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ハミルトンのDRS技術規定違反に関するFIAからの声明全文/F1サンパウロGP

ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、F1サンパウロGPの予選終了後の車検でDRS(ドラッグ・リダクション・システム)に技術規定違反が発覚。これにより予選結果から除外された。

Lewis Hamilton, Mercedes W12

写真:: Zak Mauger / Motorsport Images

 F1サンパウロGPの予選で最速タイムを記録したルイス・ハミルトン(メルセデス)は、DRS(ドラッグ・リダクション・システム)が技術規定に違反していたとして予選結果から除外。スプリント予選レースを最後尾からスタートすることとなった。

 以下がFIAスチュワードが発表した、ハミルトンの技術規定違反に関する声明の全文である。

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FIAスチュワードからの声明

 テクニカル・デレゲートは、2021年版FIA F1技術規則第3.6.3条の最終段落の要件を満たすために行なわれた車検において、44号車(ハミルトン車)が不合格であることを報告した。この検査方法は技術司令011-19に記載されている。平たく言えば、リヤウイング上部(トップフラップ)と下部(メインプレーン)に隙間があること。DRSが作動していない場合、その隙間は10mmから15mmの間になくてはならない。マシンはこの車検には合格している。

 DRSが作動し、ウイング上部をよりフラットな位置まで上げた場合、その隙間は10mmから85mmの間でなければならない。技術司令011-19に基づき、85mmの計測器を最大荷重10N(10ニュートン)で押し当ててその隙間を測定。計測器が隙間を通過した場合は不合格となる。今回の場合、計測器はウイングの中央部分では通過せず、ウイングの端部では通過した。車検では2種類の計測器を使用し、4回に渡って繰り返し行なわれた。うち1回はスチュワードとチーム代表立ち会いの下で行なわれた。

 金曜日の予選終了後にスチュワードによる事情聴取が行なわれ、チームを代表してロン・メドウズ(メルセデスのスポーティング・ディレクター)とチーフエンジニアのサイモン・コール、FIAからはテクニカル・デレゲートのジョー・バウアー、シングルシーター・テクニカル・ディレクターのニコラス・トンバジスが出席した。スチュワードはさらなる証拠収集のために事情聴取を一時中断し、土曜日の午前10時30分から追加の事情聴取を実施。これにはチームのチーフデザイナーであるジョン・オーウェンもビデオ会議を通じて証言を行なった。なお、ジョー・バウアーはこの事情聴取には参加していなかった。

 チームは、規定を満たすように設計したことを主張。スチュワードは、(リヤウイングに)加えられたたわみがDRSのアクチュエータか支点、もしくは両方の緩みかメカニカルトラブル、パーツの不適切な組み立てによるものであると明らかにした。スチュワードは、チームとFIA側の双方から、同じデザインのものがシーズン中に何度も車検で一様に合格している旨を聞いている。また、FIAは物議を醸しているマシンエリアの設計を調べ、その設計が規則に則っていることを認めている。従って、今回の車検不合格が、意図的にアクションや設計によって最大規定値を越えようとしたことを示すものではないとスチュワードは疑いの目を向けていない。

 また、チームは技術規則第3.6.3条には最大規定値のみが記載されており、力や負荷をかけずに計測することも可能であると主張した。しかし、計測器は力を加えて初めて通過することができる。車検自体も技術司令011-19に記載されている通りに実施されたことに異論はない。計測器も測定され、スチュワードはそれが正しい寸法であることも確認している。従ってチームは、彼らのマシンは静止状態では規則に適合しており、規則違反ではないと主張している。FIAは、技術司令は規則ではないが、他の技術司令同様に、チームが規則を遵守するマシンを設計するための車検手順を記載したものであると主張している。加えて、技術司令では車検は「リヤウイングエレメントの開口部が最大規定値よりもたわまないことを確認するためのもの」とされている。スチュワードは、技術司令自体は規則ではないが、技術司令はチームが規則を遵守する方法として認められており、今回の件では実施された車検は技術司令とその正当な目的に合致しているとの見解を示した。

 チームは、ウイング中央部分で車検に合格したという事実が、規則違反の意図がなかったことを示す酌量の余地になると主張した。スチュワードはこの指摘が事実であったことを認めるが、その部分が不合格であったかはウイングが車検で不合格になった事実とは関係がないと考えている。

 チームは、これはシステム的な規則違反ではなく、突発的なものだと指摘している。むしろ何かに異常が起きたと判断している。チームは、この問題がどのように発生したかについてスチュワードに説明すべく、パーツを検査する機会を要求する意志があった。

 スチュワードも、故意ではなく何か「異常が発生した」ため車検で不合格になったというチームの説明を基本的には認めている。そのため、スチュワードはパーツの取り扱いや証拠改ざんに関する検査でパーツを変更させるのではなく、回収したパーツを封印し故障の証拠を残すことを選択した。

 そして最後にチームが指摘したのは、パルクフェルメ下の予選でもチームが発見したマシンのマイナートラブルは修正できることをFIAの技術部門が許可しているということだ。仮に予選セッション中にこの問題に気がついていれば、パーツ補修や必要に応じたボルトの締め付けは許可され、FIAの技術部門もそれを認めただろう。

 スチュワードはこの指摘に納得し、彼らに酌量を受ける自覚があるかを精査した。しばしばクラッシュによる破損が酌量されることはある。しかし、セッション後の車検で適合しないパーツが発見され、証拠としての理由が当大会での走行を考慮してのことかが明らかではない場合、スチュワードがこの議論を広げることはできない。結局、規則は明確であり、車検の適合性チェックの時点でマシンは違反していた。

 金曜日に行なわれた1回目の事情聴取終わり、ドライバーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がパルクフェルメで44号車に触れている様子を撮影したファンの動画が公開された。スチュワードは、このインシデントに関し入手可能なすべての動画を時間をかけて収集し、最終的にこのファンの動画に加えて14号車(フェルナンド・アロンソ車/アルピーヌ)、77号車(バルテリ・ボッタス車/メルセデス)、33号車(フェルスタッペン車)、44号車の車載映像、FIAのピットレーンカメラからCCTV映像を確認した。スチュワードはこの件に関して別の事情聴取を行ない、その裁定を記載している。

 

 なお、24周で行なわれたスプリント予選レースで、ハミルトンは最後尾から5番手まで順位を回復。失格によるダメージを最小限にまで抑えたものの、パワーユニット(PU)に5基目のICE(内燃エンジン)投入したこで決勝グリッドでは5グリッド降格ペナルティが科されることになっている。

 
 
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