ハースの”ロシア風”カラーリング、WADAの「ロシア国旗使用禁止」決定とは関係なし
2021年用マシンのカラーリングを発表したハースは、今年ロシア国旗を使ってレースできないニキータ・マゼピンのためのデザインではないと語る。
写真:: Haas F1 Team
ハースは3月4日に、2021年用マシンVF-21のカラーリングを発表した。そのデザインは、昨年までのモノから大きく変わり、マシン全体に赤・青・白・黒が配され、今季からドライバーとなるニキータ・マゼピンの母国であるロシアの国旗を彷彿するようなモノになった。
ただハースによれば、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の決定により、ロシア国旗を背負ってレースができないマゼピンに配慮したカラーリングではないという。
昨年12月、ドーピング不正に関するデータを国家ぐるみで改ざんしたとして、WADAはロシア選手団の主要な世界大会への参加を2年間禁止することを決めた。これにはF1をはじめとしたFIAの世界選手権シリーズも含まれているため、マゼピンはロシア人としてではなく、”ロシア出身の中立的アスリート”としてF1に参加することとなる。つまりマゼピンがレースに優勝した場合にも、ロシアの国歌は演奏されず、ロシア国旗をつけて走ることもできない。また、自らを”ロシア人”と名乗ることも禁じられることになった。
ただハースが3月4日に発表したマシンのカラーリングは、ロシアの国旗を彷彿とさせるモノであり、WADAの決定によりロシア国旗をつけられないマゼピンに配慮したデザインであるようにも思えた。しかしチーム代表のギュンター・シュタイナーは、WADAの決断がなされる前に、すでにデザインは決まっていたと主張する。
「いや、あざといやり方で規制を回避したわけではない」
そうシュタイナー代表は語った。
「ロシアの国旗の件についてWADAから発表される前、昨年の段階でこのカラーリングを既に計画していた」
「もちろん、ロシア国旗をロシア国旗として使うことはできない。しかしマシンの色には使うことができる。結局のところ、ロシア国旗を使えないのはアスリートであり、チームではない。そして我々はアメリカのチームだ」
シュタイナー代表曰く、このカラーリングについてはFIAと連絡を取り合ったものの、承認を受ける必要はないとも主張した。
マゼピンは、F1デビューの年に自身の国旗を付けることができないことについて、とても残念だと語った。
「F1が存在することを知って以来、ずっとF1で戦いたいと思ってきた」
そうマゼピンは語った。
「その目標に辿り着いた年に、こういうことが起きたのは非常に残念だ。僕が判断したり、決定したりできることは何もない」
「僕がどういう立場でレースに出るのか、それは今話し合っているところだ。まだ決まったことはない」
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