ハミルトン「アロンソはドライバー市場を支配していると誤解していた」
ハミルトンは、アロンソ自身の判断によってより大きな成功を収めるチャンスを失ってしまったと考えている。
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
メルセデスのルイス・ハミルトンは、元チームメイトであるフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)について、彼自身が下した決断によって、より大きな成功を収めるチャンスを失ったと考えている。
2007年にF1デビューしたハミルトンは、マクラーレンに加入したチームメイトのアロンソと激しいバトルを展開した。そして両者の不安定な関係が、チーム内の摩擦を生んだ。
結果として1年限りでマクラーレンを離れたアロンソは、その後ルノーやフェラーリへと移籍しキャリアを継続した。フェラーリ時代はレッドブルに在籍していたセバスチャン・ベッテルとチャンピオンを争ったが、惜しくもタイトルは獲れなかった。
2015年にはマクラーレンに復帰したものの、チームは低迷しアロンソは今季限りでF1を離れることになった。
結局、ハミルトンとアロンソが直接タイトルを争ったのは2007年の1度だけ。ハミルトンは、アロンソが2014年に自分がドライバー市場をコントロールしていると誤解したことが、その原因だったと考えている。
「彼が良いクルマに乗らなかったことを、僕は残念には思わない」
motorsport.comのインタビューの中で、ハミルトンは自身のキャリアを振り返り、そう語った。
「心の中では、彼がもっと多くのタイトルを獲れると分かっている。だけど最終的には彼はその機会を得られなかったようだ」
「彼はトップドライバーだったし、行きたいチームに行けた。どこに行くか、その決定は非常に重要だ。だがドライバー市場をコントロールできると考えるのは間違いだ」
「彼は、(2014年に)それをコントロールしていると思っていた。当時は僕とセブ(ベッテル)もそうだったと理解している。そして僕が(フェラーリへの)移籍を諦めてすぐ、セブがその座を手にした」
「彼(アロンソ)は、セブのいた場所(レッドブル)に行くつもりだっただろうが、そのシートは埋まってしまった。そしてメルセデスのシートもなかったんだ」
「だけど僕は、彼のことをとても尊敬している。彼は驚異的なドライバーであり、その敬意のレベルは高いままだ。彼のドライブもそうだし、別のカテゴリーでもその実力を引き出している」
「僕がこのチーム(メルセデス)を離れてどこかに移籍するという決断を下すこともできるだろう。それはリスクだし、うまく行くこともあれば、失敗することもある」
2007年シーズンを振り返ったハミルトンは、自分が晒されていたプレッシャーや、アロンソに対抗するのがどれほど大変だったか、人々は理解できていないと語った。
「みんな、そのシーズンを過小評価しているように感じる」
「僕は他の人たちと違って、トップチームからF1デビューした。だけどある意味では、プレッシャーがあまりかからない下位チームにいる方が簡単な部分もある」
「デビューしてすぐにトップチームに在籍し、2度の世界チャンピオンに挑戦しなければならないんだ。彼は僕が経験してきたことも知っているし、すごい負担だった。僕の人生の中で、最も厳しい時期のひとつだった」
「それに加えて、それまで僕には何の名声もなかった。突然みんなが僕のことを写真に撮り始めるし、それまでにないほど多くの旅をするんだ。厳しかったけど、僕は本当にその年のことを感謝している」
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