クラッシュで2台が大破……ハース、スペアパーツ余裕なし「アブダビのFP1でクラッシュしたらマズイ」
ハースのギュンター・シュタイナー代表は、F1サウジアラビアGPで2台がクラッシュに見舞われ、スペアパーツに余裕がなくなっていることを認めた。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
ハースF1チームにとって、F1第21戦サウジアラビアGPは散々なレースとなった。2台がクラッシュによって、早々にリタイアせざるを得なかったのだ。
ミック・シューマッハーは、10周目に高速のターン22でスピンしクラッシュ。最初の赤旗掲示の原因となった。
ニキータ・マゼピンは、避けようがないクラッシュに巻き込まれてしまった。リスタート直後、セルジオ・ペレス(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が接触しスピン。クラッシュを避けようと減速したジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)に、マゼピンは避けきれずに突っ込んでしまったのだ。
マゼピンのシャシーは、修復不可能なダメージを受け、最終戦アブダビGPではスペアのシャシーを使用することになった。マゼピンは前戦カタールGPで縁石に乗り上げ、ダメージを受けたシャシーを交換している。
ハースのギュンター・シュタイナー代表は、最終戦アブダビGPを戦うのに十分なパーツが揃っていると語ったが、もう大きな事故を起こすわけにはいかないという。
「5レース前にダメージを受けるよりも、今、ダメージを受けたほうがマシだ」
そうシュタイナーはmotorsport.comに語った。
「我々にはあと1レース残っている。しかしアブダビでアクシデントが発生した場合、十分なスペアはない」
「まだスペアパーツはある。しかし、マージンはあまりない。ラスト2戦のところで、2台のマシンを壊すことになるとは思っていなかった。これは決していいことではない」
どれだけのダメージがあったのかと訊かれ、シュタイナーは次のように説明した。
「ミックは3つのコーナー(サスペンション)を完全に壊してしまい、ギヤボックス、フロア、サイドポッドも破壊された。彼のシャシーは大丈夫だが、ニキータのシャシーはダメになってしまった。またひとつ、”砂を噛んで”しまった」
「シャシーは、ホイールが戻ってきた時のダメージで壊れてしまった。ホイールがドラム缶のようにサイドを叩き割ってしまったのだ。フロントサスペンションも完全に壊れた。リヤはそれほどでもないが、フロントは完全に破壊された」
「さっきも言ったように、我々はスペアパーツが十分だと分かっていたし、計画も立てていたんだ。まだ使い果たしていないが、もしアブダビGPのFP1でクラッシュしてしまうと、あと2日走行があるので大変だ。でもそれ以外は問題ない」
「泣きっ面に蜂といった感じだ。幸いなことにレースはあと1回だ。もし3戦残っていれば、パーツを生産する必要があった」
「だが、今は時間がないから無理だ。3日間では、これらのパーツを作ることはできない。パーツはあるし、最後までやり遂げることはできる。年末に償却するためのパーツは在庫が無くなるけどね!」
The Medical car attends the crash of Nikita Mazepin, Haas VF-21, and Sergio Perez, Red Bull Racing RB16B
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
激しい衝撃から無傷で生還したマゼピンは、F1の安全性向上を賞賛した。
「問題ないよ」と彼は語った。
「特に上半身の左側に大きな衝撃を受けたので、明日はきっと痛みで目が覚めるだろう」
「ジャン・トッドがFIAと協力して行なった仕事のおかげで、僕たちは今日を乗り切ることができた。だから、この時代にレースができている僕は幸運だ。15年前もそうだったかは分からないからね」
「僕が見たところ、シャルルは行き場を失い、セルジオをスピンさせていた。このサーキットは非常にタイトで、セルジオが横になったときには、コースの85%を占めていたんだ。だから、状況を見たジョージは予防措置として、アクセルを離したりブレーキをかけたんだ」
「そして僕は(ランス)ストロールと戦っていて、ふたりであの場所をフラットに通過しようとしていたんだ。でも残念ながら、スピードが時速200kmを超えていたので、クルマを止める時間がなく、ジョージを避けることはできなかったんだ」
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