ハース代表「膝をついた人を蹴ることはない」とグロージャンを擁護
ハースのシュタイナー代表は、ミスが続いているグロージャンを擁護し、彼の将来に関する議論は行われていないと語った。










ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、アゼルバイジャンとスペインでミスをしたロマン・グロージャンについて、チーム内で彼の将来に関する議論は行われていないと噂を一蹴した。
グロージャンは、前戦スペインGPのスタート直後にピエール・ガスリー(トロロッソ)とニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)を巻き込むインシデントを起こした。またその前のアゼルバイジャンGPでも、彼はセーフティカー出動中に単独でクラッシュを喫した。
なお今週末のモナコGPでは、スペインでのインシデントの責任を問われ、3グリッド降格ペナルティが科されることが決まっている。
しかしシュタイナーは、この2件のインシデントの後に、グロージャンの将来についてチーム内で議論が行われたことはないと主張した。
「それについては話をしていない」
「誰かが酷いレースを2戦経験したとしても、それは噂が始まったり、そういったことを始めるのに重要なことではないのだ」
「我々が必要としているのは、ロマンを戦える状態に戻すということだけだ。彼が非常に優秀なドライバーだということは皆わかっている」
「私は、誰かが膝をついた時にその人を蹴っ飛ばすような人間ではない。それではアンフェアだ」
「もちろん彼は我々以上に、何をすべきではなかったかということをよく分かっている。バクーでもバルセロナでもそうだ。しかしもう一度そういうことが起こる可能性はあるだろうか? 答えはイエスだ。ここはモンテカルロなのだ」
「噂をするのは止めよう。我々はそれについて話していない」
またシュタイナーは、ポジティブな点を探すようグロージャンを励ましていたと明かした。
「(スペインGPの)レース中に私はピットウォールを離れ、彼と話をした。それは、こういうことが起きた時、あるいは人生の中で悪い瞬間に直面した時に、人がどのような気持ちになるのかを私が知っているからだ」
「彼には、ただ乗り越えようと話した。くよくよと悩むことは重要なことではないし、自分に何ができるか分かっている。これを乗り越えて、集中しようと伝えた。次のレースがやってくるからポジティブになろう、とね」
彼はグロージャンがペナルティを避けられないということを認めていたが、FIAに対しては一貫性を持つよう求めている。
「あの時何もできなかったことを考えると、(ペナルティは)厳しいと言いたい。我々はどこで止まればよかったのか? それを答えるのは難しい。彼は意図的に何もしなかったのではないし、誰かに突っ込んだのでもない」
「私としては、もっと一貫性を持って欲しい。次に誰かが同じような状況になったら、同じペナルティを科されることを望んでいる。ケビン(マグヌッセン)はバクーでスタート時のインシデントに巻き込まれたが、終盤には10秒ペナルティを科された」
「10秒ペナルティというのは、次のレースでの3グリッドペナルティほど重くはない」
「彼らはこれをどうにかする必要がある。なぜならもし誰かがミスをした時、たとえそれが本当のミスであったとしても、何もできなくなってしまうからだ」
さらにグリッドペナルティについて、シュタイナーはこう話した。
「何かの助けにもならない。しかし我々はそれを科された。これについて何ができるというのか? 理論的には、予選で本来よりも良い位置につけたとしても、下がらなければならないのだ。これは無視できない」
「ペナルティを受けた状態でスタートするというのは、ここでは特に不利に働く。(グリッド位置は)もっとも重要なことのひとつでもある。ペナルティを背負ってレースを走らなければならないが、うまくいけばポジションを上げることができるだろう」
この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | ロマン グロージャン |
チーム | ハースF1チーム |
執筆者 | Adam Cooper |