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今もまだ受け入れられない……親友ユベールの死に、今も苦しむガスリー

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは、昨年スパ・フランコルシャンで行なわれたF2レース中の事故でアントワーヌ・ユベールが亡くなったことについて、いまだに受け入れることができずにいると語る。

Pierre Gasly, AlphaTauri, lays flowers in memory of Anthoine Hubert, who passed away at this spot in 2019

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 昨年のF1ベルギーGPのサポートレースとして開催されたF2のレース中、ラディオンを登り切ったところで大クラッシュが発生した。この事故で、アーデンのマシンを駆っていたアントワーヌ・ユベールが負傷し、帰らぬ人となった。

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 この事故は、現在アルファタウリのドライバーとしてF1に参戦するピエール・ガスリーにとっては、かなり衝撃的な出来事だった。ガスリーはかつて、ユベールと同じアパートに住み、勉学を共にしていた。またカート時代から、共に切磋琢磨してきた仲でもあったのだ。

 そのガスリーは今年のベルギーGP走行開始前日の木曜日、コースを下見した際にユベールが事故に遭った現場に立ち寄り、コース脇に花束を手向けた。そのガスリーはインタビューに応じ、この1日は自分にとっては厳しい日であったと明かした。

「少し心配していた。僕自身が、このことにどう反応するのか分からなかったんだ。今朝はかなり大変だったし、いつもと比べれば奇妙な感じだった。僕はそう言う必要がある」

 ガスリーはそう語った。

「スパは僕が好きなコースで、F4やフォーミュラ・ルノー2.0、GP2でも優勝をするなど、素晴らしい思い出がたくさんある」

「でも今年はまったく別の話だった。パドックに足を踏み入れるとすぐ、いろんな感情が頭を過った。受け入れたくないもの、受け入れるのが難しいことなどがね。トラックウォークの間も……それが本当に起きたことだと受け入れるのに苦労していた。残念ながらそれは真実、現実だ。それを受け入れるのは、簡単なことじゃなかった」

 ガスリーは、レーシングドライバーとしてここまで成長できたのは、ユベールとのライバル関係を通じて、切磋琢磨して来られたからだと信じている。

「彼は、子供の頃から共に過ごしてきた仲間のひとりだ。彼はライバルだったんだ」

 そうガスリーは語った。

「彼と共に成長してこなければ、僕がこれまでに成し遂げたことは、実現しなかっただろうと分かっている。コース上だろうが、コース外だろうが、僕らは切磋琢磨していたんだ」

「そのことは僕を、より良いアスリートにしてくれるのに役立ったし、良いドライバーになるのにも役立った。その競争は、僕にもっと多くのモノを発揮するよう促すことになったし、自分の中からより多くのことを引き出させるようになった」

「それは人として、そしてドライバーとして自分を成長させるための一部だった。僕にできるのは、そのことに感謝することだけだ」

 ユベールとの日々は楽しかったと振り返るガスリー。しかし昨年のベルギーGPの週末にユベールを失った悲しみを、取り除くことはできないとも語った。

「彼は友人として、よく話をするうちのひとりだった。彼とは共通の友人がたくさんいたんだ」

 そうガスリーは語った。

「コースを歩いている間、僕はそんな映像を心の中で思い描いていた。そんなことは起きていないと願っていたんだ。でも残念ながら、僕らが挑んでいるスポーツは、危険と隣り合わせだ……それを受け入れるのは難しいけどね。特別なヘルメットを用意し、花を供え、彼と一緒にいたいと思った。でもそれですら、間違ったことのように感じたんだ」

 ガスリーはさらに次のように続ける。

「昨年のブダペストでは、日曜日に夕食を共にした。そして彼のガールフレンドと、別の友人と共に、素敵な時間を過ごしたんだ。日曜日の夜にね。彼に会うのは、それが最後になった」

「レッドブルが僕をトロロッソに戻すことを決めた時、メッセージを最初に送った相手でもあった。彼がいないこと、それを受け入れるのは、僕にとってはとても難しいことだ」

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