脱退か残留か。ガスリー、レッドブル昇格の道途絶えた今は「あらゆる選択肢を検討している」
アルファタウリのピエール・ガスリーは、セルジオ・ペレスのレッドブルとの契約延長を受けて、長期的なF1キャリアについて「あらゆる選択肢」を検討していると語った。
アルファタウリのピエール・ガスリーは、長期的なF1キャリアについて「あらゆる選択肢」を検討しているという。
レッドブルのセルジオ・ペレスは、F1モナコGP優勝後に2024年末までの契約延長を発表。そのチームメイトで世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンも長期契約をチームと結んでいることから、レッドブルの2席が埋まった。
これにより、アルファタウリでレッドブルへの再昇格を狙っていたガスリーにとっては、少なくとも2025年までその扉が閉ざされたことになる。
ガスリーはアルファタウリでの契約が1年残っているものの、それ以降はオープンな状態であり、レッドブル陣営を離れることもあり得るだろう。
ドライバーズマーケットを見渡すと、ダニエル・リカルドが2シーズン目のマクラーレンで苦戦しており、現状ではチーム残留は難しいという声がある。そして、すでに2024年シーズンからランド・ノリスと共にマクラーレンを走らせるドライバーの候補として、ガスリーの名前が挙げられているのだ。
ガスリーは2016年にGP2(現FIA F2)を制し、2017年はスーパーフォーミュラで参戦初年度ながらもランキング2位を獲得。シーズン途中からトロロッソでF1デビューを果たすと、翌年はフル参戦が決定。リカルドの離脱により2019年にはレッドブルへのスピード昇格を果たすも、ピーキーなマシンに苦戦したこともありフェルスタッペンと並ぶ結果が出せず、トロロッソへ降格となった。
しかしそのシーズン後半のブラジルGPで初表彰台に立つと、アルファタウリとチームの名称が改められた2020年はイタリアGPでF1初優勝。予選・決勝レースで一貫して速さを見せていることから、パドック内での評価も高い。
ペレスの契約延長が発表されて以降初めて、ガスリーは自身のF1キャリアについて口を開いた。高い評価を得ているドライバーのひとりとして、ドライバーズマーケットで良い立ち位置にいるかとmotorsport.comがガスリーに尋ねると、彼は次のように語った。
「強い立場と呼べるかどうかは分からない。でも現時点では2023年より先は確かに何も無いから、あらゆる選択肢を検討する。それ以上のことはないよ」
「今のところは、様子見というところだね。ヘルムート(マルコ/レッドブル・モータースポーツ・アドバイザー)と話し合う必要があることはある。知っての通り、彼らは僕を引き止めたがっているし、プログラム内に留めたいと思っている。でも僕が言った通り、僕らはそれをどう機能させるかを確認する必要があるし、普通の会話は続いている」
Pierre Gasly, AlphaTauri AT03
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
またガスリーは、レッドブル昇格への扉は現時点では閉ざされたものの、チームがペレスと契約延長に至った理由は十分に理解しているという。そして重要なのは、レッドブルの首脳陣が自身の長期的なキャリアの展望をどう見ているかを把握することだと語った。
「僕としては、論理的なことだ」とペレスのレッドブルとの契約延長についてガスリーは語った。
「僕はとても客観的な人間だから、驚くようなことではないんだ。彼らがセカンドドライバーに何を求めているかという点から言うと、ペレスは全ての要件を満たしているんだ」
「彼は素晴らしいシーズンを送っている。今シーズン、彼はとても良いパフォーマンスを発揮している。彼は速いし、経済的な後ろ盾もある。良い経験をしているし、チームにも馴染んでいる。だから、僕としてはサプライズでもなんでもないんだ」
「ただその一方で、僕のキャリアや野望に影響を与えていることは確かだ。『僕ら全員にとって何が最善策なのか』『ここからどう展開していくのか』ということを、ヘルムートと話し合っている」
ガスリーは、レッドブル昇格の機会がすぐには訪れないことを知り落胆しながらも、このタイミングで決定されたことは良かったと考えている。
「良いことだと思う」とガスリーは続ける。
「何が起こっているのかを知るのは、いつだって良いことだ。11月や12月になってから、何が起きているのかが分かるのは避けたいだろう?」
「だからその面では、良いことだ」
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