熱対策にバージボード……バーレーンでのF1マシンアップデート
多くのF1チームが、バーレーンGPにアップデートを持ち込んだ。このアップデートは、主に冷却対策とバージボードの開発に焦点が置かれている。
Renault F1 Team technical detail
Giorgio Piola
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
2019年シーズンのF1も、第2戦バーレーンGPを迎えた。しかし早くも、多くのF1チームが早くもアップデートパーツを投入してきている。
灼熱のバーレーンに対処するためのモノが多いが、バージボードのエリアでも、多くの開発が施されている。まさに複雑怪奇である。
ルノー:リヤエンドの開口部を大型化(メイン写真)
バーレーンは例年高温になるため、パワートレインの冷却対策として、エンジンカウルに追加の開口部が設けられることが多い。
そんな中、ルノーは特に大きな変化を遂げた。それは、エンジンカウルのリヤエンドの開口部にある。開幕戦仕様のカウルは、その上端がリヤサスペンションのアッパーアームと同じ位置に揃えられていた。しかし今回は大きく持ち上がられることとなった。これにより、リヤから多くの熱を放出できるようにしているはずだ。
メルセデス:サイドポッド上部の開口部を大型化
Mercedes technical detail
Photo by: Giorgio Piola
メルセデスは、サイドポッド上部の開口部を変更してきた。ハロの取り付けポイント横の開口部を、大型化してきたのだ。
この処理は、ラジエターを通った高温となった熱を外部に放出するための策であり、この気流をサイドポッドの上面に流している。ただ、その流れを整えるために、開口部の中に取り付けられたフィンを活用している。
マクラーレン:さらに複雑化するバージボード
McLaren bargeboard
Photo by: Giorgio Piola
今季から導入された新レギュレーションでは、バージボードが大きく規制されることになった。このエリアは、直接ダウンフォースを生むことは少ないが、フロアなど他のコンポーネントが効率的に働くのを手助けするのに重要である。
多くのチームがこの部分に早くも変更を加えてきた。その中のひとつがマクラーレンだ。
マクラーレンのバージボードエリアの前端には、新たな部分が追加された。ここは櫛状のフィンの集合体となっており、マシンのサイドポッドに向け、気流を積極的に向けている。
これらは垂直に立つバーチカルフィンと対になっており、メインのバージボード前に”プレバージボード”と言えるようなモノを形成。フロントタイヤの後方で生み出される乱流からフロアを保護するため、気流を外側に向けている。
トロロッソ:シンプルながらもアグレッシブなバージボード開発
Toro Rosso bargeboard
Photo by: Giorgio Piola
トロロッソの新しいバージボードは、マクラーレンのモノほどは複雑ではない。しかしながら、アグレッシブな変更が施されている。
同チームのバージボードは3分割されており、その中央のエレメントが長くなり、最も後方のモノが短くなっている。これは、より一環した取り付けを確保するためだと考えられる。
バージボード上端は鋸状になったママだが、その配置は再配分されている。またこれらをつなぐブラケットは、後方が下を向く形に傾斜。これは気流を下に向けるために活かされていると考えられる。
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