメントは、ノーズに接続されず浮いているんだ」
「ボディワークに関しては昨年行なったことの継続だが、より極端になった」
他のチームと同様、フェラーリもフロアの端を15mm引き上げるというレギュレーション変更に対処しなければならなかった。これについてカーディルは、次のように説明する。
「コース上でポーパシングが発生するリスクを減らすためにFIAが導入した新しいレギュレーションは、空力効果を純粋に失うことに繋がった」
「実際にはかなりの損失だった。しかし開発の面では、我々の仕事は昨年と大差なかった。新しいレギュレーションによって生じる空気の流れの形状に適合するよう、マシンの形状を合わせるだけで済んだんだ」
カルディレ曰く、レギュレーションによって予算の上限額が制限されたことで、はるかに多くのパーツを前年から引き継ぐことになったという。ただ2022年は、レギュレーションが大きく変更されたことで、ほとんど全てのパーツを再設計したという。
「予算制限がパフォーマンスに影響を与えたことについては、疑いの余地はない」
そうカーディルは説明する。
「そのため、今年のマシンを設計するにあたっては、そのことを考慮する必要があった」
「我々が行なったのは、マシンのパフォーマンスに全く影響を及ぼさないパーツを判断し、その部分には以前のモノを使い続けるということだった」
「今年のマシンに引き続き使われているパーツの数は、予算制限が存在しなかった時代に製造されたマシンの2倍になるだろう」
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